蜂の生態は独特で、知れば知るほど面白く思えてきます。蜂の寿命も、ほかの昆虫や動物とは大きく違った特徴があり、興味深い話題のひとつです。寿命は、蜂の繁殖の仕組みと密接な関わりがあります。
蜂のことを理解すれば、蜂の駆除や巣の予防にも役立てることができます。ここでは蜂の寿命をはじめ、蜂の一生のサイクルも紹介しています。また、蜂駆除に関する情報や、危険になる時期についても解説していますので、蜂に興味がある方や、駆除・対策がしたいと考えている方は、ぜひ読んでみてください。
目次
蜂の寿命は種類によって大きく異なる!
蜂の寿命は蜂の種類によって違います。また「働き蜂」や「女王蜂」というように、種のなかでの属性によっても、寿命の長さが大きく違います。ここからは、それぞれ細かく寿命を見ていきましょう。
いちばん長生きはミツバチ
身近な蜂にはみっつの代表的な種類がいます。ミツバチ・アシナガバチ・スズメバチの3種類です。それぞれの種には分業している異なったタイプの蜂がいます。女王蜂(産卵するメス)・働き蜂(産卵しないメス)・雄蜂(オス)の3タイプに分かれているのです。それぞれの寿命とライフサイクルを見てみましょう。
■ミツバチ
ミツバチは、働き蜂が女王蜂といっしょに巣の中で冬を越すタイプの蜂です。そのため、ミツバチの働き蜂はほかの種類よりも寿命が長めです。ミツバチの寿命は以下のようになっています。
- 女王蜂:2年~3年
- 働き蜂:1カ月から6ヶ月
- 雄蜂:最長で60日程度
■アシナガバチ
アシナガバチは1年ごとに繁栄と衰退を繰り返す種類の蜂です。夏には巣を作り、多くの働き蜂がいる群れを形成しますが、冬になると女王蜂1匹以外は寿命でいなくなります。そのため、女王蜂の寿命だけが長いです。
- 女王蜂:1年ほど
- 働き蜂:1カ月前後
- 雄蜂:4カ月ほど
■スズメバチ
スズメバチもアシナガバチと同様に、冬は女王蜂以外が息絶えてしまいます。女王蜂のみが1匹で冬眠して、次のあたたかい時期まで耐え抜いて命をつなぎます。
- 女王蜂:1年から3年ほど
- 働き蜂:2カ月から3カ月
- 雄蜂:2カ月ほど
どうして女王蜂だけ寿命が長いの?
ここまで読んでいただいたら、なぜ女王蜂だけが長生きなのか、疑問に思うことでしょう。ひとつの種なのに、なぜこんなにも寿命の長さが違う蜂がいるのでしょうか。それには、蜂独特の繁殖方法に理由があります。ここからは女王蜂が長生きする理由と、ほかの蜂とは違うミツバチの寿命について解説します。
女王蜂が長寿なのは「子孫を残すため」
蜂は、巣の中に1匹だけ存在する女王蜂のみが、卵を産んで子孫を残すことができます。巣にいる蜂の大部分を占める働き蜂はメスですが、卵は産めません。女王蜂は夏から秋にかけて、新しい女王蜂の卵を産み、孵化(ふか)させて、新女王が次の代の巣を作ることができる状態まで育て上げます。
この孵化から産卵、そして子育てまでのサイクルは、1年間の周期でおこなわれます。初期の巣の造営も、働き蜂を産むことも、女王蜂にしかできないことなので、少なくとも女王蜂だけには冬を越す能力と、長い寿命が必要なのです。
ミツバチは働き蜂も長生き
ミツバチの働き蜂は、ほかの種が数カ月で寿命を迎えるのと比べると、6カ月ほど生きるので長生きです。ミツバチの働き蜂は、冬になっても死んでしまうことはなく、冬の寒さを越すために巣の中で女王蜂に寄りそって、30度ほどの熱を作り温めあいます。
体の小さい蜂なりに工夫をして冬を乗り越えているのです。ここまでは、蜂の寿命について解説してきました。それではここからは、より私たちの生活に近い視点からの話として、蜂の一生の中でもっとも凶暴になる時期はいつなのかについて説明していきます。
蜂は一生の中でもとくに危険な時期がある
蜂の凶暴さは季節によって変化します。また、凶暴な時期は子育てをしている期間とも重なっています。つまり、凶暴になるのは子孫を残すための反応なのです。ここからは、蜂への対策の意味も込めて、それぞれの種類が凶暴になる時期を確認します。
アシナガバチとスズメバチは夏に警戒
アシナガバチとスズメバチは、両方とも春に巣を作り、夏に子孫を残します。そして、冬には冬眠するというサイクルをたどります。この一生の中で、繁殖行動がさかんなのが夏の間です。そのため、2種が危険性を増す時期は、以下のとおりになります。
- スズメバチ:7月から10月
- アシナガバチ:8月から9月
この時期は、とくに危険になる期間として挙げられますが、2種は普段から危ない蜂です。この時期でなくても危険性は高いので、近寄らないのが無難だといえます。とくに気をつけるとしたら、この時期がもっとも危ないという認識でいてください。
ミツバチは冬でも要注意
ミツバチは群れで冬を越すので、冬であっても巣には注意が必要です。ほかの蜂は巣が空っぽになるので、冬に巣に近づいて壊してしまっても問題はありません。しかし、ミツバチの場合は冬であっても、巣に大勢の蜂が生息しています。そのため、ミツバチの巣に対しては、冬でもほかの季節同様に近づいたりはしないようにし、駆除のときには万全の態勢で臨みましょう。
刺されないように対策を
蜂が危険性を増す時期はとくにそうですが、そうでないときでも刺されないようにするために対策をしておきましょう。手軽にできるのが、蜂の気性を刺激しない白っぽい服装に変えることです。また、蜂は甘い匂いに近づいてくる習性があるので、香水や整髪料・柔軟剤などのにおいにも気をつけましょう。
危険な時期についてはおわかりいただけたと思いますが、もし駆除をするとしたら、安全な時期にやりたいものです。続いて、寿命を待って自然にいなくなるのを待つ作戦は有効かどうかについて、詳しくご紹介していきます。
蜂の巣駆除は蜂の寿命を待ってもいい?
蜂の姿をよく見るようになったら、近くに蜂の巣があるかもしれません。巣ができたら、できるだけ関わらずにいたいというのが本音の方もいらっしゃるでしょう。
しかし、巣を放置して悠長にしていると、危険が拡大していくおそれがあります。ここからは、蜂の寿命を待っていなくなるまで放置することができるのかどうかや、駆除におすすめの方法などを紹介します。
寿命を待つことはできるが、危険
蜂の寿命を待つことはできます。スズメバチとアシナガバチは、冬にはほとんどの働き蜂が寿命に達し、いなくなります。しかし、そうなるまで放置しておくというのは、あまりに危険です。
放置する巣ができてから巣から蜂がいなくなるまでは、5月ごろから11月ごろまでの約半年間がかかります。これだけの長い間を、蜂が近くにいる状態で生活することはとても危険です。見つけたら、駆除をするようにしてください。
早めに駆除をするのがいちばん
蜂の駆除は、巣ができ始めの時期が最適です。巣で働き蜂が増えると、そのぶん駆除が困難になります。でき始めの巣は4月~5月ごろに見られることが多いですが、それ以降であっても駆除は早いうちが望ましいです。
駆除するときは自分でしようとせず、業者の力を頼りましょう。蜂の駆除でもっとも怖いのが、蜂に刺されることによって重篤な症状がでてしまうことです。業者に頼めばその心配はありません。弊社の無料相談窓口ではご希望の条件に合った業者をご紹介できますので、ぜひ一度お電話ください。
まとめ
蜂の寿命は、同じ種の仲間うちでも長さが違います。それは蜂の群れが、女王蜂を中心として子孫を残すために存在しているからです。このように蜂は独特な生態をもった昆虫です。
蜂の巣にいる蜂にも寿命があるので、いずれは巣から自然に蜂がいなくなります。ただ、駆除したいときは巣が終わるのを待つのではなく、すぐに対処した方が安全です。そのような場合は安全に作業を終えられる、駆除業者を頼ってみてください。