BS放送は衛星放送の一種です。衛星放送にはBSのほかにCSがあり、これらの放送を視聴するためには専用のアンテナが必要となります。衛星放送のほかに地デジ放送もありますが、地デジ放送用のアンテナでは衛星放送の電波を受信することができないからです。
この記事では、BS放送と、同じ衛星放送であるCS放送の仕組み、BS/CS放送を視聴するために必要な準備についてお伝えしていきますので、参考になさってください。
BS/CS放送の仕組みとは
BS放送やCS放送は衛生放送といわれており、上空36,000kmにある人工衛星から各家庭に電波を送ることでテレビを視聴できるようにしています。
そんなBS放送とCS放送は、人工衛星から電波を届けるという点は同じですが、さまざまな違いがあります。そこで、BS放送とCS放送の違いを、以下にまとめました。
BS放送 | CS放送 | |
---|---|---|
衛星の種類 | 放送衛星 (東経110°の方角にある) |
通信衛星 (東経110°・124°、128°の方角にある) |
チャンネル | 地上波と似ている | 専門性の高いチャンネルが多い |
視聴料 | ・民法が放送するチャンネルは無料 ・NHK・WOWOW・スターチャンネルは有料 |
有料 |
BS放送は、東経110°の方角にある放送衛星を使用しています。一方、CS放送には通信衛星が利用されていて、東経110°のほか、124°、128°の方角にも位置しています。
放送衛星とは、一般家庭の視聴を目的とした放送のために打ち上げられた衛生です。その点、通信衛星は通信全般を目的とした衛生で、はじめは企業や事業者などの特定の人を対象としていました。ただし、1989年に放送法が変わり、通信衛星は一般家庭でも受信ができるようになりました。
また、BSを放送している会社は地上デジタル放送をおこなっている会社が多いため、チャンネルも地上デジタル放送に似ているのです。一方、CS放送はBSに比べてチャンネル数が多く、映画やスポーツ番組などの専門性の高いチャンネルが多い特徴があります。
さらに、BS放送はNHK・(※)WOWOW・スターチャンネルを除いて無料で、CS放送は基本的に有料となります。
WOWOWは、以下の3つのチャンネルがある衛星放送です。
WOWOWプライム:さまざまな種類の番組が放送(海外ドラマやスポーツ、映画など)
WOWOWライブ:音楽やスポーツなどの番組が放送
WOWOWシネマ:映画のみを放送
また、WOWOWはフルハイビジョンの画質となっていて、録画もすることが可能です。気になる方は、一度チェックしてみるとよいかもしれません。
地デジとの違い
この記事を読んでいる方の中には、「BSやCSって地デジとなにが違うの?」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。地上デジタル放送とBS/CSとの違いは、家庭まで電波を届ける方法です。
BS/CS放送では、人工衛星を使って電波を各家庭まで届けているのに対し、地上デジタル放送では放送局から送った電波を、地上にある中継所を介して各家庭まで届けているのです。
また、地上デジタル放送はBS/CS放送とは異なり、NHKを除けば完全に無料で視聴することができます。ただし、BS/CS放送に比べて受信障害の影響を受けやすいため、受信環境によってはうまくテレビが映らなくなることもあります。
テレビでBS/CS放送を視聴するために必要な準備
ここからは、BS/CS放送を視聴したいという方のために、必要な準備について見ていきましょう。
なお、集合住宅でBS/CS放送を視聴したい方は、まずは大家さんや管理会社に相談してみましょう。後ほど詳しくご説明しますが、BS/CS放送の視聴には、専用のアンテナを取り付ける必要があります。
集合住宅の場合は、すでに共同で使うことができるBS/CSアンテナが設置されているケースがあるため、自分で取り付けをおこなわなくてもよい可能性があるのです。また、アンテナの取り付けは壁に穴を開けるケースがあるため、アンテナの取り付けを禁止している物件もあります。トラブルを避けるためにも、事前に大家さんや管理会社に相談しておきましょう。
【1】BS・CSの契約
BS放送の有料放送(NHK・WOWOW・スターチャンネル)を視聴したい場合や、CS放送を視聴したい場合は、チャンネルの会社と契約することで視聴することが可能です。その場合、月々の費用がかかることになります。
一方、BSの無料放送を視聴する分には各会社との契約は不要で、次からご説明するアンテナやケーブルの準備、B-CASカードの挿入といった準備だけで済むようです。
ちなみに、BSやCSを契約した場合、解約はホームページや電話でおこなうことができるようです。詳しい解約の手順はホームページに詳しく記載されているので、解約したくなったときのためにも、あらかじめ解約方法についてもチェックしておくとよいでしょう。
【2】アンテナの設置
BS/CS放送を視聴するためには、”パラボラアンテナ”の取り付けが必要です。パラボラアンテナとは、白いお皿の形をしたアンテナで、人工衛星から届けられた電波を受信する役割があります。そんなパラボラアンテナは、視聴したいチャンネルによっていくつかの種類に分けられています。ここでは、代表的なものをご紹介します。
- BS/CS110°アンテナ(BS・CSのスカパーを視聴したい場合)
- CSアンテナ(スカパープレミアムを視聴したい場合)
BS/CS110°アンテナがあれば、BS放送とスカパーの両方を視聴することが可能です。CS放送には、”スカパー”と”スカパープレミアム”の2つのサービスがあります。先ほど、BSの衛星は東経110°の方角に、CSの衛星は東経110°・124°・128°の方角にあるとお伝えしました。
通常のスカパーはBSと同じ東経110°の方向に衛星があるため、ひとつのアンテナでBS放送とスカパーを視聴することができるのです。一方、スカパープレミアムは東経124°・128°の位置にあるため、その電波を受信するCSアンテナを用意しなければなりません。
なお、これらのアンテナの設置は高所での作業となるため、落下するリスクがあり大変危険です。そのため、アンテナの設置は業者に依頼しましょう。
また、BS/CSアンテナを取り付ける場合、混合器を使うこともあります。混合器とは、電波を1つにまとめるための機器です。
地デジ放送とBS/CS放送を視聴する場合、混合器がないとそれぞれのアンテナからケーブルを使って室内まで電波を送るため、配線がごちゃごちゃしてしまうことがあります。混合器を使えばケーブルを1本にすることができるので、配線をすっきりさせることが可能なのです。
もし、「混合器が必要なのかわからない」「混合器を設置したい」という方も、業者に相談してみるとよいでしょう。
室内にアンテナは設置できる?
BS/CSの放送に使われるパラボラアンテナは、屋外に設置されることがほとんどです。しかしながら、「景観を壊してしまうのを避けたい」などの理由から、室内に設置したいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
結論から申し上げますと、パラボラアンテナを室内に設置することは可能です。ここでは、パラボラアンテナを室内に設置するメリット・デメリットについてお伝えしていくので、設置場所を決めるのにお役立てください。
メリット | ・大きな工事を必要としないため、素人でも無理なく取り付けられる ・その分費用も材料費のみに抑えられるので、費用を節約できる ・天候の影響に左右されない ・故障しても安価に買い替えられる |
デメリット | ・室内のスペースを取る ・置く環境によって受信感度が悪くなる場合がある |
また、室内アンテナは、自力でも取り付けることができる可能性があります。そこで、室内アンテナの取り付け方についてもご紹介します。
- 天井から床に突っ張り棒を立てる
- アンテナを組み立てる
- 取り付け金具を突っ張り棒に取り付ける
- アンテナ本体を突っ張り棒に取り付ける
- 衛星のある方向にアンテナの角度を調整する
- テレビのBS・110°CS用の端子とアンテナ本体をケーブルでつなげる
- テレビ画面にアンテナレベルを表示
- アンテナレベルを確認しながらアンテナの角度を微調整する
なお、アンテナの角度は、BS/CS110°アンテナを設置する場合は南西に、CSアンテナの場合は南南西に向けましょう。南西とは午後2時ごろに太陽が見える方向、南南西とは午後1時ごろに太陽が見える方向です。
また、アンテナレベルの表示のさせ方がわからない場合には、テレビの取扱説明書を確認して表示させましょう。
【3】ケーブルの接続
BS/CS放送を視聴するためには、アンテナケーブルの接続が必要です。アンテナケーブルとは、アンテナとテレビをつないで視聴可能にしているケーブルです。アンテナケーブルにはさまざまな種類があるため、適したものを購入しましょう。また、BS/CS放送を視聴するためには専用のチューナーも必要です。
ただし、現在のテレビは、基本的にはチューナーがテレビに内蔵されているため、新しくチューナーのみを用意する必要はないでしょう。もし、チューナーが入っているかわからない方は、テレビのリモコンを確認してBSやCSのボタンがあるかどうかを確認してみてください。ボタンがあれば、BSやCSのチューナーがテレビに内蔵されています。
アンテナケーブル(必要に応じてチューナーも)が用意できたら、壁にあるアンテナ端子にケーブルを差し込みます。アンテナ端子には地上デジタル放送用とBS・110度CSデジタル放送用があるので、BS・110度CSデジタル放送用につなげてください。さらに、ケーブルをテレビに(テレビにチューナーが内蔵されていない場合はチューナーにも)つなげれば接続完了です。
なお、このほか必要に応じて分波器の接続が必要になることがあります。分波器とは、複数の電波を種類ごとに分けるための機器です。先述のとおり、BS/CS放送と地デジ放送を見る場合、混合器という機器を使ってそれぞれの電波をまとめて送ることがあります。
しかし電波が混ざった状態でテレビまで送ると、テレビが処理できずにうまく映らないおそれがあります。そこで、分波器で電波を地デジとBS/CSに分けてテレビに送るのです。
【4】B-CASカードの挿入
B-CASカードとは地上デジタル放送やBS、CSを見るために必要なカードで、テレビを購入するときに梱包されています。
B-CASカードは、視聴するチャンネルによって以下のような種類があります。
赤いカード:地デジ・BS・CS共用
青いカード:地デジ専用
BS/CS放送を視聴するためには赤いB-CASカードが必要なので、テレビに挿入しましょう。なお、カードの挿入場所は機種によって異なりますが、テレビの上部や側面であることが多いようです。
4K放送を視聴したい場合に必要な準備
この記事を読んでいる方の中には、「4K放送を視聴したい」という方もいらっしゃるかもしれません。4K放送を簡単にお伝えすると、より鮮明な映像を楽しむことができる放送のことで、BS放送やCS放送で導入されています。
この4K放送を視聴するためには、以下の1、2、3のいずれかが必要です。
- 4Kテレビ・アンテナ・周辺機器
- 4K対応テレビ・4K放送対応チューナー・アンテナ・周辺機器
- 4K対応テレビ・4K放送チューナー内蔵レコーダー・アンテナ・周辺機器
4Kテレビと4K対応テレビの違いは、4K放送に対応したチューナーが内蔵されているかどうかです。4Kテレビはチューナーが内蔵されていますが、4K対応テレビはチューナーが内蔵されていないため別でチューナーや内臓レコーダーを用意する必要があるのです。
また、このほかにも、BS/CS用のアンテナと、アンテナケーブルや分波器などの周辺機器を用意しなければなりません。
なお、4K放送には右旋と左旋(※)のチャンネルがあります。このうち、右旋のみを視聴したい場合は4K非対応のBS/CS用アンテナ・周辺機器でも問題ありませんが、左旋も視聴したい場合は4K対応のものを選ぶ必要があります。アンテナや周辺機器を購入する際は、よく確認しておきましょう。
4K放送の電波は、電波の回転方向によって右回りに回転する右旋と、左回りに回転する左旋に分かれています。従来のBS/CS放送では右旋のみが使用されていましたが、4K放送では左旋の電波も使用されるようになりました。
この右旋と左旋では、視聴できるチャンネルが異なります。右旋が民放・NHKが提供している番組を視聴できるのに対し、左旋では映画やスポーツなどのより専門的なチャンネルが視聴できます。
ここまで、BS/CS放送を見るための準備についてお伝えしてきましたが、これらの準備を自力ですべておこなうのは大変かもしれません。
とくに、アンテナの設置は自力では難しいため、業者に依頼するのがベストです。弊社では、アンテナの設置業者をご紹介します。24時間年中無休でお電話に対応しているため、ご都合のよい時間帯にいつでもお電話いただけます。
また、弊社ではお見積りのみなら無料で対応する業者をご紹介することも可能です。「まずは費用を知りたい」という方でも、お気軽にご相談ください。
アンテナ以外でBS/CSを視聴する方法も!
じつは、アンテナを設置しなくてもBS/CSを視聴できる方法があります。ここではそれらの方法について詳しく見ていきましょう。
光回線
光回線とは、インターネット回線の一種です。光回線では、アンテナの代わりに光ファイバーと呼ばれるケーブルを使い、住宅まで電波を届けるのです。光回線では、アンテナが不要なため外部の影響によって電波障害が起きることはありません。また、初期費用を抑えることができます。さらに、光回線では、通信速度がとても速いのも魅力のひとつでしょう。
ただ、光回線ではサービスを提供する会社との契約が必要で、月々の費用が発生します。さらに契約途中で解約する場合、違約金が発生することもあるようです。また、光回線のテレビサービスに対応していない地域もあります。
光回線を検討している方は、お住まいの地域が光回線でテレビを視聴できるかどうかを確認しておきましょう。
ケーブルテレビ
ケーブルテレビとは、放送局から送られる電波をケーブルテレビ局が受信し、それをケーブルによって各家庭に届けるというサービスです。
ケーブルテレビもアンテナの設置が不要なので、外部に影響されることはなく、初期費用も抑えることができます。また、ケーブルテレビでは地方局の番組も放送していて、お住まいの地域に関係なく視聴することができます。そのため、「前に住んでいた場所の番組を見たい」という場合に向いているでしょう。
ただ、ケーブルテレビでは光回線と同様に月々の料金を支払う必要があり、違約金が発生することがあります。
ここまで、光回線やケーブルテレビでテレビを視聴する方法についてご紹介してきました。それぞれの特徴をしっかりと理解し、自分に合った方法を選びましょう。
BS・CSが視聴できない……そのわけとは?
ここからは、「BSやCSが視聴できない……」という方向けに、BSやCSが視聴できないときに考えられる原因についてご紹介します。これからBS/CS放送を見るための準備をするという方も、いざというときのためにあわせて確認しておくとよいでしょう。
【1】カードやケーブルがしっかり挿入されていない
先ほどご紹介したように、赤いB-CASカードが差し込まれてないと、BSやCS放送を見ることができません。テレビの上部や側面にあるカードの挿入口を確認し、赤いB-CASカードが差し込まれているかどうかを確認してみましょう。
また、差し込む方向が間違っていても見ることができません。差し込む方向がカードに書かれている矢印の方向に差し込まれているかも確認して、間違っている場合は正しい方向に差し込みましょう。
また、BSが見られない場合は、アンテナケーブルがテレビや周辺機器などにしっかりと差し込まれていないこともあります。カードと合わせてケーブルがしっかり差し込まれているかも確認しておきましょう。
【2】アンテナが故障している
先述のとおり、BS放送を見るためには”パラボラアンテナ”が必要です。このパラボラアンテナが経年劣化などで故障すると、人工衛星からの電波を受信する手段がなくなるので、BS放送を見ることができないのです。
もしパラボラアンテナが故障しているなら、修理してBS放送を視聴できる環境を整えましょう。なお、パラボラアンテナの修理は高所での作業となるため、落下する危険があり自分でおこなうのは危険です。そのため、作業に慣れている業者に依頼するようにしましょう。
また、もし、自分で故障しているかどうかを判断できない場合も、アンテナ工事の業者に相談して見てもらうとよいでしょう。
エラー番号「E202」「E203」の意味
テレビにE202の番号が出ているときは、テレビに電波が届いていない状態のため、BS放送を視聴することができません。この場合は、設備や配線に問題があることが考えられます。
まずは、テレビ裏にあるBS端子にケーブルがしっかりと差し込まれているか、ケーブルが傷んでいないかを確認しましょう。配線が緩んでいる場合は、ケーブルを差し込み直せば解消することができ、ケーブルが傷んでいる場合には新しいものと交換すれば解消できます。
もし配線に問題がない場合は、アンテナを確認してみてください。アンテナの目の前に建物や庭木、洗濯物などの障害物があると電波を受信できないことがあります。
障害物が動かせる場合は移動させれば解消できますが、動かせない場合はアンテナの設置場所を変える必要があります。また、強風などでアンテナの向きが変わってしまったときには、適切な位置に直さなくてはなりません。
ほかにも、E202のエラー番号が出ているときにはアンテナ自体が故障している可能性もあります。アンテナの設置場所や向きを変えたり修理したりするのは素人には難しいため、業者に相談して直してもらいましょう。
E203の番号が表示されているときは、チャンネルが放送を休止している状態です。ただし、電波が弱い場合にも表示されることがあるため、設備や配線の確認が必要です。E202と同じように、設備や配線の確認をしてみてください。
アンテナの設置や修理はプロにおまかせ!
アンテナが取り付けられていなかったり故障していたりする場合には、自分での対処は難しいです。アンテナを取り付けるためには、アンテナ工事の際にアンテナの角度を細かく調整する必要がありますが、それには技術が必要となるのです。アンテナの不具合は、業者に依頼して直してもらうとよいでしょう。
弊社では、アンテナの修理をおこなう業者をご紹介することが可能です。24時間365日受付対応しているので、「テレビをすぐに見れるようにしたい」という場合も、すぐにご相談していただくことが可能です。アンテナの取り付けはもちろん、修理をご希望の方もぜひ弊社までご相談ください。
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