アシナガバチは、人の生活において役に立つ「益虫」としての側面をもっています。なぜなら、アシナガバチのエサはほかの昆虫なので、畑や庭を荒らす害虫を食べてくれるのです。
しかし、アシナガバチは縄張りを守る意識が非常に強いため、巣に近づいた人間を刺すことがあります。アシナガバチはスズメバチに負けないほどの毒をもっており、刺されると危険なため、早めの駆除が必要になるのです。そこで、今回はアシナガバチが益虫とされる理由と駆除方法についてご紹介します。
目次
アシナガバチが益虫といわれる理由
畑を荒らす害虫などを捕まえて食べることから、アシナガバチは益虫としての側面をもっています。黄色と黒の色合いはスズメバチにも似ていますが、アシナガバチには色や体形などの違いがあるため、見分けることができます。そこで、以下ではアシナガバチの生態と見分け方についてご紹介します。
アシナガバチの生態
アシナガバチは人にとって利益を生むことから、益虫としての一面ももっています。なぜなら、アシナガバチは昆虫をエサにしているため、畑や庭を食い荒らす害虫を食べてくれるのです。そのため、ガーデニングや栽培をしている人にとってはありがたい虫といえます。
そんなアシナガバチは、少数の群れで暮らし、屋根や庭木の中、さらには室外機の裏などにラッパ型の小さな巣を作ります。アシナガバチは天敵であるスズメバチから身を隠したがるため、狭くて目立ちにくい場所を選ぶのです。
アシナガバチの生態の詳細はこちらをご覧ください。
アシナガバチの見分け方
アシナガバチはスズメバチに比べるとスリムな体形をしています。また、スズメバチの多くは夕焼け色の体色をしていますが、アシナガバチは体が黄色のものが多いため見分けやすいのです。さらに、アシナガバチはその名のとおり、お尻の針にまで達する長い足をもっています。
ここまででは、益虫としてのアシナガバチの姿について紹介してきました。しかし、アシナガバチは縄張り意識が強く、近づいた生き物を攻撃する一面もあるのです。そこで、次ではアシナガバチの危険な一面についてご紹介します。
アシナガバチは益虫だけど危険な一面もある
害虫を食べてくれることから、アシナガバチには益虫としての一面もありますが、人を刺すこともあります。アシナガバチは防衛本能が強いため、うっかり近づいた生き物を攻撃するのです。そのため、アシナガバチの巣を見つけても、近づかないように注意をしましょう。ここではアシナガバチの危険な一面についてご紹介します。
アシナガバチの危険な一面
アシナガバチは基本的におとなしい性格ですが、外部から危害を加えられると、襲ってくるケースが多いです。しかし、日本にいるアシナガバチには11もの種類がおり、そのなかには攻撃的な性格をしたものもいます。さらに、蜂には毒性があるため、刺されたときのリスクが大きいのです。
アシナガバチは、スズメバチに劣らないほど強い毒をもっています。アシナガバチに刺されただけでも激しい痛みがあり、刺された箇所は腫れ上がることがあるのです。また、アシナガバチの毒はアナフィラキシーショックを誘発することもあるので、たいへん危険といえます。
アシナガバチの巣を見つけたときの注意点
アシナガバチの巣を見つけたら、決して巣に近づいたり、刺激したりしないでください。なぜなら、アシナガバチは縄張り意識が強く、巣に近づいた生き物を攻撃してしまうのです。そのため、巣を発見しても触らないでおき、早めに駆除をしましょう。
詳しくはアシナガバチの巣の見分け方や駆除方法をまとめた記事をご覧ください。
アシナガバチの駆除は自力でもおこなえますが、刺される危険が強いため、業者に依頼をするのがおすすめです。また、自治体によっては駆除費用を一部、または全額負担してもらえる場合があるので、いちど役所に問い合わせてみるといいでしょう。
アシナガバチの巣を駆除する方法
アシナガバチの巣は庭木や民家のそばに作られることが多いため、知らずに近づいた人間が刺されてしまうケースも少なくありません。そのため、刺される前に駆除をしたいと思う人もいるでしょう。そこで、以下ではアシナガバチの駆除方法についてまとめてみました。
こんな場所に作られた巣は危険!
アシナガバチは天敵であるスズメバチから身を隠すため、目立ちにくい木の中や建物の近くなどに巣を作る傾向が強いです。そのため、民家のほかにも街路樹やビルの室外機のそばなど、人通りが多い場所にも出没することがあります。目立ちにくい場所へ巣を作るため、知らずに近づいた人間が刺されることも多く危険なのです。
巣の撤去方法と注意点
アシナガバチの巣を撤去する際は、まず刺されないような服装の準備をします。自治体によっては蜂駆除用の防護服を無料で借りることもできるので、まずは確認をしてみましょう。もし借用できなかった場合は、以下でご説明するアイテムを着用しましょう。
- 生地の厚い作業着
- 帽子またはハチ駆除用のネット付き帽子
- 厚手の手袋
- 防虫ネット
- 首に巻くためのタオル
- 長靴
また、アシナガバチの駆除をするなら、長い棒とゴミ袋も必要です。アシナガバチの巣は高い位置に作られることもあるため、棒があればつついて落とせるでしょう。
さらに、アシナガバチを駆除するなら、ハチが苦手とするピレスロイドという成分の入った殺虫剤を使用するのがおすすめです。ピレスロイド入りの殺虫剤は、ホームセンターなどで購入できるため、手軽に入手ができます。
駆除の準備ができたら、巣の撤去をおこないましょう。以下では、アシナガバチの巣の駆除方法についてご説明するので、よろしければ参考にしてみてください。
- 2メートルほど離れた位置から噴射する
- 巣から出てきたハチが、ほとんど落ちるまで噴射する
- 棒を使って巣を落とす
- 袋の中でもういちど殺虫剤をかける
- 可燃ごみとして処分
アシナガバチの駆除をおこなうなら、日が沈んでから2~3時間ほど経ってからの夜間がよいでしょう。昼行性のアシナガバチは、夜になると活動が鈍るため、昼ほど激しく襲ってこないといわれているのです。
業者に依頼する手もあります
防護服で体を守っていても、駆除中に針で刺されてしまうことはあります。そのため、安全に駆除をおこないたいなら、業者に任せるのがおすすめです。知識のある業者に任せることで、安全かつ正確に駆除をおこなってもらえるでしょう。
駆除料金は業者によって変動しますが、蜂の巣1個につき10,000~13,000円前後が相場だとされています。業者によっては駆除後の再発防止をおこなう場合もあるので、自力で駆除するよりもメリットが大きいのです。
詳しくは蜂の巣駆除の費用相場をまとめた記事をご覧ください。
巣の駆除後も油断は大敵!アシナガバチ対策法
アシナガバチの駆除が終わってからも、1週間ほどは警戒が必要になります。なぜなら、アシナガバチは巣を壊されても、またすぐに修復してしまう習性があるのです。そのため、アシナガバチが寄り付かないように予防をしておきましょう。ここからは、巣を駆除した後に注意すべきこと、やるべきことについてご紹介します。
戻りバチに注意
アシナガバチを含めたほとんどのハチには、巣を壊された後も周辺を飛び回る「戻りバチ」という習性があります。ハチにとって、巣を作る場所はお気に入りの場所でもあるので、予防をしておかないと巣を作り直されてしまうのです。
巣を作られないための対処法
戻りバチを防ぐには、蜂の住みにくい環境を作っておくことが大切です。そこで、以下では戻りバチを防ぐための対処法をご紹介します。
・アシナガバチの嫌う成分を撒く
巣を駆除した場所には、殺虫剤やハッカ油など、ハチの嫌う成分を散布しておくといいでしょう。巣を壊されてから1週間前後は周りを飛んでいるので、ハチの嫌がる成分を撒いておくことで戻りバチを遠ざけることができるのです。効果が長持ちするタイプの薬剤をつければ、別の場所からやってきたハチを予防することもできるでしょう。
・家の周りに甘いものを置かない
家の周辺に甘いものを置かないことも予防策のひとつです。甘い香りはハチを呼び寄せてしまうので、アシナガバチだけでなくスズメバチがきてしまうおそれもあります。そのため、お菓子やジュースなどは外に放置しないようにすることが大切です。
・業者に予防も任せる
業者に駆除を依頼すると、アフターサービスとして戻りバチ予防をしてくれる場合もあります。もし自力で予防をするのが不安なら、駆除と一緒に再発防止も任せるのがいいでしょう。また、業者に依頼をすることで、ご家庭に応じた予防のアドバイスがもらえる場合もあります。
詳しくは蜂の巣の予防法をまとめた記事をご覧ください。
業者への依頼をお考えでしたら、ぜひ弊社をご利用ください。弊社では高所での作業や戻りバチ対策に対応している業者を紹介させていただくこともできるのです。弊社では24時間無料でお電話を受けつけていますので、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
畑を荒らす害虫などを食べることから、アシナガバチは益虫としての側面をもっています。しかし、アシナガバチには強い毒性があるため、刺されると強い痛みに襲われることがあるのです。また、縄張り意識も強いため、知らずに近づいた人間が刺されることがあります。
益虫であると同時に危険性も高いことから、アシナガバチの駆除を考えている人もいるでしょう。アシナガバチの駆除をするなら、まずは役所に相談してみてください。役所によっては駆除用の防護服を無料で貸し出していたり、駆除料金を負担してくれたりする場合があるのです。
もし、役所での援助が受けられなかった場合は、自力で駆除をしようとする場合もあることでしょう。ただし、自力での駆除は刺されるリスクも高いので、安全に駆除をするなら業者に依頼をしましょう。業者に任せることで、安全に駆除を進めてもらえるのです。