登山やハイキング、お子様の林間学校など、山へ出かけるときにはスズメバチに刺されないか心配になりますよね。
「着ていく服の色で刺されやすさに違いはあるの?」と気になる方もいらっしゃるでしょう。
蜂に襲われる危険性を少しでも下げたいなら、黒っぽい色は避けてください。
蜂は白より黒を攻撃しやすいことがわかっています。
白っぽい色の帽子で髪を隠し、長袖の服で肌の露出を減らしましょう。
ただし、「白色なら蜂に刺されない」というわけではありません。
においや動きにも注意し、もしも出くわしたときには静かに逃げることが大切です。
当記事では、蜂よけ対策に適した服装や、蜂に狙われやすい条件を解説していきます。
蜂が寄ってきたときにも落ち着いて対処できるように、蜂の習性を知っておきましょう。
また、ご自宅の周辺で蜂をよく見かける方は、巣を作られていないか確認してください。
いくら服の色に気を付けても、蜂の巣を放置していたら刺される危険が高まります。
- 蜂の攻撃対象になりやすいのは黒色
- 蜂は色に関係なく襲ってくることがある具
- 蜂に刺されないためには警告段階で逃げることが大事
目次
スズメバチに攻撃されやすい色は黒
スズメバチやアシナガバチは、黒色に反応を示しやすいことがわかっています。
山や森林公園に出かけるときには、黒っぽい色の衣服は着用しないようにしましょう。
リュックなどの持ち物も、黒っぽい色は避けたほうがよいです。
ミツバチは紫外線・青・緑の三原色を感知できることがわかっていますが、スズメバチやアシナガバチには白黒のコントラストしか感知できないといわれています。
ただし、研究がされていないだけで、スズメバチやアシナガバチもミツバチと同じような色覚をもっている可能性も考えられます。
どちらにしても、黒や茶色などの濃い色は認識しやすく、白っぽい薄い色には反応を示しにくいことは確かです。
登山やハイキングに適した服の色
山や森へ出かけるときには蜂対策だけでなく、遭難や不測の事故にも備えなければいけません。
推奨される服の色は、白色の他、水色やピンクなどの淡い色です。
白色より迷彩のほうが蜂に刺されにくいという情報もありますが(参考:磐梯市「蜂刺されについて 2009年11月」 )、迷彩は自然に溶け込む柄です。
遭難時に発見されないおそれがあるため、登山やハイキングに迷彩柄の服を着て行くことはやめましょう。
また、黄色や明るいオレンジも蜂を刺激しにくい色ですが、蜂の最盛期と重なる紅葉シーズンには、色付いた木々の保護色になってしまいます。
やはり遭難時に発見されにくいため、避けたほうがよい色です。
蜂が黒色に反応する理由
スズメバチやアシナガバチが黒色に反応しやすい理由には諸説ありますが、なかでも以下の3つは有力だとされている説です。
- 24時間365日いつでも相談可能
- 天敵である熊の色だから
- 蜂を食べる風習のある東洋人の髪色だから
- 動物の急所に多い色だから
参考:八王子市「教えて『ハチ博士』)
蜂は長い歴史のなかで、天敵から身を守るために黒を危険な色だと認識するようになったと考えられています。
「白色なら襲われない」は間違い
プロが使う蜂駆除防護服の多くが白色であることからもわかるように、白は蜂に狙われにくい色です。
ただし、「色以外の条件が同じなら白は黒よりターゲットになりにくい」というだけで、「白色の服を着ていたら蜂に刺されない」というわけではありません。
「白色は蜂には見えない(透明に見える)」や「蜂は白色には攻撃しない」などの情報は誤りであり、白色の服を着用していても蜂を刺激すれば刺されます。
白い服を着ていても過信せず、蜂が寄ってこないように対策をおこないましょう。
色だけじゃない!蜂が寄ってくる服装
蜂は色以外にも、においやひらひらと動くものに反応を示します。
香水や整髪料、柔軟剤などの甘いにおいは、特に蜂が寄って来やすいので使用しないでください。
また、汗のにおいにも反応するため、こまめに汗を拭きましょう。制汗剤を使用する際は、無香料のものにしてください。
加えて服のデザインにも注意が必要です。
スカートはもちろん、リボンなど、ひらひらと動く飾りが付いた服も蜂を刺激してしまうおそれがあります。
もはや色は関係ない!マーキングされると一斉攻撃の標的に
スズメバチは毒針で刺すだけでなく、毒液を飛ばして攻撃することがあります。
蜂の毒液には警報フェロモンが含まれていて、仲間に「ここに敵がいるぞ!」と知らせます。
警報フェロモンのにおいを感知した蜂は戦闘態勢になり、敵に向かって一斉に攻撃するのです。
毒液でマーキングされてしまうと、色に関係なくしつこく追いかけられて刺されます。
蜂が寄ってきたときは落ち着いて対処しよう
スズメバチが襲いかかってくるまでには、「警戒」「威嚇」「攻撃」の3つの段階があります。
多くの場合は、巣に近付くものを確認して警告を与え、それでも巣から離れないときに攻撃を開始します。
蜂に遭遇してしまったときの対処法を、段階別に確認しておきましょう。
万が一蜂に襲われたときに備えて、携帯用のスズメバチ駆除剤を用意しておくのもおすすめです。
偵察隊が旋回しているとき
スズメバチは巣に近付く外敵を発見すると、まずは数匹の偵察隊が周囲を旋回して警戒します。
「歩いていたら蜂が自分の周りを旋回し始めた」というときは、知らないうちに巣に近付いてしまっているかもしれません。
蜂も様子を伺っている段階なので、ゆっくりとあとずさるようにすれば安全に逃げられることがほとんどです。
蜂を刺激してしまうため、大きな動きをしたり急に走ったりはしないでください。
音を立てて威嚇してくる
警戒されている状況でさらに巣に近付くと、偵察隊の蜂が「カチカチ」とあごを鳴らしたり「ブーン」と大きな羽音を立てたりして威嚇します。
これは、攻撃を開始する一歩手前の危険な状態です。
手で払うなどすると、興奮した蜂に一気に襲われてしまいます。
姿勢をできるだけ低くして、静かにその場を離れましょう。
蜂の視野は狭く、特に垂直方向は見えにくいため、しゃがみこんで真下に入れば気付かれずに逃げられます。
ただし、カチカチという警告音は聞き逃してしまうことも多いです。
「音が聞こえないからまだ大丈夫」とは考えず、飛び回る蜂を見かけたら避難してください。
攻撃してきたとき
威嚇を無視して近付いたりその場にとどまったりすると、いよいよ戦闘開始です。
毒液を噴射して警報フェロモンをまき散らし、仲間に攻撃の合図を送ります。
フェロモンをかいで興奮した蜂は、警戒や威嚇の行動を取らずにいきなり攻撃してきます。
何匹もの蜂が襲いかかってくる段階では、ゆっくり逃げている暇はありません。
とにかく急いで巣から離れてください。
一度毒針で刺されたり毒液を吹きかけられたりすると、何十匹もの蜂の大群に襲われることや、10メートルもの距離を追いかけてくることもあります。
家の周りで蜂に付きまとわれるなら服装より巣に注意!
「家の周りでよく蜂を見かけるけど、普段着も黒色を避けたほうがいいの?」と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。
たしかに、自然豊かな環境にお住まいの方など、蜂が攻撃的なる夏~秋には普段から服の色に気を付けたほうがよい場合もあります。
しかし、都市部や住宅街で頻繁に蜂を見る場合の多くは、近くに巣が作られていることが原因です。
服の色に気を付けること以上に、蜂の巣の駆除をおこなうことが大切です。
うっかり巣に近付くと蜂に刺されるおそれがあるため、蜂に刺されないか不安な方はプロに駆除を依頼することをおすすめします。ハチ110番では24時間365日受付対応しており、無料相談やお見積りのご利用も可能なため、いつでもお気軽にお問い合わせください。
蜂が寄ってこない環境を作ろう
ご自宅で蜂をよく見かける方は、蜂を寄せ付けやすい環境になっていないかチェックしてみましょう。
- ベランダや庭をごみの一時置き場にしている
- ジュースの空き缶やペットボトルを放置している
- 柔軟剤をたっぷり使った洗濯物を干している
- 植木や生垣がある
ごみのにおい、ジュースや柔軟剤の甘いにおいが蜂を引き寄せてしまいます。
ジュースの空き容器は放置せず、ごみは蓋つきのごみ箱に入れてにおいが漏れないようにしましょう。
洗濯物に蜂が寄ってきてしまうときは、柔軟剤の使用を控えたり、部屋干しに切り替えたりといった対策も検討してください。
植木や生垣は蜂の巣を作られやすい場所のひとつです。
周囲に緑が多く蜂が発生しやすい環境の場合には、市販の蜂よけスプレーをまくなどして、蜂を寄せ付けない対策をしておきましょう。
まとめ
蜂のいそうな場所へ行くときには、黒っぽい色のものを身に着けるのは避けましょう。
スズメバチやアシナガバチは、黒や茶色などの濃い色を攻撃対象だと認識しやすいです。
薄い色の帽子や長袖の服でできるだけ肌の露出をなくし、強いにおいのする柔軟剤や整髪料の使用は控えます。
登山をする際には、遭難時に発見されやすい色を選ぶことも大切です。
ただし、「白っぽい色の服を着れば蜂の攻撃対象にならない」というわけではありません。
蜂を刺激して怒らせれば、色に関係なく襲われてしまいます。
蜂を見かけたら、静かにその場を離れましょう。
ご自宅周辺でよく蜂を見かける場合には、近くに巣を作られているおそれがあります。
蜂におびえて暮らさなくてもいいように、プロに調査してもらうことをおすすめします。
蜂の巣の調査や駆除をご希望の際には、ぜひ弊社にご相談ください。