「ネズミ講」という言葉があるように、ネズミは繁殖能力がある生き物です。野ネズミのみならず、民家に巣を作るネズミにも同じことが言えます。もしかしてあなたの家にネズミが巣を作っていたら……。ネズミはあなたが放っておくと、どんどん数を増やしてしまうかも知れません。
そんな事態になる前に、ネズミの繁殖時期を知って対策をする必要があります。そこで今回は、ネズミの被害が増える時期やその予防法についてお伝えしていきましょう。家でネズミの足音を聞いた!ネズミのフンらしきものを見た!という方は、ぜひ今回の記事をご参考になさってください。
ねずみの被害の増加時期はいつ?
ネズミの中でも、民家に巣を作りやすいネズミを「家ネズミ」といいます。家ネズミにはクマネズミ、ドブネズミ、ハツカネズミがいます。
これら3種類の家ネズミが繁殖をする時期は、春と秋の年2回で、ちょうど3~5月頃と9~11月頃にあたります。ネズミは1匹辺当たり6匹ほどの子供を生み、その繁殖能力の高さでも知られています。
生まれたネズミが大人に成長するスピードも数カ月と早いので、繁殖期を迎えるとどんどん数が増えていってしまいます。繁殖期やその後ひと月ほどは、ネズミに出くわす可能性が高くなるので注意が必要です。
ネズミの繁殖が終わるとネズミの数が増えるので、駆除がより難しくなってしまいます。そのためネズミを駆除するのは、繁殖期を迎える前に行うのが効率的です。ネズミの駆除は、繁殖期前の2月や8月に行うと良いでしょう。ネズミの被害でお困りなら、数が増える前に早めに駆除することをおすすめします。
ねずみの被害増加時期までにやっておきたい予防方法
ネズミの繁殖時期に被害に合わないためには、私たちは一体どうしたらよいのでしょうか。ネズミが民家に棲みついてしまうのは、エサがあったり温度が適しているため、居心地が良いからです。逆に言えば、ネズミにとって居心地の悪い環境を意図的に作り出せば、ネズミが寄り付かなくなるのです。
それではネズミにとって居心地の悪い環境とは、具体的にどのようなものでしょうか。以下に、ネズミが寄り付きにくい環境をご紹介します。
◆侵入しにくい
ネズミは小さく柔らかい体をくねらせて、ほんのわずかなすき間でも簡単に入り込んできます。例えば、エアコンのホース穴や、屋根のすき間などが侵入口になります。そのようなすき間を金網やシリコンパテなどでブロッキングしておくと、ネズミの侵入予防になります。
◆エサが探しにくい
ネズミは活発に動き回り多産であるため、沢山のエサを食べます。エサが探しやすく豊富に得られる民家を好む習性があります。そのため食べ物を安易に出しっぱなしにしておくと、ネズミをおびき寄せることになりかねません。
食事をした後に、そのまま出しっぱなしというのはよくありません。食品は、基本的には冷蔵庫や冷凍庫で保存するようにしましょう。バナナなど常温での保存が必要な場合は、フタつきの保存容器に入れておくのがおすすめです。
◆巣を作りにくい
ネズミは寒がりで、暖かいところを好む習性があります。民家の中でも人間が簡単に侵入してこない、暖かくて静かな場所に巣を構えるのです。小さな体で家の中を動き回り、新聞紙や布を集めて民家の中に自分たちの暖かな住みかを作ります。
例えばクマネズミは屋根裏や壁の裏側に、ドブネズミは食器棚や冷蔵庫の裏に巣を作る習性があります。また物置などにダンボールを置きっぱなしにしておくと、ハツカネズミに巣を作られてしまうかもしれません。
ネズミの種類によっても好む環境が若干異なりますが、家じゅうから紙などを集めて自分たちの巣を作ろうとします。巣を作られ繁殖期に入られては、たまりません。
繁殖期までにネズミを寄せ付けないようにするには、不要なダンボールや新聞紙など、巣作りに使えるようなものは早く捨ててしまいましょう。また屋根裏や冷蔵庫の裏など、ネズミが巣作りしそうな場所の清掃を定期的に行うことも必要です。
整理や掃除をきちんと行うことで、ネズミが巣作りをしにくい環境を作ることができます。余計な物は処分して、すっきりとした住環境を作るようにしましょう。
もしねずみを発見したらどう対処したらよい?
ネズミを寄せ付けないために工夫をしてみても、意図せずにネズミを発見してしまうこともあるでしょう。そのような時に、私たちはどう対処したらよいのでしょうか。こちらでは、主なネズミの駆除方法についてご紹介していきます。
ねずみの駆除方法を紹介!
家庭で実践できるネズミの駆除グッズには、主に以下のものがあります。
◆粘着シートを使う
ゴキブリに仕掛けるワナと同じように、強力な粘着シートでネズミをとらえるものです。比較的値段が安く、ネズミの処分も封をして捨てるだけで簡単です。家庭に置いて、とても使いやすいワナといえるでしょう。
業者も使うタイプのワナなので、一定の効果は期待できます。しかし何といっても単純な仕掛けなので、クマネズミのような警戒心が強いネズミには効かない可能性もあります。
◆バネ式のわな
ネズミのワナといえば……!誰でもすぐ思いつくような、昔ながらのバネ式のワナ。比較的値段も安く、繰り返し使えるため人気があります。
しかし最近の家ネズミは学習能力が高く、この手の古いワナには簡単にはかからないことも多いようです。特に警戒心が強いクマネズミのような家ネズミには、不向きなワナといえるでしょう。
◆殺鼠(さっそ)剤
殺鼠剤は、毒入りのエサでネズミを駆除するものです。ネズミに吹きかけたりするものではないため、扱いやすいといえるでしょう。強力な毒を持ち即効性があるものと、時間をかけてじわじわと効いていくものと、2種類があります。
しかし毒を食べて死んでしまったネズミがどこにいるか分からないと、ウジがわいたりして居住空間が不衛生になる恐れがあります。もし発見できてもネズミの死がいをご自分で処分するのに抵抗がある方には、向かないでしょう。
ただ、自分では限界が!
鳥獣保護法という法律において、野ネズミなどの野生鳥獣は勝手に殺処分できないと決められています。しかし家ネズミにおいては、衛生上の理由から保護の対象外となっているため、家庭での殺処分も認められています。そのため今までご紹介してきたような、家庭での駆除方法も可能です。
ただし、ネズミは昔からペストの感染源ともなっていたように、大変不衛生な生き物であり、それは死んだとも同じです。
さらに、完全に息絶えたことを確認してから処分をしないと咬まれる危険性もあります。
またネズミの死がいや息絶え絶えの状態のネズミを見たりすること自体、精神的な苦痛を伴います。このような理由から、ご家庭でのネズミの駆除はなかなか難しいのが現状なのです。
自分で駆除できないときはプロに依頼しよう!
ネズミは換気扇やエアコンの室外機など、どんなわずかなすき間からも簡単に民家に入り込んできます。ネズミの駆除をするには侵入を防ぐ必要があるため、侵入経路を確認してからでないと意味がないのです。
ネズミは「ラットサイン」というネズミの痕跡を残します。ネズミのフンや尿、床などを擦った跡があれば、それがネズミの残したラットサインです。しかしネズミの侵入経路はさまざまなので、その確認は素人では難しいといえます。
侵入経路が分からなかったり、ネズミに対面したくないといった理由が、ご自分でのネズミの駆除がなかなか進まない原因です。もしどうしてもお困りなら、害獣駆除のプロに依頼してみてはいかがでしょうか。プロに頼めば、ご自分で殺処分するようなご負担も感じずに、より早く駆除をすることができるでしょう。
業者に依頼するときのポイントとは?
プロに依頼するときのポイントは、保障をしてもらえるか確認したり、ホームページで信頼できる業者かチェックすることです。
そして良さそうな業者を複数ピックアップしたら、全ての業者から見積りをとりましょう。相見積もりを取ってもらうことで、相場感が養えます。相場を知っておけば、適正な値段で駆除を受けることができるでしょう。
まとめ
ネズミは春と秋の年2回、繁殖時期を迎えます。民家は食べ物に困らないので、ネズミが繁殖しやすい場所。家ネズミは鳥獣保護法の対象外なので、ご自分でも駆除することは可能です。しかし侵入経路を特定したり、死がいを処分するのはなかなか難しいもの。
どうしてもご自分ではなかなか……という方は、プロに駆除を依頼してみましょう。より良い業者に依頼するには、ホームページで良さそうな業者を複数選び、相見積りを取ってもらうことがおすすめです。あなたの家のネズミが、早く駆除できることを願っています。