「そういえば、蜂を11月に見かけることは少ない気がする……」、そう感じているあなたの直感は正解です。夏場にはよく見かけるスズメバチやミツバチなどの蜂たち。11月になると蜂の活動量は激減します。そのため、蜂を屋外で見かけることは少なくなるのです。
とはいえ、蜂と一口にいっても、その種類が多岐にわたることは皆さまご存知のとおりでしょう。場合によってはまだ活動している種類もいるので、警戒が必要です。今回のコラムでは、11月の蜂の活動にスポットを当てて、蜂の生態と危険性を紹介していきます。
「蜂の被害が心配、小さい子どももいるし……」と、蜂の被害を心配している人は、ぜひ最後までご覧いただき、蜂対策を万全に整えてみてください。
目次
11月、蜂は何してる?冬の前でも蜂は危険?
蜂を11月に見かけることが少ない。それもそのはずで、蜂のうち多くの種類は11月頃には寒さから、もしくは寿命を迎え死んでしまうのです。残った女王蜂は厳しい冬を越えるための食料を蓄え、巣の中で過ごします。11月は蜂の数が絶対的に少ないのです。
11月は冬を前にした蜂にとって、もっとも厳しいシーズンのひとつです。夏には旺盛な活動力で飛び回っていた働き蜂もその羽根を休め、生命の最期を迎えます。そのため、11月に蜂を見かけることは少なく、また基本的な危険性は少ないのです。
知れば駆除がしやすくなる!蜂の1年間の繁殖サイクル
蜂が11月に旺盛に活動することは“基本的に”少なく、危険性もそれほどありません。基本的に、と述べたのは、蜂の種類によってはまだ活動をしていることもあるからです。蜂の繁殖サイクルは、種類によって大きく異なります。ここでは蜂の繁殖サイクルに焦点を当てていきましょう。
蜂の繁殖サイクルはこんな感じ
大きく、ザックリといってしまえば、蜂の活動期間は春~夏にかけてです。秋には多くの働き蜂がその使命を終え、冬に巣に残るのは女王蜂だけとなります。冬眠明けの春には女王蜂がエサを食べ、繁殖をはじめ、働き蜂の数を徐々に増やしていきます。
数を増やした働き蜂が、その活動のピークを迎えるのは夏場です。7月~9月にかけての夏の期間。蜂は子育てに精を出します。子どもを守る親の攻撃性が高くなることは、想像するに難しくはないでしょう。蜂は夏場がもっとも危険ともいえます。
とはいえ、上記の繁殖サイクルはあくまで一般論です。蜂の種類が変われば、その活動サイクルも変わります。ここからは蜂の種類別に、その活動のサイクルを紹介します。とくに注意するべきはスズメバチ。毒性が強く攻撃性も高い蜂には、警戒が必要です。
・スズメバチのサイクル
“スズメバチ”というと、強靭なアゴに毒々しい黄色と黒の縞模様が印象的。そんなスズメバチの活動期間は4月~11月です。その中でももっとも攻撃性が高くなるのは7月~10月。夏場にはたくさん飛び回り、その姿を目にすることも多いでしょう。
・ミツバチのサイクル
対して身体の小さな“ミツバチ”。ミツバチは蜂の中でも珍しい、女王蜂以外も越冬することが可能な蜂です。小さな身体を寄せ合ってお互いの身体を温め合い、厳しく寒い冬を越えていきます。
ミツバチの活動期間はスズメバチに比べて圧倒的に長く、2月~12月とされています。攻撃性が高くなるのは2月~3月と、10月~11月の冬直前です。これらの時期のミツバチは攻撃性が増しているため、注意が必要といえるでしょう。
蜂は秋には活動をストップ
冬を前にした秋のシーズン。ミツバチを除いて、蜂の活動は下火になっていきます。寿命が迫っていることもあり、エサ集めや交尾には動き出すものの、攻撃性は下がるといってもよいでしょう。冬を前にした、最期の活動期間が11月だといえるかもしれません。
再び活発に飛び回るのは春ごろ
春は、冬眠を終えた女王蜂が動き出す時期です。この時期の女王蜂は、完全なエネルギー不足。一冬を越すために蓄えたエネルギーを使い果たした女王蜂は、エサとなる樹液や蜜を舐め、徐々に体力を回復。その後巣を作って働き蜂を増やし、活動を広めていきます。
11月には静まる蜂…でも種類によってはまだ危険もあります
蜂は11月には静かになります。とはいえ、なかにはまだ活発に動いている種類の蜂もいるのです。ここで、11月にもまだ活動をしている蜂の種類について解説していきます。
秋~冬の蜂の危険性は種類ごとに違う
秋にあたる11月、とくに注意が必要な蜂が“オオスズメバチ”です。また同様に“キイロスズメバチ”にも、警戒が必要でしょう。活動のピークにあたる夏のような活動量はありませんが、警戒心は高いため、人間を刺してくる可能性が十分にあります。
対して、スズメバチの中でも小型の“ヒメスズメバチ”や“モンスズメバチ”の活動は、ほとんど収束しています。冬を越えるための準備は完了している、と思ってよいでしょう。全体的な活動は静まるとはいえ、蜂の種類によっては11月でも警戒が必要になるのです。
まだ飛び回る蜂から身を守る方法
夏ほどは数を見かけない11月の蜂ですが、まだまだ注意が必要です。そのためには蜂の攻撃から身を守れるように準備を整えておいたり、知識を身に着けておいたりすることが、お役に立つでしょう。蜂から身を守るにはまず、素肌を出さないことが第一です。
イメージとしては蜂駆除のための防護服。また、服の色は白を選ぶようにしましょう。白は蜂からの被害を回避するために、効果的な色です。対して黒は蜂の――とくにスズメバチを刺激する色といわれています。黒色の服の着用は避けましょう。
また、香水や着色料などの使用も、できる限り避けたほうがよいでしょう。これらの匂いには、蜂の警戒フェロモンと同じような成分が含まれているといわれています。蜂を近づけてしまう原因にもなりかねないため、外出時には注意です。
蜂が静かな冬に巣を駆除して安心を取り戻そう
蜂は11月には活動が静かになります。それはすなわち、蜂の巣駆除にもよい時期ということを示します。とはいえ、焦りは禁物です。11月の蜂の巣には、まだ蜂が残っているおそれもあります。すぐに駆除を実行するのではなく、冬の到来を待って実行しましょう。
蜂がいなくなった空の巣は駆除しやすい
冬は蜂がいなくなり、巣の駆除をするにはもっとも適した時期のひとつといえます。また、残っている蜂は女王蜂のみであるため、襲われる危険性もかなり低いでしょう。とはいえ、蜂が生き残っている可能性もあるので、対策は万全におこなったうえで駆除をするようにしてください。
届かない場所・大きすぎる巣などは業者の手で
冬場の蜂の巣の駆除は、ほかの季節に比べて、楽におこなえることは事実です。しかし、そこに潜む危険性はゼロではありません。また、あなた自身で手が届かないような高所や、手に負えないほど大きな巣もあるでしょう。そんなときは、駆除を業者に依頼するのが得策です。
業者であれば安全に、かつ的確に蜂の巣駆除をすすめてくれるでしょう。また、あなたが刺される心配もありません。蜂が静かな時期とはいえ、やはり不安がゼロとはいえませんよね。蜂の巣駆除を検討している人は、ぜひ業者への駆除依頼も検討してみてください。
まとめ
蜂は11月には活発な活動の時期を終え、冬眠の準備に入っています。夏ほど蜂の姿を見かけないのは種類によっては休眠を、種類によってはエサの確保や交尾活動を、活発におこなっているからです。全体的な蜂の数は減っているため、見かけることは少なくなるのです。
とはいえ、種類によっては11月に活動をしている蜂もいます。そのなかでもとくに注意が必要なのが“オオスズメバチ”と“キイロスズメバチ”。大型で毒性も強いこれらの蜂には、11月といえども警戒が必要です。山や森、もしくは自宅近辺で見かけた人は対策しましょう。
蜂の存在が気になる人は11月以降、冬に蜂の巣駆除を検討してみてください。冬はほとんどの蜂が活動していない時期です。駆除も比較的容易でしょう。とはいえ、危険性はゼロではありません。不安な人は業者に相談してみましょう。あなたに合った、最適の解決策を提案してくれますよ!
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