突然ですが、ラットとマウスの違いをご存知ですか?なかには、名称が違うだけで同じだと思っている方も多いでしょう。たしかに、ラットもマウスのどちらも、日本では「ネズミ」と言われています。しかし、ラットもマウスも種類によって見た目や特徴が違うのです。
ラットとマウスはとても類似しています。どのような違いがあるのか、ラットとマウスがいったいどのような危害を与えるのかを知らない方は必見です。この記事では、ラットとマウスの違いや駆除の仕方を解説します。
「ラット」・「マウス」とは?
ラットとマウスは、そもそものネズミの種類が違います。この章では、ラットとマウスの見分け方について解説します。
ドブにいなくてもラット=ドブネズミ
ラットは家畜化されたドブネズミのことです。「ドブネズミ」と言われると名前のとおり、ドブにいるネズミを思い浮かべてしまいがちですよね。ですが、家畜化されたドブネズミは、病原体やウイルスなどの衛生面で、一般的なペットと同様に問題ないといわれています。
ラットは体長約20cm~30cm、体重は約200g~700gと、我々が思い浮かべるネズミに比べて体が大きく、おだやかな性格であることが多いです。また、ラットは懐きやすいので、多頭飼いもしやすく、マウスよりも飼いやすい傾向にあります。
ちなみに、“rat”の意味はネズミのほかに、「~を裏切る」「密告する」などの意味があります。英語圏でラットという言葉は、ネガティブなイメージを含むことが多いです。
マウス=ハツカネズミなどの小さなネズミ
一方、マウスは体長約5cm~10cm、体重約15g~30gとラットに比べて体が小さく、ハムスターにきわめて近いサイズ感です。しかし、マウスはかわいらしい見た目とは裏腹に凶暴で、懐きません。ラットが多頭飼いしやすいのに対して、マウス同士で喧嘩してしまうことがあります。
「ラット」と「マウス」の詳しい違い・特徴
ラットとマウスは具体的にどのような特徴があるのか紹介します。
歯の形
ラットとマウスは門歯の形状の違いでわかります。門歯とは歯列の真ん中のことをいいます。ラットは先端から根元に向かって太さが変わり、くさびのような形です。マウスは歯の厚みがばらばらに変わります。
ちなみに、ネズミはげっ歯類なので歯が一生伸び続けます。ネズミが常に何かをかじっているのは、伸び続けている歯を削るためなのです。
ラットは人に慣れる
マウスはあまり人を区別しませんが、ラットはそれぞれ人を認識します。性格的にもマウスは短気なのに対し、ラットは温厚で賢い傾向にあります。
ペットとして飼われる「ファンシーラット」は社会性があり、体も丈夫で飼いやすいでしょう。また、飼い主に甘えたりじゃれたりすることもあるので、飼っていて満足度が高いといわれています。
マウスの方が湿度に強い
ネズミと聞くと、薄暗いじめじめしたところに住みついているイメージを持つ人も多いでしょう。このとき、湿度の変化に強いのはマウスなのです。なぜなら、マウスはもともと農耕地や砂丘地などに生息しているので、乾燥している環境にも適応できます。
反対に、ラットことドブネズミは、下水やキッチンなどの水気が多く湿った環境を好みます。乾いた場所の耐性がマウスに比べてあまりないため、ラットは乾燥には弱いのです。
ラットとマウスが起こす被害
ペットとしても人気のあるラットやマウスですが、野生のラットとマウスの被害に遭う可能性もあります。この章では、ラットとマウスによる被害を紹介します。
マウスの尿にご注意
マウスの尿は染みつくと臭いを取るのが難しいと言われるほど、人間の糞尿より強烈な臭いを放ちます。家の天井裏や壁、倉庫などに巣を作るマウスがあなたの家に忍び込むこともあるでしょう。
繁殖するのが早いマウスは、1匹駆除しても他にもいる可能性があります。また、死んでいるマウスが腐敗していると臭いを発するので気をつけましょう。
基本的に、マウスは通り道の決まったところにしか尿やフンをしません。悪臭が残らないように、もし見つけた場合は用心深くチェックしておくといいですね。
ラットやマウスによる停電被害
もし野生のラットやマウスが自宅にいた場合、家具だけでなく電線をかじって切ってしまうことがあります。停電事故の原因は約20%が小動物ですが、そのうち半分以上がラットやマウスなどのネズミにあるようです。
病原体の感染源に!?
野生のねずみは不衛生なことが多く、さまざまな病原体を保有しています。体内はもちろん、糞尿など出したものにも含まれているので注意が必要です。人間の皮膚をかじることもあります。サルモネラ菌(食中毒)、E型肝炎などに感染してしまうおそれがあるので、注意しましょう。特に、小さな子どもは狙われやすいので気をつけてください。
ラット&マウスの駆除方法
数々の被害を与えるラットやマウスですが、どのようにして駆除したらいいのでしょうか。この章では、ラットとマウスの対策グッズや駆除方法について紹介します。
粘着シート
よく、ゴキブリ駆除などにも使われる粘着シートです。お手軽な価格で買えるので、初心者であっても始めやすいでしょう。
粘着シートは、ラットやマウスが通りやすい天井裏などに設置します。ねずみがシートを踏むと、くっついて取れなくなるのです。処分の際は、ラットやマウスの張り付いたシートを閉じて生ごみとして捨てることができます。
デメリットとしては、置くだけで簡単に設置できるがゆえに、ラットやマウスなどのネズミ以外の虫などが引っ掛かってしまうことがあります。ネズミの通り道に設置することがきわめて重要です。
罠を使う
捕獲式の罠には、ばね式とかご型の2種類があります。
ばね式のネズミ捕り
エサでネズミを釣り、簡単な仕掛けで仕留めるものです。ネズミ駆除のなかでも有名で、数百円ほどで購入することができます。ばね式のネズミ捕りは、設置も簡単なことに加えて、一度捕まえても再利用が可能です。
かご式のネズミ捕り
ばね式の派生型であり、かごにネズミをおびき寄せて捕まえるものです。ばね式のネズミ捕りと同じようにエサでネズミを捕まえます。かご式なので、ネズミが入り込むと入り口が閉まる仕組みです。
殺鼠剤
殺鼠剤(さっそざい)とは、毒の入ったエサを撒いて、ラットやマウスが食べることで駆除をする方法です。エサのなかに毒が入っているものや、ネズミの好物に毒を振りかけるものがあります。
殺鼠剤は効果が見られやすいですが、それだけ毒性が高いものが含まれています。誤って人間やペットなどの口に入らないようにしましょう。
モスキート音などの超音波
モスキート音をご存知ですか?モスキート音とは、高い周波数で放たれる不快な音です。人間は年齢とともに聞こえづらくなるので、コンビニ周辺に若者が居座るのを防ぐためなどに使われています。
ネズミは超音波で会話をしているので、モスキート音は効果的です。しかし、ネズミがモスキート音に慣れてしまうと効果が薄れてしまいます。
個人で駆除が難しいときは
たとえば殺鼠剤をラットやマウスが食べてしまうと、いつどこで死んでいるかわかりません。ネズミの死骸は腐敗すると強烈な臭いがするので、放置しておきたくないですよね。また駆除したと思っていても、どこかに潜んでいる可能性があります。
徹底したネズミの駆除を行いたい場合は、ネズミ駆除の業者に依頼してみましょう。また、少しでも不安があるときは依頼する前に相談をしておくことが大切です。
まとめ
これまで、ラットとマウスの違いや特徴、駆除の仕方などについて紹介しました。ラットとマウスはどちらもネズミですが、大きさや性格など特徴が少し違います。
ペットとしてかわいがられている反面、ネズミによる被害は後を絶ちません。ネズミの駆除は粘着シートや殺鼠剤など、さまざまなものが売られています。
ネズミは生命力が高くタフな生き物なので、駆除するのがなかなか大変です。困ったらネズミ駆除の業者に依頼するのもいいですね。