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2021.04.28更新

桜の剪定は11月に!適切なメンテナンスを実施して木を美しく保つ

桜の剪定は11月がベスト!計画的な剪定方法で枯れない桜に育てよう

日本を代表する花といえば、桜ですよね。我々は、春になるとお花見や写真撮影などをして桜を楽しみます。しかし、皆さんは桜のメンテナンスの仕方や剪定方法をご存知でしょうか?

桜はメンテナンスをしないと見た目が悪くなるどころか、病気になって枯れるおそれもあります。また、間違ったメンテナンスをしてしまうと逆効果になり、桜の寿命を縮小してしまいます。

今回は桜を美しく健康に保つために、正しい桜の剪定方法をご紹介します。桜を植えたはいいがどうしたらいいかわからない方、家を譲り受けたはいいが庭の桜をどうしようか悩んでいる方は必見です。

桜の剪定はしないほうがよいと聞いたけど……

「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」という言葉があります。桜の枝を切るとそこから腐りやすいので切らないほうがよく、梅は枝を切らないと無駄な枝がつくので切ったほうがよいということわざです。

しかし、正しい方法で桜の剪定をすれば腐らずに済みます。枝の付け根あたりから切れば腐りにくくなります。中途半端に切ってしまうと、そこから菌が侵入してしまいます。幹は付け根から切れないので、直径5cmぐらいの太くならないうちに切りましょう。

桜の剪定は葉が落ちた11月頃がベスト!

桜の剪定は葉が落ちた11月頃がベスト!

桜の剪定は葉が落ちた直後の11月が適切な時期です。理由としては乾燥がひどくなる冬前に行うことで切り口が傷みやすくなるからです。

春になり桜が活動する時期に剪定すると、切り口から樹液が出て樹勢が弱まったり腐敗菌が繁殖しやすくなったりするおそれがあるので避けるようにしましょう。

【2~5年目まで】樹形を整える剪定をおこなおう!

桜の剪定は、年数によって切る枝も変わってきます。この項目では2~5年目に行う剪定の仕方を説明させていただきます。

早めに樹形を整える理由

大きくなった枝を切ると腐りやすくなり、木が衰弱してしまいます。人間で例えると髪や爪を切るのと指や腕を切り落とすのとは違うといったほうがわかりやすいでしょうか。大きくなってから枝を切るより、小さいときに枝を切って樹形を整えましょう。

剪定する枝の種類

・ひこばえ
地際から新たに出てくる枝のことです。樹形を乱したり、幹の栄養がひこばえに集中したりしてしまうおそれがあります。切る場合は、菌が侵入しないよう枝の付け根から切り落としましょう。

・からみ枝
一方向に伸びるはずの枝が、ほかの主となる枝にからむように伸びた枝のことです。放っておくと、主となる枝が傷ついたり折れたりするおそれがあります。枝の根元から切り落としましょう。

・ふところ枝
樹木の上部にある、主となる枝から生えている特に小さな枝のことです。からみ枝と同じく、風で主になる枝が傷ついてしまいます。主となる枝を残して、枝の根元から切り落としましょう。

・胴ぶき枝
幹から新たに伸びだしてくる細い枝のことです。勢いが強いので樹形を乱したり高い位置の枝の生育を妨げたり、通行の邪魔になる場合があります。枝の根元から切り落としましょう。

・枯れ枝
その名のとおり、枯れている枝のことです。枯れ枝は他の枝と違い、明らかに変色しています。全体が枯れてしまっている場合は枝の根元から、一部だけ枯れている場合は枯れている部分だけを切り落としましょう。

【6年目以降】不要な枝を選んで剪定しよう!

【6年目以降】不要な枝を選んで剪定しよう!

6年目以降の桜の剪定は、不要な枝を選ぶことがポイントです。2~5年目までに剪定した枝も含め、新たに生えてきた不要な枝も切り落としましょう。

樹に悪影響をもたらす枝は切りましょう

そもそも、悪影響をもたらす枝とは幹や主となる枝を傷つけたり、採光や通風を妨げたりする小さい枝のことをいいます。悪影響をもたらす枝を切る目的は、以下のとおりになります。

  • 樹形を整え、通行の邪魔を防ぐ
  • 生育の偏りを防ぎ、均一な生育を促す
  • 病気や虫害を防ぐ
  • 美しい開花や多い開花を促す
  • 若返りを図る

不要な枝の種類

・逆さ枝
他の枝と逆の向きに生えている枝です。樹形が乱れてしまいますので、枝の根元から切り落としましょう。

・徒長枝(とちょうし)
強い勢いで伸びた長い枝のことです。そのままにしておくと、樹の養分が徒長枝に流れてしまい樹の成長を遅くなってしまいます。花も咲きにくい枝なので、不要といえるでしょう。枝の根元から切り落としましょう。

・立ち枝
横に伸びるはずが、真上に伸びてしまったもののことをいいます。樹形が乱れてしまいますので、枝の根元から切り落としましょう。

・下がり枝
その名のとおり、下に向かって伸びてしまった枝のことをいいます。立ち枝同様、樹形が乱れてしまいますので、枝の根元から切り落としましょう。

・車枝
一か所から、車輪のように複数伸びている枝のことをいいます。樹形の乱れや枝同士が競合するおそれがあります。一本を残して他の枝を根元から切り落とすか、全部切り落とすかしましょう。

・平行枝
同じ方向に複数伸びてしまっている枝のことをいいます。単調な感じを与えたり下の枝の日当たりが悪くなったりします。バランスを見てどちらか片方を切り落としましょう。

・逆さ枝・腹切り枝
幹のほうに伸びてしまった枝のことを逆さ枝といい、枝が曲がって幹と重なり合ってしまった枝を腹切り枝といいます。幹を傷つけるおそれがあります。枝の根元から切り落としましょう。

枝の太さに合わせた桜の剪定方法

桜の剪定の仕方次第で、枝が腐りやすくなってしまったということも十分に考えられます。そして、剪定の仕方も幹の幅で変わってきます。太さに合った正しい剪定方法を学びましょう。

細い枝の剪定方法

上記で枝の根元から切ると書きましたが、付け根ギリギリではなく10cmほど残して切りましょう。切るときは、枝に対して直角になるように切りましょう。斜めに切ると切り口が大きくなってしまい、菌が入りやすくなってしまいます。

また、切り終わったら、すぐに殺菌剤や傷口融合剤を塗りましょう。塗るときは、切り口にたっぷりと塗りましょう。

太い枝の剪定方法

500円玉弱くらいの太い枝を切る際は、根元から15~20cm残して切るようにしましょう。太い枝の根元には保護帯という樹の腐敗を防ぐ働きを持つ場所があります。その部分を切り取ると腐敗してしまうおそれがあるので、根元ギリギリを切るのはやめましょう。

太い枝は、細い枝のように一気に切るものではなく順序を追って切るものです。その順序を説明させていただきます。

  1. 切る枝の下側に約1/3の切り込みを入れる
  2. 1で入れた切り込みより、少し枝先寄りの位置で上から切り落とす
  3. 切り口が直角になるように再度切る

切ったあとの切り口は細い枝同様、殺菌剤や傷口融合剤をたっぷりと塗りましょう。

桜の剪定をするならココに気をつけて!

他の木を剪定するときも気を付けなければいけませんが、桜はとても繊細な木なため特に剪定する際は気を付けなければいけないことがあります。桜の剪定の注意事項は、以下のとおりになります。

大幅な剪定は行わない

太い枝を切ることは人間にとっては指や手足を切断するようなものです。また、太い枝を切断することで体力を消耗してしまい腐敗や寿命の縮小につながってしまいます。なので、剪定する際は形を整えたり混み合った枝を取り除いたりするくらいに留めておきましょう。

切る際は必ず消毒済みの道具を使う

木の剪定は手術のようなものです。手術をする際にも消毒した道具を使用するように、枝を切る際に菌が入るのを防ぐために、ノコギリや剪定ばさみなどの道具は必ず消毒しましょう。

手で枝を折ってはいけません

細い枝なら道具を使わなくてもいいだろとお思いのかたもいらっしゃるとはお思いかもしれませんが、手で枝を折ることは厳禁です。手で枝を折ると切り口がまっすぐにならないので、菌が入りやすくなってしまいます。

桜が病害虫に侵されてしまったときの対処法や予防法

桜は、とても繊細な木だということを上記で説明させていただきました。そんな繊細な桜は、病害虫の被害にも遭います。この項目では、桜が被害に遭いやすい病害虫の原因や対策などをご紹介します。

てんぐ巣病

てんぐ巣病とは、カビの一種が原因では発生する伝染病です。感染するとほうきのように細かい小枝が巣のように発生し、春になっても花が咲かず葉だけが生じます。放置しておくと、木全体に病気が蔓延し木が枯死してしまいます。

対策としては、病巣部を切り落とす以外に効果的な方法はありません。切除は、病気の枝が見分けやすく胞子が飛散前であり、桜の剪定に適した11月に行いましょう。また、取り残しを防ぐために3年間は継続して除去作業を行いましょう。

てんぐ巣病は空気中に飛んで感染する病気なので、感染した周囲には新たに桜を植えることは控えましょう。また、感染した枝は焼却処分をしてさらなる感染を防ぎましょう。

膏薬(こうやく)病

膏薬病とはてんぐ巣病と同じくカビの一種が原因では発生する病気ですが、カイガラムシという害虫と共生して繁殖します。繁殖時期は5~6月ごろで、枝や幹にオレンジ色のフェルトのようなカビが生えてしまいます。

対策としては、カビをブラシなどでこすり落とし薬剤を数回塗布しましょう。また、風通しや日当たりが悪くなると発生しやすい病気ですので、桜の剪定を行い風通しと日当たりをよくしましょう。

モンクロシャチホコ

モンクロシャチホコとは、8~9月頃に発生する虫で幼虫が葉を食べます。幼虫は赤褐色で白い毛がついており、体を寄せあいながら葉の裏側に住み着いています。成長すると体長が5cmくらいになり、黒褐色になります。

対策としては、食べられている葉をすべて取り除きます。また、防止策としては害虫退治用の防虫剤を散布します。散布する時期は、虫が発生する前と発生時期である6~9月ごろがよいでしょう。

まとめ

桜を剪定しようと思っても、どれが切っていい枝か素人では判断がつきづらいものです。また、樹の剪定は高所の作業になることも多く、転落などの事故につながってしまうおそれがあります。

桜の剪定は、プロの業者に頼んでみるのも手かもしれません。業者に頼めば、正しい剪定をしてくれるのはもちろんのこと、消毒や病害虫の対策、切り口のケアまで行ってくれるところもあります。正しい剪定方法を行って、美しい桜を長く保ちましょう。

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