万両を育てていると、樹形が崩れてきたり葉が落ちてきたりすることがあります。このような状態のまま放置していると、さらに万両の健康を損ねてしまうおそれがあるので、樹形を整えて健康的に生長できる環境を整えなくてはなりません。
そこでポイントになるのが、「剪定」です。
とはいえ、万両の剪定はこまめにおこなう必要はありません。状況に応じて樹形を整える程度と考えましょう。しかし上手な育て方を知っていないと、枯らせてしまうことにもなりかねません。
ここでは、正しい剪定方法をはじめ、花や実をできるだけ残しきれいに万両を移植する方法についてご紹介します。ぜひ最後まで読んでみてください。
万両の剪定しだいで花や実を残すことができる
万両は、極端に樹形を崩すことがなく育てやすい品種です。しかし、常に古い枝葉を落としながら新芽をだしていくので、上部は葉がつきますが下部は枝葉がつかずバランスの悪い樹形になってしまいます。そのため、きれいに万両を育てるには剪定が欠かせません。
ここでは、万両の剪定の基本や花実を残したまま剪定する「取り木」についてご紹介します。剪定の基本とコツを知り、正しく剪定ができるように知識を身につけておきましょう。
剪定の目的
剪定の目的は、おもに「樹形を整えること」「生長を促すこと」の2つです。万両は、放っておいても上にぐんぐん生長しますが、よりきれいに健康的に生長させるためには剪定が必要です。
下部の枝葉や密集しすぎている箇所を丁寧に剪定すれば、樹形を保ちながらより長く万両の花実を楽しむことができるのです。
剪定に適した時期
万両の剪定に適した時期は、4月~5月です。剪定してしまうと3年程度実がつかなくなってしまうので、極端な剪定はおすすめしません。見た目のバランスも悪くなってしまうので、少し万両から距離をとって全体のバランスを確認しながら、下部の伸びすぎた枝を切り落としていきましょう。
何度もお伝えしていますが、万両はそれほどこまめな剪定は必要ないので、樹形が崩れてきたころにおこなう程度で問題ありません。
取り木で上手に剪定しよう!
もし、ばっさり万両の枝葉を切りたくないというときや花実をできるだけ残して剪定したいときは、「取り木」をおこなってみましょう。取り木とは、植物を増やしたいときにおこなう手段のひとつで、樹木をあえて傷をつけることでそこから新しく根を生やそうとする方法です。
- 根を生やしたい箇所の樹皮を約3センチメートルはがす
- 樹皮をはがした箇所に発根促進剤や水コケを巻いてビニールなどで覆う
- 根が出たら根が出た箇所より下を切って土に植える
このように、取り木をすることで苗木を増やすことができます。剪定しつつ、繁殖させることができ、よりたくさんの万両を楽しむことができるのです。取り木をおこなうときは、「5月~6月」を目安にすると失敗も少ないです。
鉢植えの万両は植え替えが必要
万両を鉢植えで育てている場合、植え替えが必要です。ここでは、万両を枯らすことなく上手に植え替える方法を、詳しくご紹介します。
植え替えが必要な理由
万両を鉢植えで育てている場合は、植え替えが必要です。植え替えをするメリットを3つご紹介します。
- 根の状態をじっくりチェックできること
- 土を変えることで根が新鮮な空気を吸収できること
- 根をきれいにして根詰まりを起こさず生長を促進できること
植え替えをしないでいると伸びてきた根がつまってしまい、生長を妨げてしまうことになります。植え替えは、剪定と共に万両の健康的な生長に欠かせないポイントなのです。
植え替えに適したタイミングと植え替え方法
鉢植えの植え替えは、約2~3年に1回のペースを目安におこないましょう。「4月~5月」は剪定と共に植え替えにも最適な時期です。植え替えの手順は以下のとおりです。
- 現在の鉢よりもひと回り大きな鉢を準備する
- 保水力があり、かつ水はけのよい用土を鉢に入れる
- 根が切れないように注意して苗から取り出し、新しい鉢に植え替える
万両の根は細くて切れやすいので、できるだけ根を切ってしまわないように注意して、一回り大きな鉢植えに植え替えます。もし、根がそれほど伸びていないならば、同じ大きさの鉢でも問題ありません。鉢の底から根が伸びてきたころを目安に、植え替えをおこなってあげましょう。
万両は縁起が良い!上手に育てよう
万両の花言葉は「徳のある人」「寿ぎ(ことほぎ)」などで、万両の寄せ植えをお正月のお祝いに頼む方も多く、縁起のよい品種として人気があります。
そんな万両を上手に育てるためには、万両の生態に適した環境を保ってあげることが大切です。ここでは、万両を上手に育てるポイントと育てるうえでの注意事項をご紹介します。
万両を育てるのに適した環境
<地植え>
万両は、こまめな剪定は必要ないので、初心者でも育てやすい品種です。しかし、直射日光が当たると万両の葉が変色するおそれがありますので、3月~5月に明るい日陰に植えてあげましょう。
肥料を与える必要はないですが、大きくしたい場合は3月か9月ごろに緩効性肥料を与えると、根張りが強化されて花芽を増やすことができます。
また、とくに水やりをおこなう必要はありません。しかし、植えた直後は乾燥しやすいので、土の湿り具合をみて乾燥していたら水やりをしましょう。
<鉢植え>
鉢植えの万両も同じく、直射日光は苦手です。直射日光や強風が当たるような場所は避けて、3月~5月に明るい日陰に植えてあげましょう。寒冷地の場合、万両は室内で育てる方が適しています。
鉢に植えるときは、ひと回り大きい鉢を使用しましょう。鉢植えだと土が乾燥しやすいので、土の表面が乾いてきたころに水やりをします。
万両は極度の乾燥が苦手なので、土の状態のチェックは欠かさないようにしましょう。地植えと同じく鉢植えも肥料は不要ですが、より大きくしたいときは緩効性肥料を与えるとよいです。
害虫対策も怠らないように!
万両は、比較的育てやすく病気にもなりにくい品種です。しかし、まれにカイガラムシという害虫が枝や幹に寄生してしまうことがあります。
カイガラムシとは、白色や灰色をした貝殻のような見た目をした害虫で、枝や幹に寄生して生長を妨げるのです。カイガラムシを放っておこうと、最終的に枯れてしまうこともあります。
とくに、春は樹木の生長も活発ですが害虫被害も多いです。害虫が発生しないように、薬剤を散布して予防するようにしましょう。もし、幹や枝にカイガラムシが付着していたら、使い古した歯ブラシで削り取るようにして駆除してください。
困ったときはすぐに業者に相談しよう!
万両は、こまめな水やりや肥料は必要なく、初心者でも手軽に育てられる品種です。しかし、害虫が寄生してしまったり水はけが悪かったりすると、枯れてしまうおそれもあります。
縁起のよい植物として知られる万両を大切に育てていくためにも、少しでも困ったことがあったら業者に対処してもらいましょう。
弊社では、剪定以外でも日頃のお手入れに関するお悩みやお困りごとにも対応可能です。自分で調べた情報だけでは不安な部分もあるかもしれませんが、プロに相談すれば安心です。
弊社の提携業者が、みなさまのお庭回りのあらゆるお悩みごとをまとめてすっきり解決させていただきますので、いつでもお気軽にご相談ください。お電話お待ちしております。
まとめ
万両は、少し下葉が枯れたり樹形が崩れてしまったりしても、剪定しだいできれいに花や実を残すことができます。大切なのは、「正しい方法で剪定する」ということです。
しかし、自分で剪定するとなると、剪定に必要な道具をそろえるなど準備にも手間がかかります。「自分ではできそうもないな……」と思ったら、業者に依頼してみましょう。業者なら、万両の特徴や生態をよく知っているので失敗も少なく、安心してお任せできるでしょう。
弊社では、剪定以外にもあらゆるお庭まわりのお悩みごとに関して対応させていただきます。いつでもお気軽にご相談ください。
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