みなさんは、庭木の消毒をしっかりとおこなっているでしょうか。大切な庭木が害虫や病気によって枯れてしまわないようにするためにも、庭木消毒はしっかりとおこなう必要があります。
しかし、「いつ消毒をおこなえばいいかわからない」「どの薬剤を選べばいいかわからない」という方もいると思います。そこでこの記事では、庭木消毒の時期や薬剤の種類とタイプ、消毒時の注意事項などについてご紹介していきます。また、自分で庭木消毒をやるのが難しいという方向けに庭木消毒の業者についても解説していきますよ。
目次
庭木の消毒時期・薬剤の選び方
庭木消毒をおこなう際には、作業に適した時期や薬剤の種類はもちろん、注意点やお手入れ後におこなうべきことなど、さまざまなポイントについて知っておかなければいけません。それらについて、ここではまとめて解説していきますので、ぜひ参考にしてくださいね。
庭木の消毒時期は年3回
庭木消毒は、時期によって利用する薬剤や薬剤を散布する目的が異なってきます。消毒時期は大きく分けて、年3回です。
1月~2月
寒い時期であるため、害虫や病原菌などは基本的に活動を停止しています。この時期に庭木消毒をしておくと、暖かくなりはじめたときに発生する害虫や病原菌の予防になるので、しっかりとおこないましょう。
3月~5月
次第に暖かくなり、害虫や病原菌の活動が活発になりはじめる時期です。しっかりと庭木消毒をおこない被害を防ぐ必要があります。しかし、春は庭木から新芽を出しはじめる時期でもあります。新芽はまだ葉も柔らかく、薬害を受けやすいため、庭木消毒に使う薬剤は注意して選びましょう。
7月~9月
害虫や病原菌がもっとも活発になる時期です。一度の庭木消毒ではすべての害虫や病原菌を駆除しきれないことも多いため、こまめに消毒をおこない、庭木への被害を最小限に抑えましょう。
薬剤の種類とタイプ
一口に庭木消毒といっても、消毒薬にはさまざまな種類とタイプが存在しています。そのため、庭木消毒の目的によって適切な薬剤を選ぶ必要があります。薬剤の種類とタイプは以下のとおりです。
【種類】
・殺虫剤
殺虫剤は、庭木につく害虫を駆除するのに利用する薬剤です。害虫を放置しておくと、食べられるなどして庭木が弱ってしまうので、繁殖している場合は殺虫剤でしっかりと駆除しましょう。
・殺菌剤
殺菌剤は人間でいうところのワクチンのようなもので、健康な庭木に利用することによって害虫や病原菌を予防してくれる薬剤です。また、中には庭木の病気を治療する効果のある殺菌剤もあります。
・殺虫殺菌剤
「害虫を駆除する殺虫剤の効果」と「害虫や病気を予防/治療する殺菌剤の効果」が合わさった薬剤です。害虫を駆除しつつ、再発生や病気の予防もできる一石二鳥の薬剤といえます。
【タイプ】
・エアゾール剤
一般的な殺虫剤のようにボタンワンタッチで、薬剤を噴射できるタイプの薬剤です。薬剤を噴射する勢いが強いため、広範囲や高所への薬剤散布がおこないやすいのが特徴です。
・スプレー剤
霧吹き状のボトルに入っている薬剤で、トリガー部分を引くと薬剤が噴射されます。噴射できる薬剤の量をある程度自由に調整でき、部分的な消毒をするのに向いています。
・粒剤
固形タイプの薬剤で、庭木の根本にまいて使います。エアゾール剤やスプレー剤のように薬剤が広がり別の植物にかかるということがないため、特定の庭木だけを消毒したい場合などに便利なタイプの薬剤です。
薬剤を選ぶポイント3つ
庭木消毒をする際は、状況に合わせて適切な薬剤を選ぶ必要があります。適切な薬剤を選ばないと、効果がでなかったり庭木に悪影響がでたりするおそれがあるのです。薬剤を選ぶ際は、次の3つのポイントを意識しましょう。
庭木や樹木の特性を知る
庭木消毒用の薬剤は、すべての害虫や病気に効果がある万能薬というわけではありません。そのため、庭木や樹木の発生しやすい害虫や病気をしっかり把握しておき、それに適した薬剤を選ぶ必要があるのです。
場所や環境に配慮して選ぶ
薬剤は植物にとって害虫や病気を予防してくれる薬である一方で、悪影響を与える毒となることもあります。薬剤を散布する際は、周辺の植物に薬剤がかかっても問題がないか事前によく確認しておきましょう。また、周辺にペットや人がいないかの注意も必要です。
植物の種類で選ぶ
薬剤にはいくつか種類があり、使う薬剤の種類を間違えると効果がでにくいことがあります。庭木消毒をおこなう際はしっかりと「樹木類」用の薬剤を選びましょう。
【作業法】正しい服装と注意事項
庭木消毒用の薬剤は、利用方法を間違えると健康被害の原因になりかねません。そのため、正しい服装で注意事項をしっかり守ったうえで消毒をおこなってください。
【服装】
薬剤散布をする際は、「マスク」「ゴーグル」「ゴム手袋」「長そで」「長ズボン」「長靴」を身につけて、極力身体に薬剤が付着しないように心がけましょう。
【注意事項】
・使用上の注意をよく読む
薬剤は種類によって利用方法が異なります。間違った使い方をすると、庭木や人体への悪影響につながりかねないため、使用上の注意はしっかりと目を通しましょう。
・風の強い日を避ける
風が強いと思わぬ方向に薬剤が流れてしまい、ほかの植物や近くの人に薬剤がかかってしまう危険性があります。薬剤散布をする際は、風の吹き具合を事前に確認しましょう。
・子どもやペットが近づかないようにする
薬剤がかからないようにするためにも、薬剤散布中に子どもやペットが近づかないように注意してください。
・植物全体にむらなく散布する
薬剤散布にむらがあると、薬剤の効果が発揮されないことがあるため、むらなくしっかりと散布しましょう。とくに、葉の裏などは見落としがちなので要注意です。
消毒作業が終わったら……
消毒作業が終わったら、下記の項目を実践してください。
手足、顔などをせっけんでよく洗う
正しい服装をしていても、服の隙間から薬剤が入り込んでいる場合があります。肌に付着した薬剤をそのまま放置していると、炎症などの健康被害をおこしかねません。そのため、庭木消毒が完了したらせっけんで手足や顔をしっかりと洗いましょう。
消毒した場所には立ち入らない
消毒が完了したら、しばらくはその庭木に近づかないようにしましょう。庭木に散布した薬剤が身体に付着するおそれがあります。
余った薬剤はしっかりフタを閉めて冷暗保存
薬剤が余ったら、フタをしっかり閉めたうえで冷暗保存しましょう。また、薬剤の容量が少なくなっていても、ほかの容器に移し替えないようにしてください。万が一、ほかの薬剤と混ざってしまった場合、人体に悪影響を与える成分が発生してしまうおそれもあります。
「安全」「確実」な消毒はプロにお任せ!
庭木消毒に使う薬剤は、人体にとっては有毒なものもあるため、取り扱いには十分注意する必要があります。また、使用方法を間違えると十分な効果がでなかったり、庭木が薬害で枯れてしまうおそれもあるのです。安全かつ確実に庭木消毒をおこないたい場合は、プロに消毒をおこなってもらうのがおすすめです。
庭木の害虫と病気の発生時期
庭木に発生する害虫は、それぞれ発生する時期が異なります。害虫の種類によって対応する薬剤も異なってくるため、庭木消毒をする場合はそれぞれの特徴をしっかりと把握する必要があるのです。
害虫の発生時期
イラガ
イラガは蛾の一種で、6月~9月頃に幼虫が発生します。イラガの幼虫に刺されると、電気が走ったかのような痛みが発生するため、別名電気虫ともよばれています。
毛虫
毛虫の発生時期は種類によって大きく異なりますが、4月~10月頃に見られる害虫です。毛虫は、庭木の葉を食べるだけでなく全身に毒のトゲを持った種類が多いため、誤って触れてしまい肌が炎症をおこすケースがあります。
カイガラムシ
カイガラムシは5月~9月頃に発生する、アブラムシの仲間です。枝や葉に大量にくっつき汁液を吸うため、庭木が枯れてしまうこともあります。
アブラムシ
アブラムシはおもに、4月~5月と9月~10月に発生します。庭木の汁液を吸い生育に悪影響を及ぼします。また、繁殖力が高く駆除が難しいです。
ハダニ
ハダニは、5月~9月に発生する植物に寄生するダニの一種です。葉の裏側につくため発見が遅れやすく、気づいたときには被害がかなり進行しているというケースも多いです。
チャドクガ
チャドクガは蛾の一種で、幼虫は4月~6月と8月~10月頃に発生します。チャドクガは多くの毛虫と同様針を持っており、刺されると肌の炎症などを引き起こします。また、風に乗ったチャドクガの針が肌に刺さり、炎症が起こることもあるようです。
病気の発症時期
害虫だけでなく、病気もそれぞれ発症時期や対処方法が異なります。どの病気がいつ発症するか把握しておき、適切な庭木消毒をおこなえるようにしましょう。
さび病
さび病は、5月~6月と8月~11月頃に発生しやすい病気です。名前のとおり、葉がさびたように変色したり、斑点ができたりします。
すす病
すす病は、春から秋にかけて発生しやすい病気です。葉に、すすがかかったかのように黒く変色するのが特徴です。
うどんこ病
うどんこ病は、5月~7月と9月~11月頃に発生しやすいです。葉っぱが、うどんを作るのに使用するうどんこをまぶしたかのように白っぽくなるのが特徴の病気です。
炭そ病
炭そ病は、4月~10月にかけて発生しやすい病気です。葉の一部分が、焼けて炭になったかのような斑点かできるのが特徴です。
もち病
もち病は、5月~6月に発生しやすいです。葉の一部、または全体が加熱したもちのように膨れ上がります。基本的に、ツバキ類やツツジ類にのみ見られる病気です。
【予防法】剪定で風通しをよくすること
庭木や樹木は成長の仕方次第では枝葉が密集してしまい、図らずしも風当たりが悪くなることがあります。しかし、この風当たりの悪いじめじめした環境は害虫や病気の発生しやすい環境です。
害虫や病気を防ぐためにも庭木や樹木の剪定はしっかりおこないましょう。剪定は飛び出した枝葉をカットして形を整えるだけでなく、枝葉が密集しているところを透いて風通しをよくする作業でもあります。剪定は、ホームセンターなどで売っている剪定バサミや剪定ノコギリなどでおこなえます。
病害虫予防のための剪定はプロに依頼しましょう!
剪定は、病害虫予防として有効な手段のひとつです。しかし、剪定はいつやってもいいわけではありません。庭木の種類や成長具合に合わせて適切なタイミングで剪定をおこなわないと、庭木が傷んでしまったり、最悪枯れてしまったりしかねないのです。
また、庭木の高さによっては高所での作業になるため、危険がともないます。剪定作業を自分でおこなう自信がないという場合は、プロに依頼するのもひとつの手です。プロに依頼すれば面倒な剪定作業をやってくれるだけでなく、剪定後にでる枝葉の処分などもやってもらえますよ。
庭木の消毒はプロに任せて安心!
庭木の消毒は、プロに依頼するのが確実です。この章では、庭木消毒の費用相場や業者の選び方についてご紹介していきます。庭木消毒を依頼する際の参考にしてみてください。
こんな症状がでていたら要注意!
庭木に害虫や病気が発生した際は、種類によっては特徴的な症状が見られることもあります。これらの症状を見逃さず、なるべく早い段階でプロに庭木消毒を依頼しましょう。
葉の症状
- 葉が白い:うどんこ病、カイガラムシの寄生
- 葉が黒ずんでいる:すす病、炭そ病、さび病、疫病
- 葉が茶色い:炭そ病、さび病
- 葉の一部または全体が膨らんでいる:もち病、縮葉病、カイガラムシの寄生
- 葉がまかれている:毛虫の発生
枝、幹の症状
- 枝が一か所に密集して成長している:てんぐ巣病
- 枝が白い:カイガラムシの寄生、アワフキムシの寄生
茎の症状
- 茎が変色している:立枯病、つる割病、うどんこ病
- 成長が遅い:アブラムシの寄生
プロに頼めば解決できます
庭木消毒を依頼するといっても、いったいどのようなことをしてくれるのか想像しにくいという方もいるかもしれません。庭木消毒の際は庭木に合わせた薬剤を選んで消毒してくれるほかに、庭木の剪定や雑草の伐採などをしてくれます。これにより、庭木消毒後も庭木の害虫や病気を予防しやすくなる環境作りがおこなえるのです。
庭木の消毒にかかる費用相場
庭木消毒にかかる費用は、おもに庭木の高さによって変動します。庭木1本あたりの費用の目安は以下のとおりです。
木の高さ:費用
- 0m~3m:2,000円~3.000円
- 3m~5m:3,000円~6,000円
- 5m~7m:6,000円~10,000円
業者によっては、消毒する土地面積や使用する薬剤量によって値段が変動するケースもあるのでしっかり確認しておきましょう。また、上記の金額はあくまで目安です。実際に業者に依頼をする際には、必ず見積りを取り、内訳をしっかりと確認してください。
業者を選ぶときのポイント
庭木の消毒を業者に依頼する場合は、下記の4つのポイントを参考にしてください。
見積りがわかりやすいこと
庭木消毒は、業者ごとに料金設定が異なります。そのため、実際にいくらかかるのかわかりにくいということもあるかもしれません。料金のトラブルを防ぐためにも、わかりやすい見積りを出してくれる業者を選びましょう。
作業実績が豊富であること
庭木消毒は、庭木の種類や成長具合に合わせた薬剤を選ぶ必要があります。経験の浅い業者だと、消毒がうまくいかないこともあるようです。そのため、なるべく作業実績が豊富な業者を選びましょう。
対応が丁寧であること
庭木消毒は基本的に、家の敷地内での作業になります。家の敷地内にいても不安感を感じないような、対応が丁寧な業者を選ぶと安心して作業を任せられます。電話での対応の丁寧さなどを基準に、判断するようにしてください。
不安なことなどの相談に乗ってくれること
庭木消毒は多くの方にとって、あまり一般的なことではないと思います。そのため、庭木消毒に関してわからないことや不安なことが多くでてくるかもしれません。そんな不安を解消するために、しっかりと相談に乗ってくれるような業者を選びましょう。
まずは無料見積りを活用してみましょう
庭木消毒にかかる費用は、庭木の高さや消毒面積によって大きく異なります。そのため、消毒にかかる費用を知りたいという場合は、まずは見積りをしてみましょう。
剪定110番は、24時間365日の無料電話窓口を用意しております。また、依頼前の現地調査や見積りは無料でおこなっています。なにか気になる点があれば、いつでもお気軽にお電話くださいませ。
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