お部屋やオフィスのインテリアとして人気の観葉植物・ウンベラータですが、放置すると天井につかえてしまったり、だんだん見栄えが悪くなったりすることも。このことからも、「剪定にチャレンジしてみようかな?」と思う方は多いでしょう。
とはいえ剪定ともなると、とくに初めての方は不安も多いものです。「下手に切って枯らしちゃったらどうしよう……」「元気な枝や葉を切っても大丈夫かな……」などなど、心配に思うことも多いですよね。
そんなウンベラータの剪定は『時期』さえ間違えなければ、思い切ってザクザク切り戻しても大丈夫! なぜならウンベラータは剪定に強く、そう簡単には枯れない植物だからです。ここさえ把握しておけば、究極葉や枝をすべて切り落としても大丈夫なほど!
ここでは、そんなウンベラータを元気に育てるための、正しいお手入れの知識を解説していきます!
目次
- ウンベラータの剪定時期|”成長期”の剪定がポイント!
- ウンベラータの剪定方法|思い切って切っていこう
- 『上向き・Y字』に伸びる習性を利用して理想の樹形に仕立てよう!
- 『切り口』に注意!剪定前に知っておきたい3つの注意点
- 剪定ポイント1:正しい道具を使って剪定する
- 剪定ポイント2:切り口から出る樹液には触れないようにする
- 剪定ポイント3:大きな切り口には剪定後に癒合剤を塗る
- 剪定後のウンベラータの正しいお手入れ
- 剪定後は日当たりのいい場所に置いておこう!
- 水やりは「葉水」と「季節ごとの頻度」が重要!
- 豆知識:『挿し木』・『水耕栽培』でウンベラータを増やす方法
- ウンベラータを挿し木で増やす手順・注意点
- ウンベラータを水耕栽培で増やす手順・注意点
ウンベラータの剪定時期|”成長期”の剪定がポイント!
ウンベラータの剪定に適した時期は5月~9月ごろ、温かい季節が最適です。なかでも春~夏にかけては、剪定のベストタイミングといえます。なぜなら、夏の時期からのウンベラータは『成長期』に入るから。
成長期はその名の通り、その木が1年の中でもとくによく成長する時期のことを指します。そのため春ごろに剪定しておけば葉や枝もダメージから回復しやすく、ある程度好きに切っても大きな問題はありません。
逆に11月以降など寒くなってくる時期はウンベラータも回復しにくく、芽もなかなか出にくくなってしまいます。そもそもウンベラータは寒さや乾燥に弱いため、この時期に剪定をすると木そのものが弱ってしまうことも……。
もし「今ちょっと寒い時期かも……」という場合も、冬場のウンベラータはそこまで急激に成長しないため、そう焦る必要はありません。大切なウンベラータのためにも、暖かくなってくるまで剪定は控えておきましょう。
ウンベラータの剪定方法|思い切って切っていこう
ウンベラータの剪定方法と聞くと難しそうですが、ただコンパクトにまとめるだけであればそう難しい作業ではありません。なぜならウンベラータには、「ここを切ったら枯れる」というポイントがほとんどないからです。
究極、枝を全部切り落として丸坊主にしたり、地面から30~40cmぐらいの部分から幹ごとバッサリ剪定してみたりしても問題ありません。健康な株であれば、切ったところの少し下からどんどん新芽が出て、グングン成長してくれますよ。
それでもどこから切ればいいか迷う、というときは、まず以下のような枝・葉から優先的に間引いていきましょう!
- 枯れた枝
- 黄色っぽく変色した葉
- 伸びすぎて樹形を乱している枝
- 内向きや下向きに伸びてしまっている枝
- 交差したり、ほかの枝に絡んでしまっている枝
『上向き・Y字』に伸びる習性を利用して理想の樹形に仕立てよう!
もう少しレベルをあげて「理想の樹形にしてみたい!」という方は、ウンベラータの習性を利用してみましょう。
ウンベラータの枝は剪定した部分の少し下から、『上向き・Y字』に広がっていきます。切った部分から広がるように枝が伸びていく傾向にあるので、これをうまく使えば好きな樹形に仕立てることも可能です。
とはいえ理想の樹形、というのは人それぞれ異なります。どれぐらいのサイズに育てたいのか、どんな見た目にしたいのか、置いている環境(天井の高さなど)はどうかなどなど……。
剪定前にはこれらを考慮して、『ゆくゆくどんな形にしたいか』を意識して切っていくとやりやすいでしょう。
もしどうしても不安だったり、また木が大きくて難しそうな場合は、一度プロに見てもらうという手もあります。実際に業者にウンベラータを見てもらってキレイに手入れしてもらいつつ、剪定のコツも聞ければ、今後の生育にも役立ちますよ。
剪定についてのお悩みは、ぜひ弊社の無料相談ダイヤルをご活用ください。お電話いただければ、お住まいのエリアやご要望に沿った提携業者をすぐにお探しいたします。通話料は無料、24時間受付対応しておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。
『切り口』に注意!剪定前に知っておきたい3つの注意点
ウンベラータの剪定は、方法自体はカンタンですが1点『切り口』の取り扱いには注意しておきましょう。切り口は前述したように傷跡のようなものなので、丁寧に扱ったほうが安心です。
この切り口に関して、ウンベラータの剪定前には以下の3つのポイントを抑えておくと安心です!
- 正しい道具を使って剪定する
- 切り口から出る樹液には触れないようにする
- 大きな切り口には剪定後に癒合剤を塗る
剪定ポイント1:正しい道具を使って剪定する
ウンベラータの剪定をする際、剪定用ではない普通のはさみで代用しようとしてはいないでしょうか。確かに細い枝程度であれば普通のはさみでもカットできますが、以下のようなデメリットがあるためあまりオススメはできません。
- 切れ味が悪いため切断面が粗く、また切り口の繊維が潰れてしまいやすい
(生育に問題が出ることも……) - 剪定にかなりの力が必要となってしまう・効率が悪い
最悪の場合、株や枝は弱り、手は疲れ、はさみは壊れ……なんて状況にもなりかねません。今後もウンベラータを元気に育てていきたいなら、剪定ばさみを1本購入しておくことをオススメします。
また使用前には、剪定ばさみをよく洗ったり、消毒したりしておくとなおよいです。大切なウンベラータのことを考えて、この道具には十分気を使っておきましょう!
剪定ポイント2:切り口から出る樹液には触れないようにする
ウンベラータを剪定する際、切り口からは白っぽい樹液が出ます。これに触れるとベタベタして洗っても落ちにくいですし、体質によっては肌がかぶれてしまうことも……。
そのため剪定の際は、汚れてもいいエプロンや衣服、手袋や軍手などを着用しておくと安心です。
また人体のみならず、床などについてしまっても掃除が大変です。このことからもウンベラータの剪定を始める前には、鉢の下に広く新聞紙を敷いておくとよいでしょう。
剪定ポイント3:大きな切り口には剪定後に癒合剤を塗る
ウンベラータが強い木なので、剪定後の切り口は樹液をふき取って乾かせば基本はOK。それでも大きめの切り口となると、ばい菌などが入るリスクは高くなるため、少々不安に思われる方も多いでしょう。
そんなときは、癒合剤を塗っておくと安心です。これは樹木の切り口に塗り付けて保護するもので、ホームセンターや通販などでよく販売されています。
もし切り口が心配、という方は、このアイテムを事前に購入しておくのもアリですね。
剪定後のウンベラータの正しいお手入れ
ウンベラータの剪定自体はカンタンですが、その後のお手入れを間違えるとトラブルが発生してしまいがち。とくに起きやすいトラブルは、『葉』の異常です。
- ウンベラータの葉がしわしわになった
- ウンベラータの葉に元気がない
- ウンベラータの葉が落ちてしまった
これを放置するとどんどん株が弱ってしまいます。こうなってしまう原因はおもに『日光』や『水やり』にあるケースが多いので、以下の点を見直しつつ、正しく育てていきましょう!
剪定後は日当たりのいい場所に置いておこう!
ウンベラータは日当たりのいい環境を好むため、剪定後はそのような場所に設置しておくと安心です。置き場所としてはベランダや室内であれば窓のそばなど『明るい日陰』くらいがちょうどよいといえますね。
ただしこの際、過度に直射日光が当たるような場所はオススメできません。なぜなら、剪定後のウンベラータは体力を消耗しているから。剪定に強いウンベラータとはいえ、剪定直後の刺激の強い直射日光は望ましいとはいえないでしょう。
また夏場の直射日光は葉が焼けて、黒ずんでしまうことにもつながります。キレイなウンベラータを楽しむためにも、この置き場所には十分気を付けておきましょう!
水やりは「葉水」と「季節ごとの頻度」が重要!
ウンベラータの水やりでもっとも大切なのは『葉水』です。これは霧吹きなどを使って、葉に向けて水をやる方法。ウンベラータの葉は乾燥しやすいため、これは年中、毎日こまめにおこないましょう。
また土に対する水やりの頻度は、季節に応じて異なります。
春や秋:土が乾きはじめたら水やり
夏:土が乾くより前に水やり(ほぼ毎日)
冬:土が乾いてから2~3日後に水やり
これぐらいの頻度で、鉢の底からあふれるぐらいの水を土にやりましょう。とくに水が足りなくなると葉は徐々に下を向き始めるので、こうなったらすぐに水をやる必要があります。
ただし、必要以上に水をやるのもよくありません。水分過多になってしまうと『根腐れ』を引き起こし、最悪ウンベラータが枯れてしまうことも。この原因で株がダメになってしまうことは意外と多いので、季節に適した量の水をあげるようにしてくださいね。
豆知識:『挿し木』・『水耕栽培』でウンベラータを増やす方法
もし「ウンベラータの剪定に失敗したら……」という不安がどうしてもぬぐえない方は、事前に株を増やしておくと安心です。念のため株を数本用意しておけば、剪定も思い切って始められるでしょう。
そんなウンベラータを増やす方法は大きく分けて、『挿し木』・『水耕栽培』の2つがあります。どちらもカンタンにできますので、興味のある方は試してみてください!
ウンベラータを挿し木で増やす手順・注意点
挿し木はウンベラータを剪定した後などに出る『枝』を使って、数を増やす方法です。適切な時期は、剪定と同じく春から夏にかけてがベスト。まずは必要なモノから用意しつつ、手順通り進めていきましょう!
- 芽や葉が出ていて活発に成長している枝(10cm程度)
- 挿し木用の土(観葉植物用のもの)
- 鉢植え
- 剪定した枝の断面を斜めにカットする
※水を吸い上げやすくなります - 樹液は水でしっかり洗い流します
- 鉢に入れた土に水をやり、水分を含ませます
- 枝分の小さな穴(5cm程度の深さ)を開けて、そこに枝を挿します
- しばらくはこまめに水をやります(土が乾く前にたっぷり)
- 根が出たら成功(大きくなってきたら相応の鉢に移し替えましょう)
ウンベラータを水耕栽培で増やす手順・注意点
ウンベラータの水耕栽培はカンタンにいえば、剪定で出た枝を水に挿すだけの方法です。挿し木よりもさらにお手軽にできる増やし方なので、興味のある方は試してみてください!
- 芽や葉が出ていて活発に成長している枝(10cm程度)
- 水の入った小さなビン
- 挿し木用の土(観葉植物用のもの)
- 鉢植え
- 枝の断面を斜めにカットし、樹液は固まる前に洗い流す
- 切り口側から水の入ったビンに入れる
- 水は毎日に交換しつつ、直射日光の当たらない明るい場所で育てる
- うまくいけば数日で根が出てくる
- 根がビンにぶつかるほどになってきたら大きめのビンに交換
- 根や枝がかなり成長してきたら、鉢に植え替え
- しっかり根付くまでは土が乾かないよう気を付ける
しっかり根が張った後は、普段通り土が乾いたタイミングで水やりすればOKです。このような方法でウンベラータを増やせれば、さらに多種多様な楽しみ方ができるでしょう!