クマバチの巣の構造をご存知ですか?じつは彼らの巣は木造家屋の建材を削り取って作られることがあり、もし自宅近辺でよくクマバチを見かける場合は、軒下や壁などにゴリゴリ穴を空けて住みつかれているかもしれません。
クマバチは黒と黄色の大きな体と独特の動きから、怖いハチと思われがちです。しかし彼らはスズメバチなどと比べて攻撃性が低く温厚で、「おとなしい」「かわいい」なんて表現されることもあります。しかし、メスには毒針がありますし、何よりクマバチの太った体でつくられる巣穴はキツツキもビックリな規模まで拡大するため、家に巣作りされてしまった場合などはショックを受ける方も多いようです。
今回は、そんなクマバチの巣作りを始めとする生態に関する知識や、クマバチの駆除方法、巣の予防方法などをまとめてご紹介します。
クマバチが気になったら放置せず、状況によってはプロに調査してもらうなど、自宅への被害を把握し、予防策まで確実にしておきましょう!
目次
クマバチの巣の構造は?クマバチの特徴を知ろう!
クマバチの巣の特徴
ハチの巣というとハニカム型の巣穴という印象が強いです。しかし、クマバチの巣は一般的なハチの巣のイメージとは違い、木や倒木や家屋の柱などに穴を開けて巣にします。六角形の巣を作るのではなく、キツツキが穴を開けるように穴を作るのです。
穴の直径はクマバチの成虫と同じくらいの大きさで、およそ2センチほどです。入り組んだ巣を作ることもありますし、竹筒などもともとある穴の中に住み着くこともあります。
クマバチの場合、何世代かにわたって同じ巣穴を使うこともあります。成虫と幼虫が同じ巣で越冬し、子育てをするのです。古い建物の場合はいくつものクマバチの巣が作られていることがあり、そういう場合は巣を埋めることで対処します。
クマバチは家に穴を開けるという迷惑行為をしますが、単独行動のハチのため数多く穴を開けられるということは少ないようです。クマバチが巣穴を作りやすい場所としては、以下のような場所が考えられます。
- 縁側の床板や柱
- 小屋の柱や壁面
- 木造家屋の軒下
- ほうきなどの筒状になっている木製製品
クマバチの営巣方法は、穴を開けるというものです。そのため、巣をたくさん作られてしまうほど、その建築物の強度は低下してしまいます。強度が低下している家は、台風や地震といった災害で簡単に倒壊してしまうおそれがあるため、クマバチへの早い対処が必要です。
クマバチの生態
クマバチは、歩いている人の周りを飛ぶ習性があり、大きな丸い体と黒と黄色の警告色には恐怖心をあおられてしまいます。しかし、クマバチは実は穏やか性格で、人を刺すことはめったにありません。とくにオスであれば、針がないため、刺されることもないです。そんな見た目とは違うクマバチの生態を知ることで、出くわしても慌てずに済むようになります。
・クマバチの特性を知っておこう
ハチには2種類のタイプがあります。集団で過ごす社会性のあるハチと、単独で過ごす社会性のないハチです。前者がスズメバチやミツバチ・アシナガバチなどで、後者がクマバチとなっています。社会性のあるハチは巣が大きくなる傾向にあり、巣を守るために攻撃性が高くなりますが、社会性のない種であるクマバチは攻撃性が低いのが特徴です。
クマバチはミツバチと同じ「ハナバチ」に分類されていて、花の蜜を主な食べ物にしています。花粉を運搬して受粉を助けることも、ハナバチに属するハチの自然界における役割です。肉食ではないため獲物を攻撃する必要がなく、集団生活でもないので巣の防衛のために敵を攻撃することも珍しいです。針をもつメスのクマバチであっても、人間を攻撃するのは自分や巣が攻撃されたときだけなので、温厚な種類のハチだといわれるのも納得できます。
とはいえ、刺されると激痛が走ることには変わりありません。温厚なクマバチであっても安易には近づかないほうがいいでしょう。また、巣の周辺にはメスのクマバチがいることが多いです。メスには針があるので、巣穴を見つけたら近づかないようにしてください。
クマバチの毒性
ハチが刺すときに人間の体内に入る物質と身体が激しく反応して、吐き気や呼吸困難などのアレルギーのショック症状(アナフィラキシーショック)が起こることがあります。
アナフィラキシーショックは、最悪の場合は死に至ることもあるため、刺されないように注意しましょう。もし刺されてしまったときは、できるだけ早く病院で診察を受けてください。クマバチの巣を見つけたときや、巣があるような気がするときは、確実に発見し駆除・予防策を提案してくれる業者に相談すると安心です。
「とりあえず状況を知りたい」「駆除が必要か知りたい」という方は、蜂に関するご相談を24時間受付中の弊社窓口がお役にたてるかもしれません。依頼そのものを迷っている方には無料の現地調査もございますので、お気軽にメール、フリーダイヤルよりご相談くださいね。
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クマバチの巣の駆除方法|手順や注意点
攻撃性の低いクマバチでも、家や倉庫の柱などに巣を作られてしまったら、駆除をしなければならないこともあります。クマバチの駆除は、準備をすることで自分でもおこなうことができるので、この記事を参考に道具などを取り揃えてください。
クマバチの巣を駆除する前に!
まず、ハチに刺激を与えないように巣の場所を確認します。服装はハチを刺激する黒は避けて、ハチを寄せ付けてしまう甘い香りの整髪剤や香水などは身につけないように心がけましょう。そして、駆除の前には道具を準備してください。木に穴を開けられてしまった場合は、駆除に必要なものだけでなく、木材の補修用の道具などが必要となります。クマバチの巣駆除にあたって用意するものは以下のとおりです。
・殺虫スプレー
エアゾールという殺虫成分の入っているものを使いましょう。ハエやゴキブリ用の一般的な殺虫スプレーであればエアゾールが入っているため、クマバチにも対応できます。
ハチ・アブ駆除用の殺虫スプレーは、より遠くまで噴射できます。普通のスプレーでは巣まで2メートルほどの距離に近づく必要があるところが、それよりも遠く使っても殺虫することが可能です。
・雨かっぱ・手袋
クマバチに刺されるのを防ぐために、かっぱと手袋を着用します。手袋は軍手を二重にして着用するとより安全です。
・ゴーグル・マスク
顔はゴーグルとマスクで守ります。ハチから守る目的でも着用しますが、殺虫スプレーが目に入ったり、過度に吸い込んで粘膜が傷ついてしまったりすることを防ぐことが可能です。
・木工用パテ
巣穴を埋めるために使用します。巣穴が開いていて、見た目が気になるときは用意してください。
・懐中電灯
巣の撤去は夜間におこなうのがベストなので、照明を用意します。ハチは赤い光を認識する力が弱いので、懐中電灯の発光部に赤いフィルムを貼るようにしてください。
クマバチの巣を駆除する手順
まず、上記の服装と道具を揃えます。日没から2~3時間経ったころにはハチが巣に戻ってきているため、駆除をおこなうのはこの時間が望ましいでしょう。スプレーと懐中電灯を持ち、夜間に巣に近づきます。普通の殺虫スプレーを使用するのであれば、2メートル以内に近づきましょう。
懐中電灯で巣穴を確認したら、そこに向けて殺虫剤を噴射します。同じ距離から1分程度続けて噴射し、一度様子を見ましょう。ハチが巣穴から出てこないようであれば、パテが塗りやすいように駆除のために使った殺虫剤を拭ってから、木工用パテで穴を埋めましょう。
これで一連の作業は終了です。穴からハチが出てきても、おそれずに噴射を続けてください。途中でやめてしまうと攻撃してきます。
ほかにもいる!注意したいハチの種類
ハチには、日本に生息するだけでも多くの種類が存在し、とくに社会性を持ち巣で集団生活をしている種類はクマバチよりも危険なものがほとんどです。なかには刺されると何週間にもわたって傷口の腫れが持続する毒をもったものもいます。注意すべきハチを、3種類に大別して説明しますので、知っておきましょう。
・スズメバチ
最も危険な種類としてあげられるのがスズメバチです。キイロスズメバチやモンスズメバチなど複数の種類が生息します。非常に毒性の強い毒針と、どう猛な性格を持ち合わせているので、見つけたらまず身を守る必要があります。
スズメバチの外見で共通している特徴は、2センチから4.5センチほどの大きめで、ずんぐりとした体と、黄色またはオレンジ色と黒色のシマ模様です。巣の外観は丸い形をしています。外壁のある巣で100匹単位の規模の集団生活をしているので、巣には絶対に近づかないことをおすすめします。
・アシナガバチ
アシナガバチはハチのなかでは「中くらいのサイズ」といえる2センチほどのハチです。黄色と黒色のシマ模様が入った縦に細長い見た目で、飛ぶときは足を垂らしてフワフワと動き回ります。巣はお椀を逆さにしたような形をしていて、成虫はそれにしがみつくようにして生活します。
・ミツバチ
ミツバチは体長1センチほどで、オレンジ色と黒色のシマ模様が入った丸い体をしている種類です。ハチミツを生産するために利用されますが、野生のものが住宅街で巣を作ることもあります。10,000匹ほどの群れを作り、板状の巣を広げながら生活するのが特徴です。攻撃性は低いですが、主に巣を守るときに人間を攻撃します。
ハチ駆除にかかる費用
ハチ駆除を自力でおこなう場合、道具を揃える必要があります。購入先にもよりますが、すべての道具を揃えると、費用の目安は6,000円程度です。道具を買い揃える手間もあり、自力で駆除をするのは時間がかかる作業ですので、業者に依頼するというのもいい手段です。
業者選びはハチ110番を利用するとスムーズかつスピーディーにおこなえます。数ある業者のなかから最適な業者をご提案いたしますので、詳しくはお電話でご相談ください。
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クマバチの巣を作らせないために
攻撃性の少ないクマバチでも、巣を作らせないほうがよいことはほかのハチと変わりません。クマバチの巣があると、建物にとってデメリットがあります。巣ができるのを予防する方法と合わせて、そのデメリットも解説していきます。
クマバチの巣による被害とは?
クマバチは木材に穴を空けて生活するため、建物を支える柱や軒下などに巣ができてしまうと、強度を低下させてしまうおそれが高いです。とくに空き家などは目が行き届いていない場合があり、たくさんの穴が空けられると建物の崩壊にもつながることもあるでしょう。
さらに、クマバチの作る穴はシロアリが木材に侵入する際の侵入口となってしまうこともあるので、あなどれません。ご自宅の周辺を複数のクマバチが飛んでいたら、駆除を急いだほうがいいでしょう。
ハチに巣を作らせない方法
ハチが巣を作ってしまう環境をなくせば 、逆説的にハチが巣を作りにくい環境を作ることができます。ハチが巣を作りやすい場所は以下のとおりです。
・雨風をしのげる場所
軒先や縁側の下、床下や屋根裏などの風雨をしのげる場所は、よく巣が作られる場所です。しかしながら、風雨をしのげる場所はお家の周りにはたくさんあります。
・出入りのしやすい場所
ハチがすぐに外へ出ていける場所は要注意です。外から見えなくても、屋根裏などは通気口から出入りが可能です。とはいえ、通気口を塞いでしまうと家の機能に問題が発生します。
上記のような、ハチが巣を作りやすい場所には、ここからご紹介する「ハチを近寄らせないためのグッズ」を使用して対策しましょう。
ハチを近寄らせないためのグッズ
ハチを近寄らせないためには、においが大切です。ハチはにおいに敏感で、甘いにおいに対しては積極的に近づいてきますが、「木酢液」のにおいは嫌います。なぜなら木酢液は、ものが焦げているときのにおいに似た香りが特徴で、ハチはこの香りを嫌うためです。
木酢液は炭などを原料とした天然由来の液で、消毒剤や入浴剤などとして使用されることが多いです。
ハチが巣を作る時期は3月から6月頃となります。このころに、ハチが巣を作りやすい部分や気になる場所に木酢液をかけておくことで、巣づくりを抑制することができます。木酢液はホームセンターやインターネットで購入できるので、一度試してみてはいかがでしょうか。
業者に依頼することで、クマバチの駆除に対応してもらうことができます。クマバチの穴は見た目に悪く、また家の強度にとっても悪影響を与えます。業者探しはハチ110番が承ります。クマバチ以外のハチ退治や予防の際もご相談ください。
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