ミツバチの巣を見つけたら、まずは安全な状態かどうかを確認しましょう。なぜなら、住宅の中にできたミツバチの巣をそのままにしておくと、巣から染み出した蜜が家屋を腐食させたり害虫を引き寄せたりして、被害を広げてしまう原因になる場合もあるからです。
もしも状況を確認して危険だと判断したら、早めの駆除を考えましょう。ミツバチは数が多く手が届きづらい場所に巣を作る場合もあるため、確実に駆除したいなら業者へ依頼するのがおすすめです。
3つの特徴からミツバチの危険性を確認しよう
日本にはニホンミツバチとセイヨウミツバチの二種類のミツバチが生息しており、下記のような見た目の違いがあります。
- ニホンミツバチ:体全体が黒っぽく小さめ
- セイヨウミツバチ:体が黄色っぽくニホンミツバチより体が大きめ
ここからは、ミツバチの危険性を確認するために下記の特徴を見てみましょう。
- 巣の形状と巣を作りやすい場所
- 活動時期
- 性格
巣の形状と巣を作りやすい場所
ミツバチの巣は板状のものが複数枚重なってできており、一つの巣の中に数千匹が生活しています。また、軒下、天井裏(屋根裏)、床下、壁の隙間など、手が届きづらい場所に作るのも特徴の一つです。
ミツバチの巣 | ミツバチの巣ができやすい場所 |
巣はまだ見つけていないけれど、家の中をミツバチが出入りしている場合は、普段見えない場所に巣を作られている可能性があります。巣が大きくなってからでは駆除が難しくなるため、気になる場合は専門の業者に調査してもらうことをおすすめします。
活動時期
スズメバチやアシナガバチと違い、ミツバチは女王蜂だけでなく働き蜂(メス蜂)やオス蜂も越冬できます。また、スズメバチやアシナガバチは4~5月になると越冬した新女王蜂だけで巣作りを始めますが、ミツバチは2月頃からたくさんの働き蜂が餌を求めて活動を始めます。
さらに、ミツバチは元いた巣から旧女王蜂とともに半数ほどの群れに分かれて、春から夏にかけて分封または分蜂(ぶんぽう)と呼ばれる引越しをします。移動している途中、ひとかたまりになって木の枝などで休憩していることがありますが、こちらから手を出さなければ攻撃してくる心配はありません。数千匹いるうちの半分の数のミツバチが集まっているとちょっと怖いですが、長くても数日経てば巣作りの場所を求めて移動していくので、刺激しないようにやり過ごしましょう。
性格
ミツバチはスズメバチやアシナガバチと比べて凶暴的ではないものの、巣を刺激すれば攻撃されるおそれは十分あります。特に、餌が少なくなる秋~冬は刺激に敏感なため、攻撃性が高くなっています。
ミツバチの針は刺すと取りづらい構造になっており、外そうとするとミツバチのお尻にある毒が入った袋も残ってしまうため注意が必要です。また、ミツバチが針を刺した際に仲間に危険を知らせるフェロモンが分泌され、集団で襲ってくる場合もあり非常に危険です。
ミツバチの巣の放置で起こる被害
ミツバチの巣を駆除せずにそのまま放置しておくのは危険です。ミツバチは一つの巣をどんどん大きく成長させて蜜を貯めこみ、巣から染み出した蜜によりさまざまな被害を引き起こします。
ミツバチの巣を見つけた場合はもちろんのこと、ミツバチが家の中を出入りしているけれど巣ができているか疑わしい場合も、被害を広げないためにもなるべく早めに巣の状態を確認して駆除しましょう。
害虫を引き寄せる
ミツバチが巣に貯めた蜜の香りに誘われて、ゴキブリやアリなどの害虫を引き寄せるおそれがあります。また、秋頃の餌が少ない時期はスズメバチがミツバチの巣を襲う場合も。手が届かない場所に巣があると、スズメバチに襲われたミツバチの死骸を片付けることができないため不衛生な状態で放置することになります。
家屋が傷む
ミツバチは越冬しながら、同じ巣をそのまま次の季節以降も使い続けます。もしも家の中に巣を作られた場合、大きくなった巣から染み出した蜜で壁や天井が汚れてしまいます。そのまま放置しておくと家屋が腐敗するおそれもあるため注意が必要です。
ミツバチの巣の対処方法
ミツバチの巣の対処方法は下記の4つがあります。「駆除する場合」と「駆除を避けたい場合」に分けてご紹介しますので、自分に合った方法を選んでみてくださいね。
- 業者へ依頼する
- 自治体に相談する
- 自力で駆除する
- 養蜂場に相談する
駆除する場合
業者へ依頼する
ミツバチの巣は蜂の数の多さや手が届きづらい場所に作られやすく、プロでも駆除に時間がかかります。特殊な道具が必要となることもあり、アシナガバチよりも料金相場が高く設定されています。
下記の金額は、蜂駆除業者5社のホームぺージに記載されている最低価格の平均値です。
- スズメバチ:10,980円~
- アシナガバチ:5,640円~
- ミツバチ:7,880円~
素人が自力で駆除するにはとても大変な作業になるため、ミツバチの巣を駆除する場合は専門業者へ依頼するのが安心・安全でおすすめです。弊社にご依頼ただいた場合は下記のような流れで作業が進み、スピーディに施工完了しますのでぜひ一度ご相談ください。
詳しくは蜂の巣駆除費用の相場をまとめた記事をご覧ください。
自治体に相談する
自治体によっては、業者に委託して駆除してくれる場合や駆除に必要な道具を貸してくれる場合があります。
ミツバチ駆除の対応例 | |
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委託業者による駆除をしてくれる自治体 | 神戸市 |
駆除費用の助成金が出る自治体 | 武蔵野市 |
道具の貸し出しをおこなっている自治体 | 横浜市 |
最寄りの自治体で駆除をおこなってくれる場合でも、市役所などは土日祝日が休みのため、すぐに対応してもらえない可能性もあります。急いで駆除したい場合は業者依頼するのが確実です。
詳しくは自治体の対応をまとめた記事をご覧ください。
自力で駆除する
ミツバチは比較的大人しい性格ですが、巣を刺激されると攻撃してくるため注意しましょう。自力で駆除する場合は、駆除に必要な道具をそろえて、駆除の手順もしっかり確認しておくことが大事です。
・防護服
防護服は蜂駆除専用のものもありますが購入するとなると高額になります。自治体によっては借りられる場合もあるので問い合わせてみてください。手持ちの服で代用する場合は、蜂の攻撃から身を守るためにも白色で厚めの生地のものを選びましょう。
・防護メガネ
蜂は黒いものに反応する習性があります。攻撃されないようにメガネで目を保護しておきましょう。
・殺虫剤
長く噴射し続けるために、新品の殺虫スプレーを2本程度用意しておくと安心です。
・長い棒
巣を落とすときに使うため、巣に届く長さの棒を用意しましょう。
・懐中電灯
蜂は赤色を認識しにくいため、赤い光を放つもの、または赤いセロファンを貼っておきましょう。
・ゴミ袋
駆除した巣や蜂の死骸を入れるための袋です。
・マスク
殺虫剤を噴霧した際に薬剤を吸い込まないように着用しておきましょう。
- 蜂の巣から2~3メートル離れた距離から巣の表面へ殺虫剤を噴射する
- さらに巣の中にも殺虫剤を噴射する
- ゴミ袋を巣の下に置いておく
- 棒を使ってゴミ袋の中に巣を落とす
- トングなどを使い地面に落ちた巣のかけらや蜂の死骸もゴミ袋へ入れる
- ゴミ袋の中にも殺虫剤を噴射して袋を閉じる
うまくミツバチの巣に殺虫剤を噴霧できた場合も、ミツバチの巣に手が届きづらいとそのあとの処理がきちんとできません。少しでも自力駆除が難しいと思ったら、まずは業者に相談してみましょう。
駆除を避けたい場合
養蜂場に相談する
養蜂場によっては駆除をせずに引き取ってくれる場合があります。花粉を運んだりハチミツを作ったりと、ミツバチは人間に恩恵をもたらす益虫のため、殺虫剤を噴射して駆除するのをためらう方もいるかもしれませんね。もしもお近くに養蜂場があるなら、引き取ってもらえるか相談してみるのも一つの手です。
ミツバチに刺されないための方法
身近にミツバチがいる場合、下記のことに気を付けて刺されないようにしましょう。
- 近寄らない
- 香水を付けない
ミツバチは、強い刺激を与えたりしない限り基本的には刺してきませんが、他の蜂と同様に食べ物やジュースの甘い匂い、香水の香りなどに寄ってきます。そのため、夏に外で甘い香りがするものを身につけるのは控えるほうが無難です。
万が一ミツバチに刺されてしまった場合、適切に処置しましょう。蜂に刺された場合の処置として、一般社団法人 大阪府医師会では下記の対応を推奨しています。
次のような手順で処置をし、安静にします。20分ほど様子を見て、異常がないようなら、ひとまずは安心です。様子がおかしいと思ったら、ただちに医療機関を受診するようにしましょう。
- 刺された傷口を流水でよく洗い流す。ハチの針が残っている場合は、そっと抜く。
- 傷口から毒をしぼり出す。口で吸った場合、毒は必ず吐き出しましょう。
- 抗ヒスタミン軟膏などを塗り、冷やす。
- 息苦しさや口の乾き、冷や汗、めまい、血圧低下、しびれ、嘔吐、じんましんなどのショック症状が現れた場合は、一刻も早く救急病院で医師の診察を受ける。
まとめ
ミツバチの巣を放置しておくと、家屋を傷めたり害虫を引き寄せたりするおそれがあります。ミツバチの巣がすでにできている場合はもちろんのこと、ミツバチが自宅周辺や家の中を飛んでいて巣を作っていそうな場合は、早めの駆除が肝心!
ミツバチは大人しい性格ですが、簡単に自力駆除ができると考えるのは危険です。ミツバチは蜂の数の多さや手が届かない場所に巣を作りやすいことから、スズメバチやアシナガバチよりも駆除が難しい場合があります。安全・確実に駆除するなら、業者へ依頼するのが安心です!
蜂の巣駆除の方法、自力駆除と業者依頼の判断方法はこちらをご覧ください。