ミツバチの大型種である「オオミツバチ」は海外に多く生息しています。そのオオミツバチは17~20mmまで大きくなり、狙った敵を逃さない習性をもつ危険なミツバチです。日本にもミツバチは生息しています。
オオミツバチのような大型のミツバチではなく、10mm~20mm程度のニホンミツバチやセイヨウミツバチがほとんどです。ニホンミツバチやセイヨウミツバチも、オオミツバチのように危険な特性をもっているのでしょうか。
ここでは、さらにオオミツバチの特性について詳しくみていきます。そして、日本に生息するミツバチは危険なのか、駆除をしたほうがいいのかをみていきましょう。
目次
オオミツバチの基本情報|生態など
ミツバチ科のなかでも、大型に属する種類であるハチのことを、オオミツバチといいます。そんなオオミツバチは、ミツバチ科に属するほかの蜂とは少し異なった特性をもっています。では、どのような特性をもっているのでしょうか。ここでは、オオミツバチの特性についてご紹介します。
オオミツバチとは?
オオミツバチとは、東南アジア~南アジアにかけて生息しているハチです。ミツバチのなかでも大型に属するオオミツバチは、20mmほどまで体長が大きくなります。オオミツバチは、大木や崖の岩下などに巣を作ることが多いです。オオミツバチの巣を1つ見つけると、そこには3~4万匹のオオミツバチが暮らしています。
ミツバチと聞けば、養蜂してハチミツを採取することを思い浮かべる方も多いかとは思いますが、オオミツバチの場合は不向きなため控えましょう。なぜなら、オオミツバチは攻撃性が高い特性があるからです。敵と判断されてしまうと、目や耳、鼻などを襲ってくるため、刺されたらとても危険です。
さらに、ほかのミツバチより体長が大きいぶん、倍以上の毒をオオミツバチの体内に蓄えています。そのため、ほかのミツバチより倍の毒性があるのです。オオミツバチを養蜂してハチミツを生産することは難しいと考えるべきでしょう。
断崖絶壁で暮らす「ヒマラヤオオミツバチ」
ヒマラヤ山脈の絶壁に生息するオオミツバチがいます。そのオオミツバチは「ヒマラヤオオミツバチ」と呼ばれています。ヒマラヤオオミツバチは非常に大きく、ニホンミツバチの3倍も体長が大きいのが特徴です 。
また、凶暴な習性をもっています。一度敵とみなすと、1kmも追い続けるという執念深さをもっているのです。毒の量が多いので、刺されたら大変危険です。このヒマラヤオオミツバチが作るハチミツは、現地でも古くから貴重品として取引されてきました。
そのため、現在でもこのハチミツを求めて、命がけでヒマラヤ山脈に登る人たちがいるのです。命がけで採取したヒマラヤオオミツバチのハチミツは、かなり強い薬効があるとされています。
日本のミツバチは危険?益虫としての役割も
日本のミツバチは養蜂してハチミツを採取したり、害虫を食べたり受粉させたりするのに役立っています。そんな、日本のミツバチも危険な習性をもっているのでしょうか。ここからは、日本のミツバチは危険なのかどうか、詳しくみていきましょう。
日本に生息するミツバチの種類
日本に生息するミツバチの種類は2種類です。「ニホンミツバチ」と「セイヨウミツバチ」が生息しています。この2種類のミツバチの生態についてご紹介していきます。
・ニホンミツバチ
ニホンミツバチは日本の在来種です。トウヨウミツバチの仲間で、自然の多い場所や山間部などの環境を好みます。ニホンミツバチは10mm~17mmぐらいの体長があります。はっきりとした黄色と黒の縞模様が特徴です。おとなしく、めったに刺さない性質をもっています。
・セイヨウミツバチ
セイヨウミツバチはヨーロッパやアフリカなどを原産地とする外来種です。ハチミツとして売られているもののほとんどが、セイヨウミツバチのハチミツになります。体長は12mm~20mm程度で、全体的に黄色くお尻が黒いのが特徴的です。
やや気性が荒い性質をもち、巣の近くにいると刺されることがあります。採蜜をよくおこない、育てやすいことから養蜂に向いている種類です。
侮ると危険な日本のミツバチ
日本に生息するミツバチはオオミツバチより比較的おとなしいです。だからといって、侮ってはいけません。ミツバチに危害を加えると襲われることがあります。ミツバチの巣には3~8万匹ものハチが住んでいます。そのため、1匹では弱いミツバチも集団で襲ってきたら重症になることがあるのです。
ミツバチは毒をもっていますので、刺されればアナフィラキシーショック(血圧低下や意識障害といった症状)を起こすこともあります。とくに冬場は攻撃性が高くなりますので、注意してください。また、ミツバチの巣をそのまま放置しておくと、蜜やミツバチの死骸で壁や車が汚れてしまうかもしれません。そのため、ミツバチの巣ができたら、放置せずハチ駆除業者に駆除依頼をすることをおすすめします。
一方で「益虫」としての役割ももつ
ミツバチは、生態系にとってとても重要な役割を果たしています。ミツバチはさまざまな花を介して蜜を集めていき、そのときに花粉を一緒に運んで受粉させる役割を果たしているのです。新しい実や種子をつけるために、ミツバチに頼っている農業もあります。そのため、ミツバチは人類の農業を支えているといっても過言ではありません。
ミツバチの巣を見つけたら駆除したほうがよい?
では、ミツバチの巣をご自宅などで見つけた場合、駆除したほうがよいのでしょうか。ミツバチは新しい作物を作るためにはなくてはならない存在です。しかし、場合によっては駆除したほうがよい場合もあります。
ミツバチはときどき家の中に入り込んで、屋根裏や床下などに巣を作ってしまうことがあるのです。ミツバチの巣の場所によっては、刺されてしまう危険性や巣の周りが汚れてしまう可能性があります。家や車を汚したくない、刺される危険性を回避したい、そう感じたときには駆除したほうがよいでしょう。
ミツバチの巣を駆除することになったら
ミツバチの巣を駆除することになったら、駆除の仕方を把握しておきましょう。駆除の方法は3つあります。ひとつめは「自分で駆除する」、ふたつめは「養蜂所に相談する」、みっつめは「ハチ駆除業者に依頼する」です。それぞれの詳しい駆除の仕方をご紹介していきます。
【方法1】自分で駆除する
駆除の費用をできるだけ抑えようと思い、自分で駆除したい方もいるでしょう。攻撃性の低いミツバチでも、自分で駆除をするのは危険がともないます。そのため、殺虫剤や服装、死骸や巣を回収する道具や袋など準備をしっかりおこないましょう。殺虫剤はメーカーによって成分が異なりますが、ハチに対する効果は変わりません。
そのため、ハチ専用でなく、ほかの害虫専用のものでも駆除効果は期待できるといえます。ミツバチに襲われても大丈夫なように専用の防具服を用意することをおすすめします。防具服を用意できない場合は、皮膚の露出を最低限に抑えた格好を意識しましょう。
長袖長ズボン、帽子、保護メガネ、マスク、軍手は必ず着用してください。露出しやすい首や顔には、タオルをまくとよいです。針が刺さりにくくするために、動きづらくない程度で、服を何重にも重ねて着用することをおすすめします。
ほかにも、ミツバチの巣を切り取るためのノコギリや、切り取った巣を捨てるために入れるビニール袋なども用意しましょう。自分で安全に駆除をおこなえる巣の大きさは15cm以下です。それ以上になると、ミツバチの数が多くなりますので、刺される危険性が増します。
【方法2】養蜂所に相談する
ミツバチを殺すことにためらいがある方は、養蜂所に相談するとよいでしょう。養蜂所に相談をすると、ミツハチを巣ごと引き取ってもらうことができます。養蜂所では、ミツバチを益虫や養蜂として利用するため、殺すことなく生かしたまま巣を除去してくれるのです。
【方法3】ハチ駆除業者に依頼する
自分で駆除できる巣の大きさでない、巣の場所が特殊で駆除できないなどであれば、業者に依頼をしましょう。大きい巣になると、ミツバチの数も多くなります。そのため、自分でおこなうのは危険をともなうのです。また、巣の場所が屋根裏や床下にあるなど、駆除の経験に乏しい人では駆除することが厳しい場合もあります。
ハチ駆除業者に依頼をすれば、自分ではどんなに厳しいハチの駆除であっても引き受けてくれます。ご家族やご近所さんにハチの被害がでる前に駆除を依頼しましょう。ハチ駆除を専門におこなっている業者を「ハチ110番」でご紹介しております。ハチのプロだから確実で安心できる駆除をおこなっております。再発防止もおこなっておりますので、ご安心ください。
【ミツバチの生態に関する記事はこちら】
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