台風や洪水、地震などの自然災害を受けて、所有している木が折れて倒れてしまうことがあるでしょう。倒れた木は二次被害防止のためにも、早めに処分する必要があります。しかし、倒木処理は一歩間違えると、作業中に木が裂けて飛び跳ね人に当たってケガをしてしまうかもしれない危険な作業です。
そのため、倒木処理はなるべくプロに任せるのがよいでしょう。費用削減のためにも自分でおこないたいという方のために、この記事では倒木処理の方法を紹介します。ただし、少しでも危険と感じたら、作業を中止し伐採業者へ依頼しましょう。
目次
倒木処理の方法は慎重に
もしも家の庭の木や、所有している山や森などの木が台風などで倒れてしまったら、倒木を片付けるための処理が必要です。おもにチェーンソーを使って作業しますが、切っている最中に木が裂けて破片が飛び散ったり、木が思わぬ方向に倒れてしまったりすることがあります。そうなれば、大きな事故にもつながりかねません。
安全のためにもプロに任せることをおすすめしますが、低木であれば自分で処理できることもあります。ここではDIYで倒木処理する方法について見ていきましょう。
倒木を半分にする方法
地面に倒れた木の幹は、上下どちらかにたわんでいることが多いようです。このたわみ方をきちんと確認してから、チェーンソーを入れていくことが事故防止につながります。たわんでいる木を半分に切り分けるときは、たわみの内側に切れ目を作りましょう。次にたわみの外側からもう1度チェーンソーを入れて、木を切り分けます。
こうすれば、切断したときの木の跳ね返りを防ぐことができるでしょう。たとえば、平面に倒れた木の幹は下方向にたわみができています。そのため、1度上からチェーンソーで切りこみを入れ、下から切断するとよいでしょう。反対に何か障害物に上に倒れてしまうと上方向にたわみが生じることが多くなります。
その際は、下方向に切りこみを入れたあとに上方向から切り離すのが正解です。倒木の曲がり方が極端な場合は、はじめに入れる切り口を扇形のように入れる「切り欠き」で処理してください。
倒木の枝の払い方
木を半分に切り離したら、次は木の上部に生えている枝を払っていきましょう。枝を払う際は、幹を間にはさんで向こう側の枝を切っていきます。そのあとは空の方向に向いている枝を切り落としましょう。幹の向こう側と上向きの枝を切り落としたら、足などを使って幹を押して転がします。
そうすると、手前にあった枝が幹をはさんで向こう側、もしくは上方向を向くので同じようにチェーンソーで払っていきましょう。この作業を繰り返せば、枝がなくなり丸太ができあがります。
倒木処理の注意点
倒木処理の作業中は、木が思わぬ方向に倒れたり跳ね上がったりするなど危険がつきまとう作業です。事故を防止するためにも、周辺を動きやすい環境にして退避できる道筋と、とどまっても安全な場所は必ず作っておきましょう。
また、枝払いをおこなう際も自分と幹の間にある手前の枝は決して切らないようにしてください。一見近い位置にある枝は作業しやすく感じますが、手前の枝を切ってしまうと足元に枝が落ちてしまい、足場が悪くなってしまいます。作業中にバランスを崩してしまうと大きな事故にもつながりかねないので、十分に注意してください。
倒木によっては、根が地面から起き上がって倒れているものもあります。このような倒木は半分に切り離す際に、根株の部分の重みで幹が起き上がってしまうこともあれば幹の重みで地面側に倒れることもあるようです。そのため、どちらのパターンになるか切る前に見極めて、それに応じた措置をしておかなければなりません。
しかし、その見極めは素人にはなかなか難しいでしょう。大きな事故にまきこまれないためにも、やはり倒木処理は業者に任せるのがおすすめです。
倒木処理は業者に任せるのがおすすめ
倒木処理は、たとえ低木であっても危険な作業であることに変わりありません。さらに背が高い木や本数が多くなれば、難易度も高くなってしまうでしょう。とくに普段からチェーンソーなどを使い慣れていない方にとっては、どんな作業も難しいと感じるのではないでしょうか。
自分での倒木処理は難しいと判断したら、無理はせず業者に依頼しましょう。この章ではよりよい伐採業者の選び方について紹介します。
業者の選び方
数ある伐採業者から信頼できる業者を選ぶポイントは、3つです。まずは実績が豊富かどうかでしょう。実績がある業者は倒木処理に関する知識だけでなく、その後の処理や住民と周辺環境への気遣いもしっかりしています。また、あらゆるパターンの倒木処理を経験しているため、より安全な方法で処理をおこなってくれるでしょう。
もうひとつのポイントは、料金が明確かどうかです。多くの場合、倒木処理の作業前に見積りを出してもらうことになります。見積りに記載されている作業内容や料金を見て、どんな作業にどれくらいの費用がかかるのか、不明な作業や料金は入っていないかなど入念に確認しましょう。料金や作業内容がわかりやすく明確な業者を選ぶのがおすすめです。
最後に、特殊伐採ができる業者かどうかを確認しましょう。特殊伐採とは、木を地面に倒すことなく伐採することです。周りに木々が生い茂っている場所だと、倒木が倒れても周りの木にかかる「かかり木」といった状態になってしまい、倒木がもたれた状態になってしまうことがあります。
このような場合は、木を完全に倒さず登って処理することになるため、特殊伐採の技術が不可欠となってくるのです。倒木がかかり木になっている場合は、特殊伐採ができる業者を選ぶと安心して任せることができるでしょう。
少しでもいい業者を探すには「相見積り」
より条件に合う業者を選びたいという方は、複数の業者に見積りを依頼する「相見積り」を取るのがおすすめです。相見積りを取ることによって、業者間で異なる料金の違いや作業内容を見比べることができるでしょう。そうすれば、きっと条件に合う業者が見つかるはずです。
自分で複数の業者を探すのは面倒という方は、弊社にご相談ください。弊社ではお客様のご要望をきちんとお伺いした上で、条件に合う伐採業者をご紹介しています。加盟しているどの業者も、倒木処理に関する知識や技術がしっかりした業者ばかりです。1本からでも依頼を承ることができますので、気軽にご連絡ください。
倒木被害の原因によっては賠償責任が生じる
台風などの自然災害での倒木は、倒れる方向によって家や車の上に倒れてしまったり、近隣のフェンスに当たって傷つけてしまったりすることがあります。このような二次被害が起きてしまったことを想定して、修理や買い替えなどの賠償責任についても知っておかなければなりません。この章では、倒木被害による賠償責任について紹介します。
台風などの災害は賠償責任が生じない
台風などの自然災害で倒木して家や車が被害を受けた場合、民法上では賠償責任が生じないとされています。自然災害は想定できない事故であるからでしょう。しかし、自宅や自分の車を破損したままにしておくわけにはいきません。ましてや、他人の家や車に損害を与えてしまった場合は、近隣トラブルの原因にもなってしまうでしょう。
そのため、損害箇所の修繕は火災保険を利用するのがおすすめです。火災保険は火事以外にも自然災害による損害も補償してくれます。契約内容によって補償内容が異なるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
また、自然災害が原因で起こった倒木だと証明するためには、普段からきちんと管理していたという証拠が必要になります。業者が発行してくれる定期的な点検やお手入れの報告書、手入れ後の写真などを証拠として残しておきましょう。
管理不足は賠償責任が生じる
倒木のきっかけは台風などの自然災害であるものの、普段からまったく管理をしていないことが明らかである場合は、賠償責任が発生してしまいます。これは管理が行き届いていない状態であれば、いつ倒木が起きてもおかしくない状態であったと予想されるからです。自費で家や車の修理をおこなうことになるため、経済的な負担も大きくなるでしょう。
倒木する前に備えるのが大事
倒木被害を防ぐためには、起こる前に対策をしておくことが大切です。まずはもしものときのために、火災保険に加入しておきましょう。自然災害で起きてしまう倒木はなかなか防ぎきれないものです。
火災保険に加入しておけば、もし倒木で家や車が被害に遭ったとしても保険金で修繕することができます。保険内容をきちんと確認して、ご自身に合ったものに加入してください。次にメンテナンスを怠らないことも大切です。
木も生き物なので、きちんと管理してあげないと腐敗してしまうこともあります。また、伸び放題になった木々が絡み合って、倒木の原因となってしまうこともあるでしょう。倒木被害を防ぐためにも、樹形を整える剪定や不要な木を間引く伐採などの手入れをするようにしてください。
また、台風などの強風で倒れる危険性がある木に関しては、支柱を立てて補強しましょう。支えができることで、倒木を防止することができるかもしれません。台風が通過したあとにその木を伐採するか否か検討してみてください。
剪定や間伐などの相談なら弊社へ
先ほどもお話したとおり、倒木被害を防止するには定期的なメンテナンスがとても大切です。庭木であればきちんと剪定を、森林などは木が密にならないようにする間伐をおこないましょう。定期的なメンテナンスは倒木防止だけでなく、美観を保つことにもつながります。
庭木の剪定や所有している森林の間伐などをお考えの方は、ぜひ弊社にご連絡ください。ご依頼いただければ、迅速に対応させていただきます。
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