「なんだかテレビ画面がカクカクしている……これってテレビが電波障害を起こしているの?!」
別にテレビをいじったわけではないのに、ある日突然テレビの調子がおかしくなったら電波障害を疑いますよね。
「本当に電波のせいなの?これからどのような手順で解決すればいいの?」とお悩みかと思います。
もしも現在電波障害かどうか?でお悩みなら、以下のことを順におこないましょう。
- テレビの症状を確認する
- 自宅・ご近所のテレビはどうか?確かめる
- 電波障害の原因に目星をつける
- 業者や行政機関などに相談をする
電波障害は広域に出ることが多いので、ご自宅のテレビ1台だけに症状が出ているのなら電波障害ではなく別のトラブルの可能性が高いでしょう。
この記事では電波障害やそれ以外のテレビのトラブルにまつわる対処法をまとめました。
そのためこの記事を読むだけで、テレビのトラブルは解決できます。
早速電波障害が起きたらどうなるのか?電波障害の症状から見ていきましょう。
電波障害が起きたら起きる症状
まずはご自宅のテレビの症状を確認しましょう。
電波障害が起きると画面や音声に以下の異変が起きます。
- ブロックノイズや線状ノイズ
- エラーコードが消えない
- 何も映らない、画面が固まる、音声が飛ぶなどの異常
現在上記の異変が起きている方は、電波障害の可能性が高いです。 詳しく症状を解説します。
ブロックノイズや線状ノイズ
ブロックノイズと同時に音が飛んだり、テレビによっては「電波が受信できません」などのエラーコードが表示される場合があります。
特に決まった時間に出現するノイズは要注意です。
決まった時間に点灯する街灯や同じ時間に使う家電による、電波障害の可能性が高いからです。
ノイズが出る時間、長さを覚えておくと調査のときに役立ちます。
エラーコードが消えない
エラーコードとは画面に表示される「E202」などの表示です。
たいていはB-CASカードの抜き差しなどですぐに直りますが、何をやっても消えないときは電波障害が疑われます。
後述の「自宅のテレビがすべて視聴できないか確認する」でも紹介する方法で、テレビを修理すれば直ることがほとんどです。
しかし家中のテレビすべてにエラーコードが出ている、ご近所も同様の状態でエラーコードが消えないのであればその地域一帯に何らかの電波障害が出ている可能性が高いでしょう。
何も映らない、画面が固まる、音声が飛ぶなどの異常
先程紹介したブロックノイズ以外の異常です。
どの症状が出るかは、予測ができませんが以下のいずれかの症状が出ます。
- 何も映らない、何も聞こえない
- 画面が固まる
- 音声が途切れる
- 画面は映らないが、音声だけは聞こえる
- 1チャンネルだけ映らない、映像が乱れる
- すべての放送が映らない
現在上記の異常が出ているテレビは電波障害の可能性があります。
ですがこの症状だけでは電波障害ではなく、ご自宅のアンテナやテレビの故障の可能性があります。
そこで次の章で電波障害かどうか?を確かめましょう。
電波障害の確かめ方
電波障害は性質上広域に被害を出すので、ご自宅だけでなくご近所にも同様の被害が出ていることが多いです。
反対に自宅のテレビだけなら、電波障害ではない可能性があります。
詳しく解説します。
自宅のテレビがすべて視聴できないか確認する
自宅にテレビが複数台ある方は、他のテレビの映りを確認してください。
トラブルがテレビ1台にしか出ていないのであれば、電波障害の可能性は低いでしょう。
下記の記事はテレビでよくある不具合や簡単な直し方をまとめたものです。
こちらの記事を参考に、テレビを直してみましょう。
ご近所のテレビはどうか?聞いてみる
電波障害は広範囲に出ることがほとんどです。
そのためご近所の方に、テレビの映り具合を確認しましょう。
電波障害の原因はまたのちほど詳しく紹介しますが、一例を出すと街灯が原因の電波障害は街灯周辺のご家庭に症状がでます。
以下の内容をご近所に確かめましょう。
- テレビの映りは悪くないか?
- いつ頃からテレビの映りが悪いか?
- テレビの映りが悪くなる時間や頻度はあるか?
- 映りが悪いのは地デジと衛星放送のどちらか?
地デジも衛星放送も、同じ理由で電波障害が起きます。
ただし衛星放送は導入していない家庭も多いので、聞く際にははっきりさせておきましょう。
注意点ですがケーブルテレビ・インターネットテレビで視聴しているご家庭は、参考になりません。
地デジアンテナやBSアンテナは電波(無線)で視聴しているのに対し、ケーブルテレビやインターネットテレビはケーブル(有線)で視聴しており、視聴方法が異なるためです。
ご近所に聞く際にはアンテナでテレビを見ている方を参考にしましょう。
ご近所でも同様の症状が起きている場合は、電波障害の可能性が高いです。
では何が原因で電波障害が起きたのか?次の章で見ていきましょう。
電波障害の5つの原因
電波障害の原因は以下の5つです。
- 障害物がある
- 無線の電波がテレビに混ざっている
- 別の電気製品の電波がジャマしている
- 自然災害が起きている
- 700MHz電波障害が原因
電波障害の原因のなかには、すぐに撤去できるものや時間が経てば自然に直るものがあります。
知っておけばすぐ解決できる場合もあるので、原因を確認しましょう。
ただし原因に目星がついても、電波のプロが調査をおこなうまで原因は確定しません。
原因があいまいなまま「無線のアンテナが建っているから、あの家のせいだ!」と決めつけて行動すれば、新たなトラブルにつながります。
原因に目星がついても慌てずに、詳しい調査は後述のプロや公共機関に任せましょう。
では詳しく解説していきます。
障害物がある
ビルなどの障害物により、電波が届いていない状態です。
電波はたいていのものをすり抜けて、ご家庭に届きます。
しかし電波は鉄に跳ね返され、何かをすり抜けると弱まる減衰現象が起きます。
そのため高架は電波を跳ね返す原因になり、コンクリート造りのビルは電波を弱める原因になります。
電波塔の方角に障害物がある場合は、電波障害の可能性があります。
電波塔の方角は一般社団法人A-PABのサイトを、参考にしてください。
無線の電波がテレビに混ざっている
電波は用途に応じて決まった周波数がありますが、周波数が近い電波は混ざり合う混信現象が起きます。
そのためトラック無線などの電波が、テレビに紛れ込み電波障害が起きることがあります。
詳しく説明すると電波には周波数(帯)と呼ばれる、専用道路のようなものがあります。
周波数が決まっていれば「テレビの電波は家庭のテレビに、トラック無線は別のトラックの無線に」と混乱せずに目的地にたどり着きます。
しかし周波数が近い電波は混ざりやすく、飛び交う電波の数が多いと混ざりやすくなるので、正常に電波を拾うのがむずかしくなります。
テレビとトラックの例だと、本来は別のトラックと通信する予定だった電波が間違って家庭のテレビに入り込んでしまい、画面を乱した状態です。
そのため無線を使う場所では、テレビの受信障害が見られます。
例をあげると以下のとおりです。
- トラック、タクシーなどの乗り物の無線
- 空港や基地などの無線
- 個人がおこなうアマチュア無線
- 携帯電話の電波(700MHz電波障害。別の項目で詳しく解説)
- 離れた場所のテレビ中継局の電波
ただし無線を使う車・施設やアマチュア無線家は混信を防ぐため、あらかじめ対策を取っていることがほとんどです。
必ずしも無線をつかう、イコール電波障害の原因になるとは限りません。
また空港は、電波障害相談窓口を設置し電波障害に関する情報を発表しているケースもあります。
施設側からの発表なら、電波障害があるかどうか?の確認がしやすいのでご近所の方は確認してみましょう。
別の電気製品の電波がジャマしている
街灯や発電機などの一見、電波とは無関係に見える電気製品からも電波は放出されています。
そのため意図せずに電気製品電波が、テレビの電波のジャマをするケースがあります。
電波障害の原因になる、主な電気製品は以下のとおりです。
- 壊れた水銀灯、LEDなどの街灯
- ネオン看板
- 古い家電や発電機など家にある電化製品
- 問題のあるブースターからのブースター発振
街灯やネオン看板など夜間に使用するものは、電波障害も夜間だけ発生します。
また壊れて点滅する水銀燈は、点滅にあわせて映像が乱れる現象も見られます。
ご家庭にある古い電化製品や発電機は、不要なものであれば稼働を停止し、処分しましょう。
ブースター発振とは、テレビの電波を増幅させるブースターにトラブルが起きて電波が周囲に漏れ出すことです。
原因は経年劣化、取り付けの際の不備やケーブルの接触不良などです。
ブースター発振が起きると、特定のチャンネルが映らなくなり、周囲100メートルから1キロメートルほどの広範囲に被害が出ます。
ブースターはアンテナの近くに取り付けられることが多く、設置されているか?はご家庭によって異なります。
ブースター発振は自宅のブースターから起きることもあれば、ご近所のブースターから起きることもあり詳しい調査が必要です。
自然災害が起きている
電波は自然現象に影響されます。
悪天候が原因の電波障害は、天候が回復するまで待つしかありません。
例えば衛星放送の電波は、水に吸収されやすい電波です。
衛星放送の電波は宇宙の衛星から、発射されています。
ですが衛星とBSアンテナの間には、雲や雨があります。
そのため雨が降っていると水に吸収されて、衛星放送の映りが悪くなるのです。
このように電波の状態は自然現象に左右されるため、天候が荒れているときは電波障害も起きやすくなります。
悪天候のときは、天候が回復するまで待ちましょう。
700MHz電波障害が原因
700MHz電波障害とは、スマートフォン(携帯電話)の周波数とテレビの周波数が近いために起きる混信現象です。
2012年にアナログテレビが終了、アナログテレビが使っていた700MHzの周波数(帯)が空いたので携帯電話が使用するようになりました。
しかし携帯電話の周波数の近くには、地上デジタルテレビの周波数があり携帯の電波がテレビに迷い込む電波障害発生するようになりました。
これが700MHz電波障害です。
そこで700MHz電波障害を防ぐため携帯電話各社からなる団体「一般社団法人700MHz利用推進協会」が、テレビと携帯電話の混信を防ぐ活動しています。
該当地域では700MHz利用推進協会からのチラシや市区町村からのお知らせがあるはずなので、確認してみましょう。
電波障害は起きた原因、起こした人により相談先が異なります。
詳しく解説します。
電波障害が起きたときの4つの相談先
電波障害の相談先は大まかに分けて4つです。
- 自宅のテレビだけ調子がおかしい→アンテナ工事業者
- 地域一帯のテレビの調子がおかしい→行政・公共機関
- 集合住宅に住んでいる→建物の管理者
- 700MHz電波障害のチラシが届いた→700MHz利用推進協会
では詳しく解説します。
自宅のテレビだけならアンテナ110番に相談
自宅のテレビだけに問題が起きている場合は、電波障害の可能性は低いです。
しかし何らかの異変が起きていることは確かなので、アンテナ工事業者に相談しましょう。
電波障害は広範囲に出ることが多いので、被害がご自宅だけなら電波障害ではないでしょう。
ですがアンテナや壁の配線など、ご自宅全体に関わるトラブルが起きているのは確かです。
電波の調査、場合によっては受信機器の修理をおこないましょう。
アンテナ修理業者は電波の調査から、アンテナなどの受信機器の修理まで広くおこなっています。
NHKなどの公共・行政機関では調査はおこなっても、個人宅のアンテナの修繕・販売はおこなわないことがほとんどです。
そのため自宅のテレビだけに問題がおきているのなら、アンテナ修理業者がおすすめです。
アンテナ修理業者に心当たりがない方は、アンテナ110番にご連絡ください。
アンテナ110番はアンテナ修理業者を探すサービスです。
日時、場所などのご希望を伝えていただくだけで、あなたにピッタリのアンテナ修理業者をご提案いたします。
24時間、全国どこにでも対応しているので、お気軽にお電話ください。
広範囲の電波障害は行政・公共機関に相談
地域一帯に電波障害がでている場合は、行政・公共機関に相談します。
どこに連絡すべきか?厳密な決まりはありませんが、大まかに以下を参考にしましょう。
- 民放・NHKが視聴できない→行政機関、総務省
- NHKが視聴できない→NHK
お住まいの地域の行政機関
市役所などお住まいの地域の行政機関に連絡しましょう。
市区町村によっては、電波障害に関する条例があります。
例えば東京都千代田区では「高さ45メートルを超える建築物を建てるときは、建築前に電波障害の予測範囲の特定をおこなう条例」があります。
そのためお住まいの役場や自治会などに、電波障害の現状を相談してみましょう。
参考:千代田区テレビ電波障害対策
総務省
総務省は電波の管理をおこなう省庁です。
アマチュア無線の免許手続きから不法無線の取り締まりまで、広く管轄しています。
電波障害事例の収集や分析も対象なので、原因がわからない場合は相談してみましょう。
総務省の電波相談の窓口は、都道府県ごとに管轄が異なります。
お住まいの地域、問題が起きた地域を管轄する窓口に連絡しましょう。
NHK
公共放送のNHKでは、NHK受信に関する相談を受け付けています。
全国一律で下記の番号にかければ、相談に乗ってもらえます。
電話番号 | 0570-003434 |
受付時間 | 9:00~18:00 (土日祝、年末年始を除く) |
参考:NHKテレビの映りが悪い場合などの技術相談窓口を知りたい
集合住宅は管理会社に相談
アパートなどの集合住宅は、共同アンテナを使ってテレビを視聴しています。
そのため1部屋だけでなく、多くの部屋で視聴できない電波障害は共同アンテナを調べます。
共同アンテナの調査は、アパートの住人ではなく管理会社の許可が必要なので集合住宅にお住まいの方は、管理会社に相談しましょう。
一般社団法人700MHz利用推進協会
700MHz電波障害は「一般社団法人 700MHz利用推進協会」が対応しており、該当地域はチラシが配られています。
700MHz利用推進協会に連絡すれば、無料で対応してくれるので確認してみましょう。
一般社団法人 700MHz利用推進協会は以下の携帯電話会社4社からなる「テレビと携帯電話の混信を防ぐ目的」で活動している団体です。
- docomo®
- KDDI®
- 沖縄セルラー®
- Soft Bank®
700MHz電波障害が疑われる地域では団体がチラシを配っています。
チラシの電話番号に連絡すると、ブースターのフィルターの取り付けやブースターの交換を無料でおこなってくれます。
700MHz電波障害が疑われる地域では団体からのチラシや市区町村からのお知らせがあるはずなので、一度確認してみましょう。
電波障害が起きても各所に相談すれば、たいていは解決します。
しかしどうしても解決できないケースもあります……。
その場合の対応を、次の章でご紹介します。
電波障害が直らない場合の対策
電波障害がどうしても解消できないときは、共同アンテナかケーブルテレビを利用します。
また電波障害が予想されるビル建設などは、建設前に電波障害が予想される範囲を調査し、住民の方に共同アンテナかケーブルテレビか?の提案がなされるようです。
共同アンテナとケーブルテレビの違いを簡単に解説します。
共同アンテナで受信する
通常アンテナは各家庭にひとつずつ設置しますが、共同アンテナは大きなアンテナを複数の家庭で使用します。
例えばビルが原因で電波障害が起きたとします。
この場合ビルの屋上など電波が届く場所にアンテナを設置、受けた電波をケーブルを使って各家庭に分配するという具合です。
電波障害の対策費用は、原則電波障害をおこした人が支払います。
そのため共同アンテナの設置費用は電波障害をおこした人、例の場合はビルの持ち主が支払います。
ケーブルテレビで視聴する
ケーブルテレビは、地元のケーブルテレビ局から専用ケーブルを引いてテレビを見る方法です。
ケーブルテレビを引くと地デジの他、追加料金を支払えばBSやCSが視聴できます。
共同アンテナとの違いは、月額使用料がかかる点です。
ケーブルテレビの導入費用は電波障害をおこした人が支払い、月額料金は利用者が支払うことが多いようです。
ただし電波障害の対策費用は当人同士の話し合いによるので、導入費用・月額料金については話し合いの結果によります。
電波障害にともない共同アンテナ、ケーブルテレビの導入をおこなう際には、電波障害をおこした会社や市区町村から説明会や書面の配布などがあるはずです。
説明会などで気になるポイントはしっかり確認しておきましょう。
電波障害でよくある質問
この記事の補足と、紹介しきれなかったよくある疑問をご紹介します。
電波障害の対策費用は誰が支払いますか?
電波障害の対策費用は原則、電波障害をおこした人が支払います。
例を出すと以下のとおりです。
- 市区町村が設置した街灯が原因→市区町村が電球を交換する
- 新しくできるビルにより電波障害が予想される→ビルの持ち主が共同アンテナの設置を提案する
- アマチュア無線の電波が漏れていた→無線家が電波がもれないよう対策をおこなう
電波障害を直接規制する法律はありません。
そのため原則当人同士の話し合いになりますが、電波障害をおこした人が支払うことが多いようです。
ゴースト、ビート、砂嵐とはなんですか?
ゴースト、ビート、砂嵐は電波障害が起きたときに画面に現れる、ノイズの種類のことです。
ただし3つとも2012年以前のアナログテレビ時代に起きたことであり、現在電波障害で発生するのはまれです。
ゴースト
映像が2重に見える現象。ブロックノイズと違い映像は固まらない。
ビート
縞模様のノイズが走る現象。ブロックノイズと違い映像は固まらない。
砂嵐
白いノイズが点々と画面上に現れる現象。ひどくなると画面全体が白いノイズに覆われ「ザー」という雑音とともに、視聴ができなくなる。
まとめ
電波障害は広範囲に出て、対策を取らないと解決しません。
また電波障害を起こしている当人でも電波障害に気がついていない場合もあるので、気になることがあれば早めに報告しましょう。
自宅だけやテレビ1台だけに問題がある場合は、電波障害の可能性は低いでしょう。
アンテナ工事業者や電気屋さんなどプロに電波の調査をしてもらいましょう。
アンテナ修理業者ならアンテナだけに問題があっても、調査と一緒に修理の相談もできるのでおすすめです。
もしもアンテナ修理業者に心当たりがない場合は、アンテナ110番にご連絡ください。
アンテナ110番はアンテナ修理業者を紹介するサービスです。あなたにぴったりのアンテナ工事業者をご紹介しますので、お気軽にご相談ください。