土の中から蜂が出てきたり、地面を蜂が這っていたりするのを多く目にする場合は、蜂の巣が土の中に作られているのかもしれません。土の中に巣を作る蜂には、凶暴な種類も存在します。放置するとうっかり踏んでしまって蜂の大群に襲われてしまう……なんて危険も。
このコラムでは、土の中に巣を作る蜂の種類や生態、見分けるポイント、正しい対処法などをご紹介します。土の中にいるのは日本最強の蜂オオスズメバチであるおそれもあるため、蜂の種類と適切な対処を知って、安全でスムーズな解決に役立ててくださいね。
目次
土の中に巣を作る蜂の種類
土の中に巣を作る蜂には、温厚な性格のものから危険なものまで色々な種類の蜂がいます。ここでは、日本でよくみられる、土の中に巣を作る蜂の種類と特徴をお伝えします。まずは蜂の種類と特徴を知って、対処する方法を考えましょう。
ツチバチ
ツチバチはハチ目ツチバチ科ツチバチ亜科の蜂で、日本全国に生息しています。体長は1~2.5センチメートルほどあり、スリムで大きめといった印象です。色は黒っぽい種類のものが多く、黄色の縞があるものや白い毛が生えているものもみられます。
ツチバチは比較的おとなしい性格で、集団ではなく単独で行動します。危害を加えなければ人を襲ってくることはありません。毒針はもっていますが毒性は弱く、刺された場合でも痛みがあるといった程度です。
ただ、毒のアレルギー反応でアナフィラキシーショックなどの重篤な症状が現れるおそれはありますので、万が一刺された場合はすぐに医療機関を受診しましょう。
ツチバチのメスは、地面スレスレを飛んで獲物となるコガネムシの幼虫を探します。メスはコガネムシの幼虫を見つけると毒針を刺し、麻痺させ、その体に卵を産み付けます。
公園や庭、畑などで土を掘って獲物を探したり、その中に獲物を引きずり込んだりするため、土の中から出てくるツチバチを見かけることが多いのかもしれません。孵化したツチバチの幼虫はコガネムシの幼虫を食べて成長していきます。
ドロバチ
ドロバチは体長0.5~2センチメートルほどで、単独かつがいで行動している蜂です。黒っぽい体に黄色の線が2本入っているため、スズメバチと間違われることも多いようです。おとなしい性格で、毒性も弱く、巣に近づいても襲ってくることはめったにありません。
ドロバチは土や泥を材料として、巣を作ります。外壁などに泥の塊がくっついていて、穴がひとつあいている奇妙な物体を見つけたら、それはドロバチの巣である可能性が高いでしょう。
7~9月に活発に活動し、秋頃から巣を作ります。巣に生きたまま毒針で麻痺させた青虫を蓄え、卵を産んで巣穴を閉じます。巣の中で孵化したドロバチの幼虫は青虫を食べて成長し、中から巣に穴をあけて巣立っていきます。
クロスズメバチ
クロスズメバチはハチ目スズメバチ科の蜂ですが、体長が女王蜂で1.5センチメートルほど、働き蜂で1~1.2センチメートルほどと小さめです。おとなしい性格をしており、毒性も強くありません。体全体は黒く、白い線や模様がついています。
4月ごろから女王蜂が活動を始め、6月ごろに本格的に巣を作ります。巣は地中に作られることが多く、土の中は寒い冬でも温度が安定しているため、越冬することもできます。巣は大きくなると、巣盤数は8~12層、1000室以上の部屋を作るようです。
クロスズメバチは地蜂とも呼ばれ、幼虫、さなぎ、成虫を食用できるため、養殖もされています。幼虫は高級珍味として重宝されており、とくにクロスズメバチのハチの子は絶品との評判です。岐阜県ではクロスズメバチをヘボと呼び、ヘボ祭りというクロスズメバチの巣の大きさを競ったり、ヘボ料理を楽しんだりするイベントもおこなわれています。
オオスズメバチ
北海道から九州に生息し、木の根元や土の中、木の空洞など閉鎖的で地面に近い場所に巣を作ります。女王蜂が体調4~5センチメートル、働きバチが2.7~3.7センチメートルと日本の蜂の中では最大の蜂です。頭の部分は黄橙色で胸が黒く、腹の部分に黄橙色と黒の縞があるのが特徴です。
オオスズメバチはどう猛で気性が荒く、強靭なあごと毒針をもっています。毒性が強いため、オオスズメバチの集団に襲われると死に至ることもあり、大変危険です。とくに夏の終わりから秋にかけては攻撃性が高くなるため、人が襲われる被害も多くみられます。
蜂の種類が特定できない場合は、自分で判断せずに専門家に相談したり現地調査をしてをもらうと、事故なくスムーズに解決することができます。「どこに相談しよう?」と迷ったときは、害虫駆除業者の比較サイトなどを見るのもおすすめですし、「そんな時間はない」「逆にもっと迷いそう……」という方には、弊社の無料相談・無料調査がお役に立てるかもしれません。依頼先探しのアドバイスはもちろん、ご希望があればお見積りや現地調査をスピード手配させていただくこともできます。本契約前のキャンセルはもちろん無料ですので、気になった方はぜひ試しにご利用ください!
オオスズメバチの巣には要注意
蜂の巣が土の中にある場合、オオスズメバチの巣であれば放置してはいけません。民家や人通りのある場所であれば、知らずに近づいてしまうと襲われるおそれもあります。蜂の特徴や巣の形状をしっかりと確認して、対処することが大切です。
オオスズメバチ以外は比較的温厚な性格
オオスズメバチ以外のご紹介した蜂は比較的温厚な性格で、むやみに人を襲うことはありません。また、毒性もさほど強くなく、集団で襲うこともないため、こちらから刺激しない限りそれほどの危険はありません。巣を駆除せずに放置してもそこまで被害が拡大することはないでしょう。
ドロバチとオオスズメバチの巣は形が似ている
土に関連して巣を作り、見た目も似ているため、ドロバチとオオスズメバチの巣が混同されることがあります。しかし、ドロバチとスズメバチでは危険度がまったく異なるため、間違って認識しないように注意が必要です。
ドロバチは卵を産むと巣穴を閉じてしまうため、土の中ではなく、軒下やベランダなど地面に接する場所以外に巣を作ることがほとんどです。一方、オオスズメバチは、外敵から身を守るため、土の中に巣を作ります。そのため、土の中に巣があればドロバチではなくオオスズメバチの巣と考えてよいでしょう。
また、ドロバチは単体やつがいで行動するため、巣もそれほど大きくはなりません。一方で、オオスズメバチは多くなると数千匹ほどの集団になるため、巣も大きくなります。屋根裏や軒下に作られた巣を判断する場合は、大きさでも見分けることができるでしょう。
オオスズメバチが巣を作りやすい場所
オオスズメバチは土の中にできた空洞を利用して巣を作り大きくします。木の根元にできた空間や、切り株にできた空洞などの閉鎖的で人目につかない場所を好んで営巣することが多いです。
人が多い都市部などに巣を作ることは少ないですが、神社や公園などの自然が多い場所や空き家、家の床下などにも巣を作ることがあります。
オオスズメバチの巣かもしれない思ったら、むやみに近づいたりせずに業者に連絡して適切に対処してもらいましょう。自分で判断して駆除することは大変危険です。弊社にご連絡いただければ、しっかりとした技術をもった蜂の巣駆除業者をご紹介させていただきます。蜂の巣を発見したら、ぜひ一度ご相談ください。
巣を見つけた時の対処法
蜂の巣が土の中に作られている場合、オオスズメバチ以外であれば、そこまでの危険はありません。しかし、作られた場所によっては放置することができなかったり、蜂の種類の特定が難しかったりすることもあります。ここでは、蜂の巣を見つけた時の対処法をご紹介します。
自分での駆除は危険
蜂の巣がオオスズメバチであった場合は、自分で駆除することは絶対にやめましょう。蜂の大群に襲われて、アナフィラキシーショックを起こし、最悪死に至ることもあります。ほかの比較的温厚な蜂であれば、殺虫剤などで駆除することもできるかもしれません。
ただ、手順を間違えると刺される危険性はあります。毒性が弱い蜂でも刺されると痛みはありますし、人によっては弱い毒でもアナフィラキシーショックが起きることがあります。
また、蜂の種類を間違えてしまっても大変です。蜂の巣を自分で駆除することは危険が伴いますので、業者に依頼して駆除してもらうことがおすすめです。
自治体に相談する
自治体によっては蜂の巣の駆除について相談できたり、補助金をもらえたりすることがあります。また、防護服を貸し出しているところもあります。蜂の巣の駆除をする場合は、一度自治体の公式サイトなどを確認してみましょう。
一般的には、スズメバチなどの危険性の高い蜂の場合に補助が出る自治体が多いようです。危険性の低い蜂の場合は補助の対象外となる可能性が高いので注意してください。
業者に依頼する
蜂の巣を土の中に発見した場合は、業者に相談して駆除の依頼をしましょう。蜂の種類や対処方法などをしっかりと判断してもらえます。また、刺される危険性もなく、短い時間で駆除することが可能です。巣が大きくなると駆除の料金も上がりますが、小さいうちに依頼すれば費用も抑えることができます。
いくつか業者に相談して相見積りを取り、作業内容や費用を比較することもおすすめです。より良い作業をおこなってもらえる業者を選ぶことができ、費用も安く済むでしょう。弊社でも、現地無料見積りにスピーディーに対応できる業者をご紹介できます。24時間365日、メールとお電話でご相談を受け付けておりますので、お好きなタイミングでお問い合わせください。
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