びわは家庭で育てることのできる果樹としては比較的簡単に栽培できる果樹です。たくさんの実をつけるため、収穫して様々な楽しみ方もできると思います。しかし、正しい育て方や剪定を行わないと、何年経っても実をつけないこともあります。
今回はびわの木を育て方や剪定方法、それらを行う際の注意点を紹介していきます。これから果樹を育てようと考えている方、まさにびわの木を育成していこうと考えている方、びわの木の育成で困っている方の参考になれば幸いです。
びわの特徴
・基本的な特徴
びわの栽培は一見すると難しいと感じますが、ポイントを押さえていけば比較的簡単に栽培できます。びわを育てるポイントは、水はけがよく、温かい場所で育てることです。また、樹高を低く抑えることも重要です。いくつか品種がありますが、大粒に育つ田中びわと小粒に育つ茂木びわの2つが代表的なものです。
・びわの育て方の流れ
苗木の植えつけが3月~6月、剪定が9月、開花が11月~2月、肥料をまくのが2月~3月・6月・9月、袋かけが4月、収穫が5月~6月という流れで育てていきます。
・苗木の植えつけ方
先ほど述べたように、苗木を植えつける場所は水はけがよく温かい場所、また、びわは日光を必要とするので、日当たりが良く風通しの良い場所だとより良いです。植えた後は、たっぷりと水を与えてください。
びわの栽培の特徴
・びわの栽培について
びわを育て美味しい実を収穫するために大切な作業があります。それは花もぎと呼ばれる作業です。花もぎは開花前に行うため、摘蕾(てきらい)とも呼ばれます。びわの木には花がいっぱいなるため、そのままにしておくと、全部の花にしっかりと栄養が行き届きません。その結果、個々の実が小さくなってしまい、味が落ちることにもつながります。
摘蕾は9月頃行い、蕾を3分の1ほど積みます。花房の上半分と下2段ほどを切り落としましょう。
・摘果と袋がけについて
同じような理由から3月下中から4月上旬にかけて摘果を行います。1か所に実が集まらないよう、バランスを考えながら実を摘んでいきます。目安は粒の大きさによります。田中びわに代表される大粒に育つものは1房に2~3粒、茂木びわなどの小粒に育つものは1房に3~5粒を目安に摘果していきましょう。
摘果が終わったら同時に同時に袋がけも行っていきましょう。びわはカラスなどの野鳥や害獣、害虫に大変狙われやすいです。大粒のものは1粒ごと、粒が小さいもの果房ごと被せていきましょう。
びわの剪定方法
びわの剪定の時期は蕾が大きくなる前の9月上旬ごろに行うと木への負担が少ないです。
びわの木は品種によって樹形が変わってきます。茂木びわなど枝がまっすぐ上に伸びる品種は横に伸びる枝を残すように仕立てます。また、田中びわなど枝が横に伸びていく品種は盃状形になるように仕立てていきます。
仕立てた後は、混み合った枝を間引いて木の内部にも光が良く当たるようにしましょう。その年に伸びた枝の先端付近に花芽が付くので、剪定の時に切り落とさないようにしましょう。また、太い枝を剪定したあとは、病気を防ぐために癒合剤を切り口に塗るとよいと思います。
びわを育てる際の注意点
・びわの実が付かない
びわを育てていてもなかなか実がならないという意見をよく目にします。なぜ実がならないのでしょうか。
そもそもびわは種から育てた場合、8~10年、苗木から育てても植え付けから実をつけるまで数年かかることがあります。びわを育てている環境に問題が無く、管理もしっかりできているのであれば、まだ成熟していないのかもしれません。それでも実がならない場合は以下のような問題点があるかもしれません。
・肥料の窒素分が多い
家庭でのびわの栽培において肥料の欠乏はよっぽどのことが無い限り起こりにくいと思います。しかし、与える肥料によっては花が付きにくくなることがあります。肥料には主に窒素・リン酸・カリという成分が含まれています。窒素には葉を大きくさせる効果があり、リン酸は花や実を大きくする養分、カリは根を育てる養分とそれぞれ植物に必要な養分となります。
しかし、窒素の多い肥料ばかり与えてしまうと、枝葉ばかりが茂ってしまい、花が付きにくくなります。花芽を付きやすくするためには三つの要素のバランスを取りながらリン酸が多めの肥料を与えるようにしましょう。
・寒さに当たった
びわの木自体は寒さに強いのですが、花・蕾・実はマイナス5度以下に当たると枯れてしまいます。実が付かない場合は寒さの影響があったかもしれません。冬の間はびわの木に風が当たらないように風よけをしたり、移動しやすい鉢植え栽培に切り替えるようにしたりと寒さに当たらないような対策が必要です。
・注意すべき病気
びわの幹や枝を傷つけてしまうとそこからがん腫病という細菌性の病気にかかってしまうことがあります。葉っぱに褐色の斑点が現れたり、幹にこぶができたりしたら感染している可能性が高いです。病気にかかってしまった場合は、感染を防ぐためにかかってしまった部分を切り落としていってください。
まとめ
最初に挙げたようにびわはほかの果樹にくらべて栽培が簡単です。また、消費期限は短いですがそのまま食べるだけでなく、びわジャムやびわ酒など他の楽しみ方も様々です。さらに、びわの葉から作ったお茶にも栄養が豊富なのです。品種にあった剪定を行っていくのは大変かもしれませんがぜひともこのページを参考にして、びわの育成にチャレンジしてみてください。
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