スズメバチに刺されないようにするには、スズメバチがどんなときに人に攻撃してくるのかを知っておく必要があります。山や森などの自然がたくさんあるところではスズメバチと遭遇する確率が高いでしょう。そんなときも、スズメバチが攻撃する理由を知っておくことで、しっかりと対策ができます。
この記事では、スズメバチが人を攻撃する理由や刺されないための対策方法について詳しくご紹介しています。また、万が一スズメバチと遭遇してしまったときの対処法についてもお教えしますので、出かける際にぜひ参考にしてみてください。
目次
スズメバチはなぜ人を攻撃するの?
スズメバチは攻撃性が高いといわれていますが、基本的には人から刺激を加えない限り、刺してくることはありません。なぜなら、スズメバチが人を攻撃するのは、敵から身を守ろうとする行動だからです。
この章ではスズメバチが人を攻撃する状況や習性、攻撃性が高くなる時期を詳しくお伝えしていきます。
スズメバチは段階を踏んで攻撃をする
なにもしていないつもりでも、スズメバチが「巣や仲間を攻撃された」と勘違いしてしまったとき、人に攻撃をしてきます。しかし、スズメバチはいきなり人を刺すわけではありません。スズメバチが人を刺すまでには、3つの段階があるといわれています。それは「警戒」「威嚇」「行動」です。それぞれの特徴と対処法を詳しく解説していきます。
・警戒
知らず知らずに巣に近づいてしまったり刺激を与えたりすると、スズメバチに「巣や自分を攻撃する敵だ」と判断されることがあります。そのようなとき、スズメバチはその人の周りをくるくると飛んで警戒をします。
自分の周りをスズメバチがくるくると周回していたら、敵だと思われているおそれがありますので、そっとその場を去ることをおすすめします。しかし、このときに走って逃げるなどの素早い動きしてしまうと、余計に警戒されてしまいますので気をつけましょう。
・威嚇
警戒の次は、羽の音を大きく鳴らしたり、アゴをカチカチ鳴らしたりして相手を威嚇しますまた、この羽の音やアゴの音仲間への合図でもあります。仲間のスズメバチに「これから敵を攻撃する」ということを知らせてから、行動へ移ります。あわてずに、ハチの視界から外れるように姿勢を低くして、静かに後方へ逃げましょう。
・行動
警戒と威嚇をおこなった上で、まだ近くに攻撃対象がいたら、「行動」つまり、人を刺すのです。警戒と威嚇の時点で気づいて逃げられたら、スズメバチに刺されることを防げるでしょう。
攻撃性が高くなる7~10月はとくに注意!
種類によって異なりますが、7~10月の間はスズメバチの攻撃性がとくに高くなります。これは夏から秋にかけてスズメバチが多く生まれ、数が多くなることがひとつの要因です。また、数が秋口にはスズメバチの数に対して、エサとなる昆虫の数が少なくなるから殺気立っているという説もあります。
7~10月の危険な時期に、スズメバチが多いような自然の場所に出かける方は十分な対策をすることが必要です。スズメバチの対策についてはスズメバチに攻撃されないためにできることの章でご紹介していきます。
スズメバチの攻撃性は種類でも異なる!
スズメバチにも種類があり、それぞれ攻撃性が異なります。警戒心が強く攻撃的な性格のハチは、近づいただけで積極的に攻撃してくる場合もあるのです。この章ではスズメバチの中でも、とくに攻撃性が高いといわれている種類を厳選してご紹介します。
・オオスズメバチ
オレンジの胴体に黒色の縞模様が入っていて、女王バチの大きさは、4.5センチメートル近くある世界でも最大級のハチです。非常に攻撃的な性格の持ち主で、危険度ももっとも高いとされています。敵の足をつかんで大きなアゴを使って強く噛みます。また、針の毒は量が多く毒性も強いので、刺されれば激しい痛みが襲い、重篤な症状に陥ることが多いです。
・キイロスズメバチ
オレンジがかった黄色の身体のキイロスズメバチはあらゆるところに巣を作ります。木の近くだけでなく、住宅の軒下や屋根裏などにも巣を作るので、日常的にも遭遇率の高いスズメバチでしょう。
もっとも危険だといわれているオオスズメバチと同じくらいの攻撃性をもっています。オオスズメバチは山間部などで遭遇することが多いですが、キイロスズメバチは都市部にも現れます。このことから、全国的に多くの被害が報告されている種類です。
・モンスズメバチ
黒色の面積が多いモンスズメバチは、夜にも活動することが特徴です。ほかの多くのスズメバチの種類は昼間に活動をし、夜は巣に帰ります。暗くて辺りが見えない夜にもスズメバチに遭遇するおそれがあるなんて怖いですね。攻撃性も高く、巣へ近寄った人の周りを上下に飛んで威嚇します。
・チャイロスズメバチ
全体的に赤茶色で、ほかのハチのような黄色い模様がないのが特徴です。攻撃性が高く、敵を威嚇するときに地面の近くをジグザグと飛び回ります。チャイロスズメバチを見かけたときは、足元で威嚇されていないか気をつけましょう。
スズメバチに攻撃されないためにできること
キャンプや登山、自然の中に出かけるときにはスズメバチに攻撃されないように対策をおこないましょう。これまでにお伝えしてきたように、スズメバチは攻撃されるかもしれないという刺激を与えなければ、めったに人を刺すことはありません。
この章でご紹介する「スズメバチが近寄ってくるものや行動」をしっかり把握しておくことで、スズメバチに攻撃される危険性が低くなるでしょう。
【1】香りが強いものを身に着けない
スズメバチは花の周りを飛んでいることが多いです。スズメバチは嗅覚が発達しているので、ニオイに敏感なのです。香水や化粧品、柔軟剤や整髪料の香りを花だと勘違いして、近づいてくるおそれがあります。また、甘いジュースのニオイにも引き寄せられてしまうので注意しましょう。
【2】黒色に近い服装を避ける
スズメバチには、黒色のものを攻撃する習性があります。スズメバチの天敵であるクマを連想させるからだといわれています。そのため黒っぽい服装をしていると、視界に入っただけで攻撃されてしまうおそれがあります。黒色のサングラスも同様に危険です。
スズメバチの視覚はモノクロだといわれています。そのため黒以外でも、色の濃い色は避けたほうがよいでしょう。できるだけ明るく白っぽい服装を心掛けましょう。しかし、危険性の確率を下げるというだけで、絶対スズメバチに攻撃されなくなるわけではありませんので、油断は禁物です。
【3】スズメバチの巣に近づかない
スズメバチは「仲間や巣が攻撃される」と思ったときに人を刺します。スズメバチの巣があるところには近寄らないのが1番の対策になるでしょう。
ただ、スズメバチは土の中や株の下、木の空洞の中などさまざまなところに巣を作るので、巣の場所を特定できません。可能な対策としては、「巣を見たら近寄らない」ということです。
スズメバチに遭遇してしまったときの対処法
万が一スズメバチに遭遇してしまったら、焦ってしまうかもしれません。スズメバチに攻撃されてしまうかもしれないという恐怖で思いもよらぬ行動をしてしまうこともあるでしょう。
しかし、スズメバチが近くに寄って来たら、手ではらったり素早く逃げたりしてはいけません。機敏な動きはスズメバチに刺激を与えてしまうため、余計に興奮させてしまうおそれがあります。スズメバチの様子を見ながら静かに逃げましょう。
また、スズメバチは手を振り回したり、身体をひねったりする動きには敏感ですが、前後の動きには鈍感です。スズメバチが目の前にいたら、あとずさるようにその場を立ち去るのが効果的です。
スズメバチに刺されたらどうなる?
スズメバチに攻撃されないように充分に対策をしていても、刺されてしまう確率はゼロにはなりません。スズメバチに刺されたら、痛みや腫れだけでなく、人によっては命にかかわるアレルギー反応を起こすアナフィラキシーショックの状態になるおそれがあります。
万が一、スズメバチに刺されてしまったら、すぐに医療機関で受診しましょう。スズメバチは強い毒をもっているので、とにかく早めの処置をおこなってもらうことが必要です。
スズメバチの駆除を自分でやるのは危険!
自然の中でのスズメバチは退治しようとせずできるだけ、「近寄らない」「刺激しない」方法で自分の身を守りましょう。ただ、スズメバチは人の住宅の周辺に巣を作ることもあります。そうなると生活に支障が出ますので、巣ごと駆除する必要があります。
しかし、スズメバチを自力で退治しようとするのはやめましょう。ハチ用の殺虫スプレーも販売されてはいますが、駆除になれていない人や防護服を着用していない状態の人が退治しようとするのは大変危険です。
スズメバチの駆除は、プロに任せるのが確実です。なぜなら、プロはしっかりとした防護をおこなった上で、専用機材を使って無駄のない方法で駆除できるからです。
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