500円玉サイズのすき間があれば通り抜けてしまう害獣“ネズミ”。家に現れて対処に困っている方も多いのではないでしょうか?
小さな体だけどとても賢くて、ネズミトラップを仕かけても「思うように捕獲できない」「駆除に失敗した」といった声をよく聞きます。
ネズミを駆除するためには、捕獲するか追い出すかの2つの方法があります。どちらにしても、頭のよいネズミを相手にするのですから、こちらもそれなりに準備をして臨まなければいけません。
当記事では、みなさんのネズミ捕獲・駆除がうまくいくよう
◆ネズミ駆除のグッズの紹介
◆効果的なネズミトラップの仕かけ方
◆ネズミ捕獲後の殺処分
について解説していきます。
ネズミの駆除で悩んでいる方の手助けになる内容となっているので、ぜひ目を通してみてください。
目次
ネズミを捕獲する前に…後始末のこと
ネズミをトラップで捕獲したら、そのネズミはどうしたらよいのでしょうか?
そのまま放置するわけにはいきませんよね。
トラップのなかにネズミを放置すると早い場合は1日で死んで腐敗するので、できるだけ速やかに処分をしなければいけません。
後始末の方法は「殺処分」と「逃がす」の2通りがあります。ネズミは帰巣本能が強いため、逃がしてもまた戻ってくることがあります。ここは心が痛んでも殺して始末をしたほうが効果のある駆除につながります。
次章では殺処分の方法についてご紹介します。
捕獲したネズミを殺処分する方法
※ショッキングな内容なので苦手な方は飛ばしてください。(第4章まで飛ぶ)
一般的なのは水に沈めて「溺死」させる方法です。
ネズミは多くの病原菌やウイルスを保有しているので、どの方法にしてもマスクと手袋を着用してください。
水に沈める「溺死」
トラップにひっかかったネズミをトラップごと水に沈めます。
キッチンシンクや浴槽を使用すると不衛生なうえに自分が使うとき気分がよくないので、掃除で使うような大きめのバケツやトラップが入るサイズのゴミ袋がよいですね。
トラップは逃げ出せない作りになっていることを確認してください。ドブネズミは泳ぐことができるので、八方ふさがりにしないと溺死は成功しません。
最初は苦しくて暴れることもありますが、おとなしくなるまで待ち、死んだらトラップごと引き上げます。ネズミは可燃ゴミとして捨てることができます。新聞紙に包んで、ほかの方がビックリしないよう外から見えないようにして捨てます。
ゴミにそのまま出す
「溺死」のほうでも触れましたが、ネズミの死骸は可燃ゴミとして捨てることができます。紙でできた粘着シートトラップなら、ネズミと一緒に捨てることができます。シートを折りたたんで、袋に包み、可燃ごみとして捨ててください。
そんな方は、無理しないで最初から
業者に相談して駆除してもらいましょう!
ネズミを殺すトラップもある
わざわざ殺さなくても、ネズミを捕獲したときに死んでしまうトラップがあります。自分で息の根を止めることに抵抗がある方は、こういったトラップを使用してみてください。
殺鼠剤(サッソザイ)で中毒死
毒餌です。ネズミのエサにまぎれて毒をしこんでおきます。知らずに食べたネズミは、神経中枢に異常が出たり、血液凝固したりで命を落とします。
殺鼠剤での駆除は、どこに死骸があるかわからないため、ご自身で探さないといけないのか難点です。
殺鼠剤には速効性タイプや遅効性タイプ、また薬の形状もさまざまです。それぞれ特徴が違うため、状況によって使い分けます。
即効性 | 遅効性 | |
駆除までの時間 | 早いと数時間 | 1週間~ |
特徴 | 毒が強力なので、食べてすぐに死ぬ。しかしネズミの食いつきが悪いことも。 | 即効性に比べて毒が弱いがゆっくり効く。その代わり、ネズミの食いつきがよい。 |
選ぶポイント | ・大量に発生した ・早く駆除したい |
・速効性タイプの食いつきが悪い ・確実に駆除したい |
詳しく殺鼠剤について知りたい方は【殺鼠剤の選び方】をご参照ください。
▼ネズレスH 家ネズミ用 | ▼デスモアプロ 投げ込みタイプ | ▼チューチューバスター |
板挟みで圧死
ネズミの首や胴体を挟んで、圧迫死させる方法です。ネズミ捕りのグッズとして板挟み式があるので、これを使うと圧死させることができます。トラップの種類によっては、パワーが弱く捕獲はできるけど死ぬまではいたらないものもあります。(その場合は溺死させます)
海外製だとパワーが強い種類もあり、その場合ネズミを苦しませることなく一発で殺せることもあります。
殺したあとは、これまでと同じく新聞紙で包むなど外から見えないようにして、捨てます。
▼簡単 ネズミ捕り | ▼ヤマトキ 板ねずみとり |
電流で感電死
高圧電流を流し、ネズミを感電死させるトラップがあります。ネズミが誘因物質に引き寄せられ、一定の距離まで来ると強い電流が流れて感電する仕組みです。だいたい「6000~8000Vの電気が流れる」とグッズサイトでは紹介されています。
ネズミの死骸は新聞紙などで包み、ゴミとして捨てます。
▼一撃ラットショッカー RS-01 |
※ご紹介した商品は必ず殺せることをお約束するものではありません。
殺すのはイヤな人は「追い出して駆除」
どうしても自分で殺すことができない、心が痛む、という方には殺さずに家から追い出すという方法もあります。
しかし、ネズミを殺さずに追い出すということは、「ネズミが戻ってくるかもしれない」という危険性があります。
その点をよく理解したうえで、以下の方法で追い出し作戦をおこなってください。
忌避剤を使う
ネズミの嫌いなニオイを家に置いておくことで追い出したり、近寄らせなかったりと、ネズミにとって住み心地の悪い環境を作ることができます。
忌避剤には3種類あるので、それぞれ見ていきましょう。
スプレータイプ
ネズミに直接スプレーをして追い払ったり、あらかじめネズミの現れそうなところにスプレーしたりして、ネズミを寄せ付けない商品です。
メリット | 即効性がある |
デメリット | 持続期間が長くない |
蒸散タイプ
蒸気や煙で家の隙間や広範囲にわたって効果を発揮します。
メリット | 即効性がある |
デメリット | 効果は数日間。火災感知器や電子機器、子供のおもちゃや食品などは、蒸気・煙がかからないようカバーで覆ったり部屋から出したりしなければならない。使用後は十分に換気することも必要。 |
設置タイプ
一定期間、ネズミの嫌いなニオイを出すものになっています。一度追い払ったネズミがもう一度戻ってくることを阻止するのに効果的です。
メリット | スプレータイプや蒸散タイプに比べて、長期間効果が持続する。 |
デメリット | 風通しのよい場所で使用するとネズミの嫌いなニオイが広がって薄まってしまい、効果が出にくくなるおそれがある。 |
超音波で家から追い出す
超音波を利用してネズミを家から追い出すことも可能です。ネズミの嫌がる音を出す器具を設置してネズミを追い払う方法になります。ネズミ用の超音波器具にはコンセントから電源をとるタイプや、乾電池式、ソーラータイプのものもあります。
設置するだけでよく、ニオイも気にならないので近年、人気が出てきている方法です。しかし、ネズミが超音波に慣れてしまうことや、人間にもキューンという甲高い超音波の音が聞こえてしまい不快になるということもあるので、気をつけないといけません。
殺処分のほうが効果的と考えられます。
ネズミトラップでうまく罠に嵌めるコツ
ここからは、上記でご紹介したネズミトラップの仕かけ方についてです。せっかくトラップを購入しても、うまく活用しなければネズミは捕獲できません。
初心者の方でもできるだけ、ネズミを捕獲・駆除できるようわかりやすく解説していくのでご参考ください。
粘着シートの仕かけ方
コツ1
粘着シートはネズミの通り道に設置します。ネズミは壁沿いやすき間をつたって走る傾向があるので、壁にそって端や隅に敷いていきましょう。
警戒心の強いネズミは見慣れないものがあると避けて通るようになるため、まずは粘着シートの存在に慣れてもらうところから始まります。
粘着面を出さずに設置したい場所へ置いておき、その上をネズミが通るようになれば、粘着面を出して捕獲します。
コツ2
粘着シートの敷き方にもコツがあります。1枚だけではなく、5~10枚ほど敷き詰めるように設置してください。捕獲率がUPする、サイズが大きなネズミも捕獲しやすくなるといったメリットがあります。
コツ3
粘着シートの下には新聞紙を敷いておいてください。ネズミの足は水や油で汚れていて捕獲しにくいので、足を拭いてもらう意味とネズミが暴れてひっくり返しても床にダメージがないようにするためです。
コツ4
1週間たっても捕獲できないときは、粘着シートの設置場所を変えます。ネズミの通り道である、ラットサインがあるところが目安です。
※ラットサイン・・・ネズミの痕跡のこと。例:壁や家具、隅が黒く薄汚れている。フンが落ちている。ものがかじられている。
殺鼠剤の仕掛け方
コツ1
殺鼠剤に集中してもらうために、殺鼠剤以外のエサがないようにします。冷蔵庫やネズミにかじられないガラスや陶器などの硬い入れ物のなかにエサになるものを隠してください。
コツ2
食いつきが悪ければ、ネズミの好物に殺鼠剤を混ぜて置いてみます。以前にかじられた食べ物やヒマワリの種子などがよいです。
コツ3
設置場所は“エサ場”と“物陰”が効果的です。エサ場は「かじった跡がある」「いつも食べ物を置いている(キッチンなど)」といった場所に出ることが多いです。
捕獲カゴの仕掛け方
コツ1
ネズミは大きなサイズだと、全長30センチメートルほどあります。カゴはネズミ用の大きめを用意したほうが安心です。
コツ2
カゴのなかにはネズミの好物を準備します。殺鼠剤をエサに使用するとダブルトラップとなり、より駆除効果があがります。
人間の匂いがついていると警戒するので必ず手袋をして設置してください。
ネズミ処理後は掃除・除菌が必要!
ネズミは菌やダニなどを媒介するので、ネズミ処理後には十分な掃除と除菌が必要です。
ネズミによる健康被害は甚大
ネズミの体には、大量の菌やダニがいます。ネズミについていた菌により感染症を引き起こしてしまったり、ダニに刺されてしまったり、ネズミによる健康被害はあなどることができません。
【ネズミによる怖い感染症】
ネズミのフン尿掃除は除菌まで必要!
ネズミのフンや尿にも多くのウイルスがついています。風に舞って空気中にウイルスがまき散らされれば、家に住んでいるだけで体調が悪くなることもあります。
ネズミの捕獲駆除をしたら、フン尿の掃除と除菌をしなければいけません。
マスクと手袋を必ずしておこなってください。
詳しい掃除方法については【ネズミのフンを掃除・消毒をする】をご覧ください。
ネズミが入り込まないように予防する
せっかく駆除や追い出しをしたのなら、もう同じ被害に遭わないよう予防をしてください。住み心地のよい環境だと、またネズミによる被害が発生することもあります。
予防1:侵入口をふさぐ
ネズミはわずかなすき間からでも簡単に侵入します。外からの侵入を防ぐには、パテや金網で穴やすき間を塞ぐことが大切です。
予防2:エサ場にしない
エサが豊富だと、ネズミにとって住みやすい環境となります。お菓子や野菜、果物をテーブルなどに出したままにしないで冷蔵庫や硬い容器に入れておいてください。
また、生ゴミもネズミにとってはエサです。シンクや排水溝はいつもキレイにして、ゴミ箱もフタ付きにしてみてください。
予防3:巣の材料を置かない
ネズミは、新聞紙、ダンボール、布切れを巣材にするので、不必要なものはできるだけ捨ててください。
予防4:忌避剤を置いておく
忌避剤については4章でお話しました。ネズミが近寄りたくない状態にすることが大切です。
自分でできない部分こそプロの業者に相談を
「どうしてもネズミを殺すことなんて自分にはできない」「追い出してもまたネズミが戻ってきてしまった」など、ネズミの問題を自分で解決できない場合もあります。そんなときは、プロの業者に相談してみてください。
殺したくないからといって忌避剤などでやんわりと対策していると、ネズミによる被害を解決するのに時間がかかります。根本からネズミによる問題を解決するためにも、プロの業者に相談することをおすすめします。
自分で対策するよりお金はかかってしまうかもしれませんが、よりスピーディーに、適切に問題を解決してくれるので安心ですよ。