人間をも殺傷する蜂にも天敵がいて、自然界の荒波の中で生き残りをかけて生活しています。2015年に、日本国内で蜂の被害によって命を落とした人数は23人。蜂のような強い昆虫にも天敵がいるというのは驚きです。
このコラムでは、蜂の天敵となる動物や昆虫の種類を見ていきます。また蜂の天敵を、蜂対策に利用できる可能性や、蜂の駆除にはどんな方法がおすすめかということまで、お伝えしていきます。
目次
蜂同士も天敵だった!種類で異なる意外な天敵一覧
蜂は種類によって生態が大きく違うので、天敵となる相手もさまざまです。蜂同士がお互いを捕食しあっていることもあります。ただ、人間との関係を見ると、すべての蜂が共通して天敵としているのは人間だといえます。それぞれの蜂について、天敵を見ていきましょう。
蜂にとってのいちばんの天敵は人間
蜂にとって最大の天敵は人間です。人間は殺虫剤などを使って、蜂を駆除することに余念がありません。しかし、もしも人間が道具をなにも使わなかったら、人と蜂は互角どころか、人が負けてしまうことでしょう。そのため、「蜂にとって人間は天敵だ」というよりもむしろ、「人間にとって蜂は天敵だ」といったほうが自然かもしれません。
また、蜂は益虫だという考え方もあります。益虫とは自然界や人間の生活にプラスになる虫のことです。蜂は自然界で重要な役割を果たしているので、天敵として駆除してしまう前に、本当に駆除する必要があるかを考えるのがよい場合もあります。
蜂ごとに異なる天敵
蜂は種類によってサイズも性格も違います。それぞれが作る群れの大きさも違い、天敵となる相手も違うのです。スズメバチ、アシナガバチ、ミツバチのそれぞれの種にどんな天敵がいるのでしょうか。
■スズメバチの天敵
スズメバチの天敵は、クマや鳥などの動物や、ヘビ、ムカデ、クモ、オニヤンマなどです。クマは幼虫を食べるためにスズメバチの巣を襲います。巣を襲うときに蜂に刺されますが、厚い毛皮と皮下脂肪があるので平気でいられるようです。
オニヤンマは大型のトンボの1種です。肉食で、スズメバチだろうと捕まえて丸ごとかじって食べてしまいます。以外にも、スズメバチにとって危険な存在は多いということがお分かりいただけるでしょう。
■アシナガバチの天敵
アシナガバチはアリを天敵としています。アリはアシナガバチの巣をねらって、壁や木を登ってきます。また、スズメバチの1種のヒメスズメバチは、アシナガバチの巣を襲うことで有名です。そのほか、スズメバチが天敵としているクマやヘビなどの動物や、オニヤンマ、クモなどの昆虫は、アシナガバチにとっても危険な存在です。
■ミツバチの天敵
ミツバチの巣には、ウスグロツヅリガというガの幼虫が寄生することがあります。巣を荒らしてしまうので、ミツバチにとっては天敵といえます。また、ミツバチの巣は、スズメバチの襲撃を受けることがあります。
日本の在来種「ニホンミツバチ」は、スズメバチの攻撃をたびたび受けてきたため、スズメバチに対抗する手段を独自に身につけました。それが、「熱殺蜂球」(ねっさつほうきゅう)です。ここからはニホンミツバチだけができるスズメバチ撃退術について解説します。
ミツバチは天敵のオオスズメバチに反撃することがある!
身体の小さなミツバチにとって、スズメバチは自分たちを食べてしまう天敵です。巣にやってきたらなんとかして追い返す必要があります。日本在来のニホンミツバチは、そのような巣のピンチのとき、ある方法でスズメバチを蒸しあげてしまいます。
スズメバチを撃退する「熱殺蜂球」
「熱殺蜂球」(ねっさつほうきゅう)とは、ニホンミツバチがスズメバチを取り囲み、ひとつの塊(蜂球)になって熱を発生させることで、スズメバチを蒸してしまう技です。ミツバチたちは蜂球を作って羽根を震わせ、摩擦熱で48度程度の高温を作ります。これに包まれたスズメバチはしばらくすると息絶えてしまいます。
この技は、日本在来種のニホンミツバチでしか観察されない、独特の行動です。日本には、ヨーロッパから来た外来種の「セイヨウミツバチ」もいますが、セイヨウミツバチには熱殺蜂球ができません。日本に生息するオオスズメバチは世界最大の蜂ですが、このような極端な天敵がいる環境が、日本在来のミツバチを鍛え上げたのでしょう。
蜂の天敵は蜂駆除に利用できるの?
蜂が来てほしくないところに天敵をあえて住まわせて、蜂予防に活かそうということは、残念ながら不可能に近いです。ここでは天敵を利用することがなぜ難しいのか、そして駆除するにはどうするのが効果的で、おすすめなのかを説明します。
天敵を利用することは難しい
天敵を利用できない理由は、どの種も飼育することが難しいからです。蜂の天敵として挙げられる動物や昆虫は、どの種も野生動物です。野生動物は広い自然環境の中で生きるので、人間が飼ったり、どこかにとどまらせたりすることはできません。
蜂駆除は巣を取り壊すのが基本
蜂はすみかを特定して、直接巣を壊すことがもっとも効果的な対処法です。巣を壊して、再度巣が作られないように対策すれば、そのあと蜂がやってくることはありません。駆除は巣が拡大する前に、できるだけ早く済ませてしまいましょう。
巣の駆除は、蜂駆除ができる業者にまかせることがおすすめです。ここまででは蜂の天敵の種類と、天敵を利用した駆除ができるかについて解説してきましたが、ここからは駆除を業者に依頼した場合のことを解説していきます。
蜂駆除はプロにまかせるのが最善の選択
駆除を業者にまかせる前に、業者に依頼することにどんな利点があるのかを確認しましょう。業者に駆除をまかせるのがよいとしても、納得して利用したいことでしょう。ここからは、業者に依頼する理由と、相場を見ていきます。
蜂駆除は危険な作業
基本的に蜂駆除は危険な作業です。人間は蜂の天敵ですが、逆に、人間にとっても蜂は危険な天敵です。とくに「蜂毒」という、蜂が持つアレルギー性の物質が、刺されたときに体内に入ると、吐き気や呼吸困難などの症状に見舞われることがあります。この症状は重篤になる危険性もあるので、自分で駆除することは避けていただきたいです。
蜂駆除を業者にまかせるメリット
業者に依頼すると、安全で早く、そして手厚いサービスが受けられます。とくにアフターフォローが充実している業者であれば、巣が再発したときにも対応してくれることがあって安心です。業者に依頼するには費用がかかりますが、それだけの価値があることなのです。
【蜂駆除の相場】蜂の種類や巣の状況により変わる
相場を見てみましょう。業者や状況によって費用は変化します。費用はまず、どの種類の蜂の巣なのかによって変わります。
- スズメバチの費用相場:およそ27,000円
- アシナガバチの費用相場:およそ14,000円
- ミツバチの費用相場:およそ24,000円
また、巣の大きさや場所によっても費用は変わります。詳しい費用を知りたいときは、業者のホームページを確認するか、見積りを取りましょう。また、業者探しをするときは、弊社をご利用いただくと、自分に合った業者を簡単に見つけることができます。
弊社は、蜂に関するさまざまなお悩みをお持ちの方に対して、蜂駆除ができる業者をご紹介しております。弊社がご紹介する業者は、見積りまでを無料でお取りすることができます。電話相談窓口はフリーダイヤルを開設しておりますので、気軽にご利用ください。
まとめ
蜂も天敵と戦いながら生きています。意外にもあの体の大きなスズメバチが、トンボの仲間であるオニヤンマに食べられてしまうことがあるなど、いくら蜂でも無敵ではないということがお分かりいただけたと思います。蜂もやはり自然界の一部で、天敵がいるからこそ、攻撃性を得て、群れを作るようになったのでしょう。
ただ、わたしたちが蜂を駆除しようと思ったときに、蜂の天敵を味方にして頼ることはできません。駆除をするのであれば、直接巣を取り壊すことを考えましょう。巣を壊すときは、自分でするのは危険すぎるので、業者に依頼するようにしてください。