冬になると、蜂の巣の周りを飛び回っていた蜂を見なくなります。それは、冬場に蜂が冬眠したり、いなくなったりするからです。蜂が巣からいなくなっている場合は、巣を駆除するチャンスとなります。
「いなくなるなら放置しても問題ないんじゃ?」と思う方もいるかもしれません。しかし、いろいろな弊害が出ることもあるので、なるべく駆除をおこないましょう。
ここでは、種類ごとに蜂の巣が冬どうなるのかと、空になった蜂の巣を駆除する方法について解説していきます。参考にしていただき、安全かつ効率的に駆除をおこないましょう。ただし、少しでも危険を感じるようでしたら、巣の駆除はムリに自分でおこなわず、業者に任せるのもひとつの手です。
蜂が巣からいなくなることも!種類別の冬の過ごし方
蜂は冬になると、巣からいなくなることもあります。しかし、いなくなるかどうかは蜂の種類によって変わってくるのです。そこで、蜂の巣のなかが冬にどうなるのか、代表的な3種類について見ていきましょう。
スズメバチ・アシナガバチの冬
スズメバチやアシナガバチの活動が活発になるのは、7月から10月頃にかけてです。繁殖活動をするこの時期が、1年のなかでも1番活発です。同時に刺激にも敏感になり、とても攻撃的です。そして、この時期を過ぎると、スズメバチやアシナガバチは姿を消します。
しかし、すべての蜂が死んでしまうわけではありません。スズメバチやアシナガバチの場合は、女王蜂だけ生き残るのです。女王蜂は本格的な冬が来る前に巣から脱出して、近くの木々や近くの地面などにもぐりこみ、冬眠して越冬します。
このように、冬の間は巣のなかから蜂がいなくなるため、蜂の巣を駆除しやすいでしょう。しかし、冬眠から覚めた女王蜂がまた同じ場所に巣を作る可能性もあります。女王蜂は冬眠後にしっかりと栄養をとって体力を回復させ、その後に営巣するための場所を探し回ります。
ちょうどいい場所を見つけたら、そこに巣を作る準備をはじめます。ただし、営巣をおこなうのは女王蜂1匹だけ。ほかの働き蜂がいないため、コツコツと材料を運んで巣を作っていくのです。
詳しくはスズメバチの女王蜂の解説記事とアシナガバチの女王蜂の解説記事をご覧ください。
ミツバチの冬
ミツバチは蜂のなかでも特殊な種類で、仲間とともに越冬することができます。そのため、冬でも巣のなかにはたくさんの蜂がいるのです。そこがスズメバチやアシナガバチとの大きな違いです。
11月頃になると、ミツバチはエサを蓄えるなどの準備を終え、越冬を開始します。そして3月になると活動を再開するのです。じつはこの時期は、ミツバチが攻撃的になる時期でもあります。
その理由は、冬はエサが巣に蓄えたもののみとなるので、生命維持の意識が高くなるからと言われています。なので、ミツバチは冬に巣を刺激するのは避けてください。もし、すぐに駆除をおこないたいのであれば、業者に駆除を任せるとよいでしょう。
弊社では、ミツバチの巣の駆除も承っている業者の紹介をしております。ミツバチの巣の駆除でお困りなら、お気軽にご相談ください。
冬に蜂がいなくなった巣は駆除しよう
冬に巣から蜂がいなくなるのであれば、駆除をしなくてもよいと思うかもしれません。しかし、そのままにしておくと以下のようなことが起きるおそれがあります。
・害鳥の住処になってしまうことがある
基本的に同じ蜂は古い巣を使うことがないのですが、このような可能性が出てきてしまうのです。なので、駆除をおこなうようにしましょう。
巣のなかが空になっているのであれば、駆除すること自体は簡単なのです。しかし、時期や状況によってはまだ蜂が残っていることもあります。12月はハチが生き残っている可能性もありますので、1月か2月ごろまで待ちましょう。駆除の際は、安全には十分に注意してください。
駆除方法
蜂がいなくなっているため、巣の駆除のリスクはほかの時期より下がります。しかし、状況によっては蜂が残っており、危険を伴うこともあるので、安全に重点を置き駆除をおこなうようにしましょう。
そのため、巣に蜂がいるときと同じように、以下のような準備・手順でおこないます。また、駆除は自己責任でおこなうようにしてください。
・皮の手袋か軍手(軍手の場合は2枚重ねに)
・殺虫スプレー
・ゴミ袋
・巣に届く長さの棒
※防護服の準備が難しいのであれば、厚手の服と帽子、長靴、ゴーグルなどを着てください。また、蜂が服のすき間から入らないように、ガムテープでふさいでください。
2.棒でつついて巣を落とす。
3.蜂の巣を重ねたゴミ袋の中に入れ、再度殺虫スプレーを噴射する。
ゴミ袋に入れた蜂の巣は、燃えるゴミとして出します。自治体によって変わることもあるかもしれないので、念のため事前に確認しておくとよいでしょう。
また、蜂の死骸がある場合は、直接触らないようにしてください。蜂は死んでいても反射的に刺すことがあるからです。
詳しくはスズメバチを自力で駆除する方法をまとめた記事をご覧ください。
巣を駆除しても、生き残った女王蜂は新しい営巣場所を探し求めて飛びまわるため、標的になりそうなポイントは注意して予防しておくことが必要です。詳しい予防方法はこのあとにご紹介します。
蜂の巣が作られやすい条件を知って対策しよう
冬の期間に蜂の巣を駆除しても、それで終わりではありません。再度蜂の巣を作られてしまわないように、予防する必要があるからです。また、それ以外の場所に巣を作られてしまうことも考えられます。
そこで、蜂が巣を作りやすい場所を知っておき、すべての場所に対策をしておくようにしましょう。スズメバチやアシナガバチが巣を作る場所としては、以下のようなところが挙げられます。
・天井裏
・床下
・ベランダ
・エアコンの室外機
・戸袋
なお、なかには地面の下に巣を作るオオスズメバチのような種類もいます。
先ほどもお伝えしたとおり、最初に巣を作るのは女王蜂1匹です。つまり、「安全に営巣できる」ということが重要なのです。条件としては、雨風をしのげる場所、外敵に見つかりにくい狭い場所、そして巣の周辺でエサを確保しやすい場所が好まれます。
スズメバチは膨大な数の働き蜂が集まり、群れで活動をおこなうので、繁殖や育児のためにエサも大量に確保する必要があります。そのため、スズメバチはエサが豊富にある山や森のなかなどに巣を作るのです。また、都心部よりも山間部の小さな町や村などの民家にスズメバチの巣を作られてしまうことが多くなります。
しかし、最近では都市部でもスズメバチの巣を作られてしまうことが増えているようです。とくにスズメバチのなかでもキイロスズメバチやコガタスズメバチといった種類は、条件にさえ合えば、都市部の民家やお店などの人が活動する場所にも巣を作ります。また、アシナガバチは都市部で見かけることの多い蜂になります。
そのようなことから、都市部でも蜂の巣の予防対策はしっかりしておかなければいけません。蜂に巣を作られないように、上記のような場所にはとくに気をつけましょう。
スズメバチの生態の詳細はこちらをご覧ください。
蜂の巣の予防対策
蜂が巣を作る際に好みそうな場所が家にあれば、予防対策をしておきましょう。予防対策は、そのような場所に蜂の嫌がる成分の入った市販の薬剤や、木酢液を吹きかけておこなうのが基本です。
家の軒先に蜂が嫌いな薬剤や木酢液を吹きかけておくと、そこには近寄らなくなります。また、屋根裏や床下にスズメバチが入り込まないように隙間を塞ぎ、薬剤か木酢液もかけておくとよいでしょう。ほかにも、戸袋を開け閉めして蜂が住み着きにくい場所にしておくことが重要です。
営巣場所としてのターゲットにならないためにも、事前に対策をしておけば、わざわざ駆除をおこなう手間も省くことができます。
蜂の活動時期までに対策をしよう
先ほどご紹介したように、女王蜂が冬を越え、十分に体力を回復させてから営巣をはじめます。具体的な時期は、気温が暖かく活動しやすくなる5月頃と言われています。この時期までに予防対策を終わらせるようにしましょう。
もし、巣を作られてしまった場合は、巣が大きくならないうちに駆除をおこなってください。巣は最初、女王蜂1匹で営巣するので、はじめは産卵や育児をするスペースを確保しただけの小さな巣でとなります。また、女王蜂は1匹で攻撃することは少ないため、この時期であれば巣を駆除するのも比較的簡単だからです。
駆除した後は、新しい営巣場所を探し求めて飛びまわるため、家のほかの場所で標的になりそうなポイントは注意しておき、予防しておくことが必要です。
生まれた幼虫が成長してからは、エサの確保や巣をより大きくするためにせっせと働きはじめます。それまで巣作りと産卵を同時におこなっていた女王蜂は、働き蜂が増えると産卵だけに集中するのです。すると働き蜂がどんどん増えて、ますます巣も大きくなっていきます。夏を過ぎた頃になると、新しい女王蜂も誕生しほかの働き蜂もピークを迎えるのです。
このタイミングになると駆除するのは非常に危険で、素人が手を出すことができなくなってしまいます。もしそうなってしまったら、駆除は業者の手を借りることをおすすめします。業者なら専門の知識を駆使して、スピーディーに的確な駆除をおこなってくれますし、再発予防もしてくれます。弊社では、お近くの実績ある優良業者をお探しするサポートを24時間365日受け付け対応しておりますので、いつでもお好きなタイミングでご相談ください。
まとめ
スズメバチとアシナガバチは冬の間、女王蜂以外が全滅してしまっています。巣のなかには女王蜂や幼虫などもいませんので、十分に注意した上で駆除することも可能です。しかし、巣の周りに少しでも蜂が飛んでいる場合は迂闊に手を出さないようにしましょう。心配な方は業者に連絡をして駆除してもらうこともおすすめです。
また、蜂のなかでもミツバチだけは巣のなかで身を寄せ合って越冬することができます。もし蜂の巣を発見したら刺激せずに、業者に駆除を任せるのがよいでしょう。
蜂の巣を冬に駆除しても、それだけで終わらないでください。再度巣を作られてしまわないように、予防対策も忘れないようにしましょう。