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植物にストレスを与えない剪定の仕方

植物にストレスを与えない剪定の仕方

植物は我々人間と同じように環境の変化によってストレスを受けます。庭木のお手入れにおいて一番ストレスを与えやすい作業は剪定です。枝葉が伸びてきたからと言ってむやみやたらに剪定を行うことは、庭木にとって悪い影響を与えてしまう恐れがあります。

だからと言って剪定を全くしないことも様々なトラブルに発展する恐れがあります。適切な剪定で正しいお手入れをするようにしましょう。今回は剪定に適した時期や、剪定による庭木への悪影響とその対策について説明していきたいと思います。剪定の仕方で困っている方へ参考になれば幸いです。

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枯れ木

ストレスによる影響

植物のストレスと聞いて何を想像するでしょうか?

植物は動物のように移動することができないため、ストレスを避けるために逃げることができず、直接的に受けやすいと言われています。

・環境からのストレス
温度、水、光の強さ、生長に必要な土の中からの根を通じて摂取する無機養分、病気、有害な空気がありますが、屋内の観葉植物であっても、日光を好むものと日陰を好むものなど個体差もあります。

部屋にある花の鉢などを適切な場所に置いてストレスを減らすことや、乾燥する時には葉水を茎にも取り入れる、土を替える、肥料をやるなどが大切です。

・剪定でのストレス
庭木が伸びすぎているから、そろそろ選定を行おう、というのは、ごく普通の行為ですが、植物にとって、人間に切られるという行為は、本来自然ではありません。自然界では、生長の過程で不要になった枝や葉は、自然に枯れ落ちていきますが、この行為は植物にとって枝を落とすことにより起こりうる菌類や昆虫の侵入を防ぐため、枯れるだいぶ前から行われているのです。

つまり、人間によって適期以外で行われる剪定は、本来必要な枝を落とすための準備を十分に行うことができず、その結果、植物にとってストレスになってしまうのです。

剪定に適した時期

では、剪定に適した時期とは、いつなのでしょうか。

夏は大部分の植物は枝葉がぐんぐん生長するので、剪定を考える方も多いかと思います。しかし、夏は適していない時期なのです。

この時期は植物にとって多くの養分を使って生育する時期であり、逆に言うと養分の蓄えが少ない時期です。暑い時期に剪定をすることは、植物の力を弱くしてしまうことや、葉によって日差しから幹を守れず、幹は日焼けにも似た、幹焼けという現象を起こし衰弱してしまう可能性もあるのです。

木の種類によって剪定に適した時期があり、これは大きく常緑樹と落葉樹で分けることができます。

・常緑樹(一年を通じて葉をつける樹)
適期は、温暖な春、初夏、秋(具体的には3月から4月上旬、6月、7月上旬)

反対に冬の剪定は避けましょう。

・落葉樹(次に冬の前に葉を落とし、活動を低下させる樹)
適期は冬です。

葉を落とすまで体内に養分を蓄え、冬を越す性質があるためで、この間は樹液の流れもそれ以外の季節より穏やかになり、病気や害虫の被害の確率も下がります。

また、葉が少なくなるので剪定も行いやすく、養分がたくさん蓄えられているため、太い幹を切っても痛めることが少ないです。

木の種類によっては、カエデなどは休眠期間がほかの常用樹と比べ短いので気をつけましょう。

植物のライフサイクルに合わせた剪定を

ひとくちに木と言っても、木の種類によってライフサイクルが異なり、それによってベストな剪定時期というものがあります。

植物は生き物なので、木の育つサイクルに従って剪定を行うことで、木へのダメージを抑えることが可能になるのです。

適期以外の剪定を行う場合、常緑樹は必要に応じて養分を作り、体内に保存しておくことが苦手なので注意が必要です。剪定を行い、葉を少なくしてしまうと、養分を作り出すことが難しくなり、結果弱ってしまうというスパイラルに陥ります。

適期以外の剪定にはケアを忘れずに

人の目にふれる機会が多い街路樹の木や、隣家とのトラブル防止のためにも、やむをえず剪定を行わなければならないことも時にはあるでしょう。

そんな時のポイントは、

  1. 1.できるだけ切り口に気をつけことや軽めの剪定に行う
  2. 2.切り口に殺菌剤を塗る
  3. 3.太陽の光や寒さから守るために幹巻きを行う

などのケアを怠らなければ可能だと言われています。このような場合は、自分だけで行うより、業者に相談しながら、剪定の程度や木の選別を一緒に行ってもらうことが望ましいでしょう。

剪定木のストレスを軽減することも大切

木にストレスを与えない

植物のサイクルを考え剪定することは、健康に育てるためにももちろん大切ですが、同様に、あまり神経質になりすぎず、どのような状態なのかを知りながら効果的に剪定を行うことも重要です。

すべての植物には当てはまらない場合もありますが、生命力が強い木のなかには、病気や虫の被害に対しても抵抗力が強いケースもあるので、個体によってストレス耐性にも差があることが予想され、多少のものには耐えられるということもありえます。

それでも剪定に迷ったら、業者に頼るという手段をとることもおススメです。植物の性質にあわせた剪定を行ってくれるでしょう。無理はせず業者に全てまかせることは、剪定木のみならず剪定者のストレス軽減に役立ってくれるはずです。

まとめ

植物にストレスを与えない剪定の仕方にはポイントがいくつかありました。

一番には、植物のライフサイクルを知り、常緑樹と常用樹では体のしくみが違うなどをふまえて、それに合わせた剪定をすることが大切です。それによって、植物へのダメージを抑えることができます。

植物は身近にあると心を落ち着けてくれる存在ですが、樹木も人間と同じように環境の変化を受けます。木のライフサイクルを尊重し、レジリエンス(回復力、弾力性)を維持し、剪定をすることが必要です。適期でない剪定は、なるべくむやみに行わないほうがいいですが、必要なときは業者に依頼し行ってもらうのがよいでしょう。

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