「コードにネズミの噛んだ跡がある……」
「導線が剥き出しのケーブルって危ないのかな?」
ネズミは成長し続ける歯を削るために、柱や壁などさまざまなものをかじるため、電気コードがその対象となってしまうこともあります。
コードが噛まれて導線まで傷が到達してしまうと、停電を起こしてしまったり、最悪の場合火災を起こしてしまう可能性もあります。
「たまたまコードをかじられただけだし、駆除まではしなくていいかな……」と思っている方もいるかもしれません。
しかし、ネズミは自然にいなくなることはありませんし、それどころか次々と繁殖を繰り返し家屋に与える被害を深刻化させる一方です。
この記事では、ネズミがコードをかじる理由に始まり、家に与える被害や効果的な駆除方法を解説しています。
最後まで読めば、今考えている以上にネズミが危険な生物であることが理解できるはずです。
目次
ネズミがコードやケーブルをかじるのは危険!
ネズミは壁や柱、ときにはケーブルなどもかじってしまうことがあります。みなさんの中には、ネズミは「手あたり次第に何かをかじる生物」と認識されている方もいることでしょう。まずは、どうして物をかじるのかということをご説明していきます。
ネズミがケーブルをかじる理由
実はネズミがケーブルをかじるのには大きな理由があるのです。ネズミは「げっ歯類」に属しており、歯は一生伸び続けるのです。同じげっ歯類のうさぎなども同様です。歯が伸びすぎてしまうと、かみ合わせが悪くなってしまい、最悪の場合エサを食べることができなくなってしまいます。
そんな事態にならないために、ネズミは定期的に何かをかじって歯を削っています。手当たり次第に物を噛み続けるのはこのためですね。特にケーブルがよくかじられてしまうのは、ネズミにとってかじりやすい太さだからでしょう。
ネズミがケーブルをかじると火災のおそれが!
物をかじり続けないといけないのは、ネズミなどのげっ歯類に与えられた宿命です。家に住み着かれ、物をかじられる被害は耳にしがち。被害が軽度なら、今すぐ対処すべき事態になることは稀です。しかし、ケーブルをかじられた場合は例外で、かなり危険な状態に陥りかねません。
ケーブルには電気が通っています。もし、ケーブルに傷がつき、漏電やショートを起こしてしまうと、近くのホコリや紙に引火し、火災を招いてしまう危険性があるのです。ネズミがケーブルをかじる姿を見た、もしくは、かじられた形跡を発見した方は、すぐに対処するようにしましょう。
家の中のネズミを放っておくとこんな危険も……
さて、ネズミがケーブルをかじる理由と発生する被害についてご説明しましたが、ほかにもネズミがいることによって被害を被ります。この章では、ネズミが私たちに与えてくる被害について詳しく見ていきましょう。
衛生的被害
ネズミが与えてくる被害でまず挙げられるのが「衛生的被害」です。不衛生な場所に生息していることもあるため、体表にはイエダニや雑菌がたくさん付着しています。また、体内にもサルモネラ菌などの多数の病原菌を保有しているのです。
そんなネズミが走り回ったり、糞をしたりすると、空気中に病原菌をまき散らしてしまいます。ですから、ネズミやネズミの死体を見つけても、けっして素手で触ろうとはしないでください。また、糞を処理したあとも、しっかりとアルコールなどで消毒をおこなうようにしましょう。
経済的被害
次に挙げられる被害が「経済的被害」です。なぜ、経済的に被害が出るのかというと、ネズミは壁の中にある断熱材などを食い破って巣の材料にしてしまうからです。また、屋根裏などに住み着かれ、排せつをされると天井が腐ってしまうこともあるのです。
ネズミの被害にあった箇所は修繕をおこなわないといけないので修繕費が発生します。また、被害を受けた家の資産価値は格段に下がるといわれています。
精神的被害
毎晩、天井からネズミの足音や鳴き声が聞こえてきたり、寝ていたら布団の上や枕元を通過したり……。などということも、ネズミが住み着いた家では頻繁に発生しているようです。
夜中にネズミが私たちの近くを悠々自適に歩き回っていることを想像すると、夜もおちおち寝ていられません。結果的に睡眠不足になったり、気分が落ち込んでしまうこともあります。
【退治の手順1】今家にいるネズミを駆除
このように、ネズミはケーブルをかじるだけでなく、私たちにさまざまな被害を与えてきます。残念なことに共存することは難しいので、ネズミがいる痕跡を見つけたらすぐに駆除することをおすすめします。この章ではネズミを自力で駆除する方法をいくつかご紹介していきます。
粘着シートを使う
粘着シートを使った駆除方法は代表的で、みなさんも一度は目にしたことがあると思います。これは、非常に強力な粘着剤が付いた板状のシートで、被害が多く発生しているところに設置します。シートの上を通過したネズミは体の自由を奪われます。
粘着シートには非常に強力な粘着性があるため、一度くっついてしまったネズミを引きはがすことは不可能です。かかったネズミはそのまま燃えるごみで処分するようにしましょう。処分する際は噛みつかれないように十分に注意してください。
忌避剤を使う
ネズミが嫌う臭いや成分を含んだ薬剤のことを忌避剤といいます。これは、ネズミを駆除することを目的としておらず、追い払うことや、寄せ付けないことを目的として作られた薬剤です。
ネズミを駆除したあとの被害の再発予防や、侵入対策として使用するとよいでしょう。また、粘着シートや殺鼠剤のところへネズミを誘導するのに用いられることもあります。
殺鼠剤を使う
殺鼠剤とは、いわゆる毒エサのことで、通常のエサと混ぜて使用することが多いです。それでは具体的な使用方法をご紹介します。
まずは、ネズミに普通のエサを与えて、警戒心を解くようにします。エサに慣れてきたら、エサの中にこの殺鼠剤を少しずつ混ぜていくようにしましょう。
ネズミが殺鼠剤を摂取したら、しばらくは様子を見るようにしてください。ネズミにはエサを巣に持ち帰って溜めておく習性があるからです。エサが減らなくなったら、殺鼠剤を食べたのかもしれません。死骸を探すようにしましょう。
超音波で追い払う
超音波は特殊な音でネズミ追い払う、または寄せ付けないために使用します。しかし、長期間使用し続けていると、ネズミが超音波に慣れてしまい、効果が薄れてしまうことがあります。
超音波を設置する際はネズミの習性をしっかりと理解し、どこに設置すれば効果が発揮できるかを考慮することが大切です。また、屋根裏などのホコリが溜まりやすいところに設置する場合は、ショートしやすいです。火災が起きてしまったら本末転倒ですので、定期的にお手入れをおこないましょう。
【退治の手順2】ネズミを寄せ付けない環境をつくる
家の中がネズミの好む環境であれば、ネズミはその家を住処にしてしまいます。そうなってしまうと、ネズミはケーブルをかじるなど、さまざまな被害を与えてくることでしょう。少しでもネズミを家に定住させないようにするためには、ネズミが住みづらい環境をつくることが大切です。
食べ物を放置しない
ネズミが家に侵入してくる一番の理由が、「食べ物を求めてやってくる」ということです。ネズミが寄り付かない環境にするには、エサとなるものをなくすことが一番手っ取り早い方法です。
- 食べ残しはすぐに処分する。また、食品は蓋つきの容器で保管する
- 仏壇のお供え物やペットのエサはすぐに片づける
- 鉢植えなどもできれば家の中には置かない
- 食品をビニール袋や段ボールで保管しない
巣の材料を放置しない
ネズミを寄せ付けない環境づくりには、巣の材料となるものを家に置かないのも大切なポイントです。屋根裏や壁の中などの人目に付きづらいところに住み着いて、藁(わら)、布、紙、木材、断熱材などを集めて巣を作ります。
このようなものをなくすと、ネズミは巣を作ることができなくなり、定住のリスクを下げることができます。
- タオルなどの衣類はきちんとタンスなどに収納する
- チラシや新聞紙など、不要になった紙を放置しない
- タンスなどの収納場所がしっかりと密閉されているか確認する
家の穴や隙間をふさぐ
どんなにネズミにとって家が好ましい環境であっても、侵入されなければ家の中に住み着かれることはありません。もし、家の壁に穴が空いていたり、隙間があるようなら、早急に修繕しましょう。
また、排水口や換気扇などもネズミの侵入経路になります。金網をかぶせるなどして、入ってこられないようにしましょう。
自分での駆除が難しければ業者に依頼しよう
ネズミはケーブルをかじることだけでなく、さまざまな被害を私たちに与えてきます。ネズミは賢い生き物なので、駆除しようとしても自力では限界があります。自身の目で判断が難しいです。
自分での駆除が難しいのはこんなとき
今回は自力でネズミの駆除をするのが難しい状況を3つご紹介します。1つでも当てはまる方はすぐに業者に駆除を依頼することをおすすめします。
【1.複数のネズミが潜んでいる気配がある】
もし、複数のネズミの足音が聞こえたり、鳴き声が聞こえたりした場合はすでに家の中でネズミが繁殖している可能性があります。一匹のネズミが家に入り込んでしまった場合であれば、自力でも駆除しやすいです。
しかし、繁殖したネズミの駆除はプロでも難易度の高い作業です。何匹もいる形跡があれば、被害を広げないためにも早めに対処をしてもらったほうがよいでしょう。
【2.ネズミが頻繁に姿を現す】
ネズミは非常に警戒心の強い生き物です。もし、頻繁に姿を現すようだったら、ネズミはその家のことを完全に住処として認識している状態です。この段階になってしまうと、追い払っても何度も戻ってきてしまうので、プロに駆除を依頼するようにしましょう。
【3.屋根裏に上がれない】
ネズミが家の中で一番住み着きやすいところは屋根裏です。しかし、家によっては屋根裏に上がれない構造になっているところもあるかもしれません。そんな家であると、素人ではネズミを駆除することは困難です。プロはたとえ屋根裏に上がれなくても、新たに点検口を作ってしっかりと屋根裏に逃げ込んだネズミも駆除することができます。
ネズミ駆除は業者選びが重要です
「ネズミにケーブルをかじられた」「ネズミの糞を見かけた」など、少しでも被害を受けている場合は被害が拡大する前に早急に手を打つことをおすすめします。しかし、すでに被害が大きくなり、自力ではどうしようもならない状態になっている方もいることでしょう。自力では難しいと早めに判断し、業者に相談したほうが賢明です。
しかし、世の中にはたくさんの業者が存在します。初めて依頼する方はどの業者に相談すればよいかわからないかもしれません。そんなときは、複数の業者から見積もりをとって、業者同士を比較することがおすすめです。また、口コミやホームページを利用したりすると自分に合った業者を見つけることができますよ。
こちらの記事では、ネズミ駆除業者の料金相場や業者選びの注意点などを解説しています。
まとめ
家に侵入したネズミはケーブルをかじることがあります。ケーブルをかじられると火災などの二次被害へつながることもあるので、注意が必要です。そのほかにも、ネズミは私たちにさまざまな被害を与えてきます。姿や残す形跡を発見したら、すぐに対処するようにしましょう。
また、ネズミは自力で駆除することも可能ですが、状況によってはプロでないと困難な場合もあります。自力での作業に少しでも不安がある方は、迷わずにプロに駆除を依頼しましょう。
業者を選ぶ際には、見積もりを比較したり、口コミやホームページを参考にしたりすると、きっと自分に合った業者を見つけることができますよ。