ねずみの被害を考えた時、まず真っ先に思いつくのが食べ物への害です。ねずみは基本的に人間の食べるものなら殆どの物を食べることができますから、人家や工場、倉庫などそういったものがたくさんある場所はねずみにとって格好の餌場と言えます。
しかし、こうした場所ではただ単にねずみに貯蔵されている物を食べられるだけでは済まない場合があります。
ねずみは地面を徘徊して移動する動物です。その体の表面には様々なものが付着しますが、食中毒の原因菌も例外ではなく、代表的なものとしてレプストスピラ症とサルモネラ症という2つの食中毒が、ねずみによって引き起こされる恐れがあるということで、厳重な注意が必要になっています。
レプストスピラ症はドブネズミの排泄物などが混入したものの中で菌が繁殖し引き起こされる物です。ドブネズミが湿った場所を好むことから、調理場にある調理器具、もしくは調理済みの食品への付着により感染されることが考えられます。
また、サルモネラ症についても、ねずみの排泄物に含まれており、ねずみが食べたり触れた物を誤って摂食したときに感染します。
どちらの食中毒症も、高熱、激しい嘔吐、下痢を引き起こし、特に年少者や高齢者は死亡する恐れもあります。
調理の際に気をつけるのは当然のこととして、ねずみ駆除を徹底していくことも必要です。