蛇を見かけてしまうと、「かまれてしまうのではないか」「毒があって危険だ」など思ってしまいますよね。じつは、蛇はこちらから攻撃しない限り襲ってはこない生き物なのです。
危険な生き物ではないとはいい切れませんが、蛇の特徴を知っていれば怖くなくなるかもしれません。今回は、蛇の特徴と毒ヘビの見分け方についてご紹介していきます。
蛇の特徴 1:生態と食性
蛇は危険で怖い生き物というイメージをもっている方が多いのではないでしょうか。テレビや図鑑などの写真で見ても、蛇は怖く思えてしまうものです。ですが、生態を知ることでもしかしたら、印象が変わってくるかもしれません。まずは、蛇の生態と食性についてご説明していきます。
蛇は変温動物である
蛇は変温動物に分類される生き物です。変温動物である蛇は恒温動物と違い、自分で体温調節ができないため外の温度に影響を受けます。
そのため温度が下がる冬は体温が低下し、活動するのに必要なエネルギーが少なくなります。蛇が冬に冬眠するのは、このような理由があるからです。
また、熱帯地方に生息している蛇は、熱を避けるために夏に眠る夏眠をすることもあります。蛇は、自分の体に適した温度域に移動し、体温の調節をはかりながら行動しているのです。
蛇は種類によって食性が異なる
蛇が食べるものとして最初に思いつくのはカエルではないでしょうか。もちろんカエルを餌にしている蛇はいますが、それはヤマカガシやシマヘビなど一部の種類です。また、カエル以外にも小魚、ドジョウも餌として食べています。
そのほか多くの蛇は、鳥やネズミなどを好んで食べます。また、木登りを得意とするアオダイショウなどは木にとまった鳥を襲うことが多く、マムシなど地上性の蛇はネズミなどを獲って食べることが多いようです。
蛇は臆病な生き物
道などで蛇と遭遇して目があったら襲われると思っている方もいるのではないでしょうか。知っている方もいるかもしれませんが、じつは蛇はとても臆病な生き物なのです。
人が蛇を怖がるように蛇も人を怖がります。臆病な蛇は、人と遭遇すると自分の身を守るためにその場から逃げるか丸まる、または威嚇行動をします。こちらが刺激しなければ、かまれることはめったにありません。
しかし蛇が威嚇でダメだと判断したときは、最終手段でかみついてきます。また意外かもしれませんが、蛇の牙は病院などで使用される注射針よりも細く、牙があっという間に刺さるため痛みはほとんど感じません。
とても臆病な蛇ですが、エサであるカエルや鳥などを触った手を目の前に出すと、においと体温で食べ物だと勘違いしてしまいます。カエルなどを触ったあとは、蛇に遭遇する前に手を洗うことを忘れないようにしましょう。
蛇の特徴 2:感覚器官
蛇の感覚器官には、視覚、聴覚、皮膚感覚があります。あまり知られていないかもしれませんが、じつは蛇にも耳があるのです。ここでは、蛇の感覚器官について4つご説明していきます。
視覚
まずは視覚についてご説明します。蛇の目にはまぶたがなく、ウロコが変化した透明な眼鏡板というものに覆われています。そのため、蛇は常に目を開けた状態のように見えるのです。
また、「蛇の視界は目の位置から前方約60度しか見えていない」「見えているが色を見分けられない」と考えられているようです。これらのことから、蛇の目はあまりよくないことがわかります。
聴覚
蛇にも聴覚があります。ですが、蛇全体を見ても聴覚を感知する耳のような部分は見あたりません。なぜなら、蛇の耳は退化してしまっているからです。「じゃあ、蛇の耳はどこにあるの?」と疑問に思われることでしょう。
蛇には内耳と呼ばれる内部器官が存在しています。そのため、耳ではなく皮膚に当たる空気の振動を感じ取ります。皮膚にあたった空気の振動が筋肉や骨を通じ、内耳まで届いて音と認識するのです。
皮膚感覚
蛇は先ほどお話ししたとおり、空気の振動が内耳に届くことで音と認識します。蛇は耳のかわりに皮膚の感覚が発達しています。そのため、人やねずみの歩く振動を肌で感じることができるのです。
舌・鼻
蛇には長い舌があり、下をチョロチョロと出している印象があることでしょう。蛇のこの行動にはちゃんとした意味があります。視界が狭く、耳が退化した蛇は、そのかわりに鋭い嗅覚があります。鼻だけでなく、空気中の匂いや味を舌でとらえ、口の中の上部にあるヤコブソン器官といわれる器官に送ることで周囲の状況を判断しているといわれているのです。
ネズミを捕まえるときなどに使うのはもちろん、交尾期などで相手を探すときにもこの器官を使うと考えられているようです。
蛇の特徴 3:蛇だけがもつピット器官とは
蛇には、視覚や聴覚以外にピット器官と呼ばれるものがあります。聞きなれない器官ですが、いったいどのような器官なのでしょうか。
ピット器官は目と鼻の間にある、熱を感知する器官です。この器官は多くの神経や毛細血管が集まっており、わずかな熱でも感知することができます。このピット器官をもっているのは、ニシキヘビ科やマムシ亜科などの一部の蛇だけです。
また、蛇が熱を感知するセンサーは軍用機器並みに高性能といわれているほどで、数10センチ離れたものの温度変化を知ることができます。
【キケン!】毒蛇の特徴と見分け方
毒をもっている印象がある蛇ですが、すべての種類が毒をもっているわけではありません。では、どのような蛇が毒をもっているのでしょうか。毒蛇の特徴とその見分け方を2匹の蛇でご説明していきます。
ヤマカガシ
このヤマカガシは、本州や四国、九州、屋久島などに広く生息しているようです。では、見た目の特徴や判別ポイントはどうなっているのでしょうか。
・見た目の特徴
- 体長60cm~120cm
- 体全体にうっすら赤っぽい色あり
- 首まわりに黄色い色あり
- ウロコにつやがない
- 全身に黒い斑点
・判別ポイント
判別ポイントは、ウロコのつや・全身の黒い斑点・体全体にうっすら赤っぽい色があるかです。
ニホンマムシ
毒のある蛇として有名なマムシですが、見た目の特徴や判別ポイントはどうなっているのでしょうか。それぞれご紹介していきます。
・見た目の特徴
- 体はかなり小さめ
- 色は茶色系の色で統一されている
- 点のような黒い模様が全身にあり
- 猫のような鋭い目つきをしている
・判別ポイント
判別ポイントは、猫のような目つき・点のような模様が全身にある・体の色は茶色系の色で統一されているかです。
どちらも遭遇したくない蛇です。このような毒蛇にかまれないように、安易に草むらに入らないようにしましょう。もし、草むらや藪に入る場合は以下のことに注意してください。
- 足は素肌が出ない履物を履く
- 長ズボン(ゆったりとしたもの・丈夫な生地)を選んで着用
害獣でお困りの方はまずご相談ください
建物が多い場所ではあまり見かけない蛇ですが、ときどき戸建住宅の庭などにいることもあります。もし蛇を見つけたときは、自然に出て行くのを待ちましょう。
玄関先など人が通る場所で蛇を発見した場合は、蛇を駆除しようとせずに蛇の周りをバンバンと叩くと驚くので、追い出すことができます。それが難しいまたは毒蛇の可能性がある場合は業者に連絡をしましょう。
業者は蛇の駆除だけではなく、再発防止対策もしてくれます。業者に依頼するときは、駆除と再発防止をお願いすることをおすすめします。
まとめ
蛇に対して、毒があり攻撃的な生き物である印象をもっていた人は多いはずです。しかし、じつはその逆で人を怖がるほど臆病な生き物なのです。
蛇の特徴を知ることで、実際に蛇と遭遇したときどのような行動をすればいいのかがわかります。そして蛇から被害を受けることが少なくなるのです。
毒蛇ではなくても蛇を見かけたときは、駆除をしようとせずに自然に出て行くのを待つか、驚かせて追い出しましょう。それでも無理な場合や危険だと感じたときは、業者に相談するとよいですよ。
どの業者を選べばいいかわからない、というときは一度【害獣駆除110番】にお問い合わせください。
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